世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

AEW/新日本プロレス Forbidden Door 2023 Review オカダ・カズチカ対ブライアン・ダニエルソン/ケニー・オメガ対ウィル・オスプレイ他

AEW/新日本プロレス(NJPW) Forbidden Door 2023 6/25/2023

www.youtube.com

 

youtu.be

 


AEW世界王座戦
“MJF”マクスウェル・ジェイコブ・フリードマン(c)対棚橋弘至
 MJFオンステージという様な試合展開。はなから棚橋に旨みはないマッチメイクであり、格好を付ける為とはいえ良く受けたなという印象。旨みはないけども酷い内容にも出来ないので、徹底的なMJFの煽りプレイを中心に両者お仕事としてしっかりまとめたオープニングを作りました。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

AEWインターナショナル王座戦-フェイタル・4ウェイマッチ
オレンジ・キャシディ(c)対柴田勝頼対ザック・セイバーJr.対ダニエル・ガルシア

youtu.be


 実力が高くキャラクターも強い豪華な4ウェイの中で、1番存在感を示したのはダニエル・ガルシア。とにかく腰をくねくねさせるダンスを連発し、盛り上がりを生み出す。それでいて、レスラーとしての実力は金揃えているので、ディスコ・インフェルノの様なネタキャラ止まりにならないのも良い。4者4様の楽しい攻防連発。ずっと見ていられる大満足の一戦でした。好勝負。
評価:****

 

 

 

youtu.be

 

ジ・エリート(“ハングマン”アダム・ペイジ、マット&ニック・ジャクソン)、エディ・キングストン&石井智宏対ブラックプール・コンバット・クラブ(ジョン・モクスリー、クラウディオ・カスタニョーリ&ウィーラー・ユータ)、竹下幸之介&海野翔太

youtu.be


 豪華メンバーを揃えても圧倒的な主役であり、ヒロインはエディ・キングストン。モクスリーとイチャイチャという名の激しい打撃戦を行い、憎きクラウディオにはボコボコにされるも憎しみを武器に立ち上がる。姫感の強さが尋常じゃない。全てを飲み込むエディに圧倒されつつも、石井対竹下のある意味一番の禁断の扉カードも実現。

 素早いスポットとハードな攻防をベースに豪華なマッチメイクを次々と放っていく。PPVの10マンタッグとしてはかなり長尺の20分超えだが、スター揃いのマッチアップとエディ×モクスリー&クラウディオのストーリーでまとめていく力技。この日だけの特別な連携も多数ありと中締めとしては申し分ない贅沢な内容でした。

 好勝負。
評価:****

 

IWGP USヘビー級選手権試合
ケニー・オメガ(c)対ウィル・オスプレイ(w/ドン・キャリス)

youtu.be

mdk2727.hatenablog.com


 ケニーを裏切り、エリートを地獄に落とす為に暗躍するドン・キャリスを引き連れたオスプレイ、一旦は退場させられるも、キャリスが絡むことを示唆し、オスプレイがカナダのスターケニーに対し、ヒール調で行く事も同時に示す。
 試合は、レスリングを軽く行った後は、徐々に大技を投入していく展開。必殺技の切り返しや場外ダイブを行った後、グラウンドで一旦ペースを抑えるという緩急と強弱を効かせ、あくまでも徐々にペースを上げていく。

 ケニーが早い段階で流血し、ダウンベースの受け表現も取り入れる事で、ストーリーテリングの強化も行う。この辺りはTVプロレス、メジャーのスケールを意識している。当然この2人なら、その転換を行う事は難なくクリア。オスプレイも煽りを強める演出を積極的に取り入れると、ケニーの反撃シーンからのオスプレイの流血も映えてくる。

 流血とダメージ消耗を演出した後は、キャリスの再登場を含めながら、超人モードに突入した形。最初から最後まで凄い攻防しかなかった1.4の試合の方がクオリティとしては上だが、フェイスヒールと流血による死闘感を押し出したことにより、スケールや見やすさとしては1.4を上回っている。

 禁断のタイガー・ドライバー 91'の解禁を筆頭に首の骨が何本あっても足りないほどの垂直落下系オンパレードは賛否両論ではあるものの、作品としては誰がなんと言うと完璧な逸品に仕上がっている。ストーリー重視になり、クオリティが落ちがちな2戦目でも関係なく、ずば抜けたクオリティを叩き出すベストバウトマシーンの再遭遇は、文句無しに名勝負となりました。
評価:****3/4

 

オカダ・カズチカ対ブライアン・ダニエルソン

youtu.be

youtu.be

youtu.be


 ROH、インディ時代の入場曲であるEurope『The Final Countdown』を使用する特別バージョンの入場で臨むブライアン。これをするためにWWEを辞めてきただけあり、その意気込みを示す。

 またしても、前の試合でケニーとオスプレイに年間ベスト級の試合をやられてしまったオカダだが、対ケニー戦の様な超人オリンピックもまだまだ出来る選手だが、スケールの大きさで勝負する様なオーソドックスな試合展開も出来る日本プロレス最大のスターでもある。基本技の攻防からロメロ・スペシャル(未遂)、旧必殺技キャトル・ミューティレーションと得意技を早々に抜くものの、特段大きな仕掛けはせずに、徐々に積み上げていくロングマッチ仕様。

 オカダの得意な領域でもあり、得意技のシークエンスも形を崩さず、適切に行っていく。まさにビッグマッチ用の外さない試合構築。質の高い攻防を積み重ねていき、トペを放った辺りでブライアンが負傷。結果的に右腕を骨折する大怪我となってしまい、右腕は殆ど使えない状態の緊急事態。

 それでも両者必殺技を投入し、アドリブのYES!チャントなど右腕に負荷を掛けすぎない攻防でまとめにかかる。ブライアンの気力も勿論凄いが、両者共流石のアドリブ力も見事。緊急終了感を極力出さない形で締めたのは見事でした。消化不良ではあるものの、怪我以外は期待通りの素晴らしい内容。

 レッスルマニアのメインイベンターに引けを取らないオカダの存在の大きさと確固たる実力を堪能出来る試合です。リマッチは、ベルトを賭けてしかるべきタイミングでやりましょう。東京ドームなんてどうでしょう。好勝負。
評価:****

 

全体評価:9.5