世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

新日本プロレス WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム レビュー ウィル・オスプレイ対ケニー・オメガ/"元サーシャ・バンクス"メルセデス・モネ登場!

新日本プロレス アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~ 1/4/2023

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IWGPジュニアタッグ選手権試合
Catch 2/2(c)(TJP&フランシスコ・アキラ)対CHAOS(YOH&リオ・ラッシュ)
 ジュニアらしいスピーディーな攻防に、テクニカルなTJP、エッジを効かせるリオが色を添える。特にリオは、アクシデンタルな流血がありつつも、元WWE、AEWがここまでやってくれるのだから日本人としては嬉しいばかり。

 実力者ながらアウトロー要素が強く、政治が必要な本国の大企業ではやっていけなかったTJPとリオが、生き生きと働いている。実力者2人に乗っかり、アキラとYOHも切れ味抜群。疾走感と華やかさ満点の熱戦となりました。

 中々良い試合。
評価:***1/2

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IWGP女子選手権試合
KAIRI(c)対中野たむ
 5分という短時間なので、メルセデス・モネとの一戦に向かうカイリのショーケース。しかし、スターダムのトップ対決だけあり、他のアンダーカードとは一線を画した試合内容。1人だけスーパースターの魅せ方であるカイリが異次元であることを示し、たむも大技攻勢でしっかりとアピール。存在感は確実に示した。まとまった良いTVプロレスマッチでした。

 中々良い試合。
評価:***1/2

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 試合後、元WWEサーシャ・バンクス改めメルセデス・モネが噂通り登場し、カイリを襲撃。日本意識のコスチュームだが、スターとはこうあるべきという立ち振る舞いは見事。2023年のメルセデス・モネの活躍に期待したい。

 

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IWGPタッグ選手権試合
FTR(c)(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)対毘沙門(YOSHI-HASHI&後藤洋央紀)

 WWE時代からの大親友メルセデスの後に、FTRが登場するのも運命的。ベイリーやナオミも帯同しており、大同窓会の様相となっており、試合もFTRオンステージ。

 毘沙門も日本レベルでは連携力も個々のパワフルさもありとトップレベルの良いタッグだが、世界最高タッグのFTRの前ではいくらなんでも分が悪く、FTRがリング内外会場全体をコントロールし切った一戦。FTRの猛攻をカットプレー連発で耐え抜き、逆転勝利は確実に盛り上がる展開でした。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント決勝戦
ザック・セイバーJr.対成田蓮

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 金髪ザックがジェネリック柴田勝頼にサブミッション教室を開校とはならず、成田の柴田オマージュに付き合っていく展開。

 打撃戦の様相となり、成田をオーバーさせたい団体の意図が感じ取れる。スタイルは通ずるものが多いので、試合運びはスムーズ。期待の星成田にやらせるだけやらせて、一瞬で仕留めたザックの貫禄勝ち。

 WWEに復帰したブロンソン・リードことジョナの後釜としてTMDKに加入したのは興味深いが、このベルトを持った事で、IWGPは遠くなりそうなのはもどかしい。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

NEVER無差別級選手権試合
カール・アンダーソン(c)対タマ・トンガ

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 アンダーソンは、OCのシャツで登場。
 アンダーソンの奇襲からスタート。場外戦、花道でのバーナードライバーと印象的なスポットを入れつつも、ファストペースの全編乱戦模様。

 そして一進一退の攻防からガンスタンの応酬で手堅くまとめてフィニッシュ。アンダーソンが、アンダーソンなりにトーチを元盟友に渡す役割を果たし切った一戦。こちらも良いTVマッチ。
 平均的良試合。
評価:***1/4

 

IWGPジュニアヘビー級選手権試合-フェイタル・4ウェイ
石森太二(c)対高橋ヒロム対エル・デスペラード対マスター・ワト

 実力者揃いで目まぐるしい攻防の応酬となった本試合において、歴代タイトルホルダーを抑えて、ワトが大活躍。必殺技乱れ打ちに超高角度の通天閣ジャーマンを決めてあわやというシーンを作り続け、この試合で一気にブレイクスルー。支持を獲得したでしょう。

 これが続けられるのなら、2023年のジュニアの中心となり、彼の能力とスタイルならば国内外跨いだ活躍も期待出来る。

 好勝負。
評価:****


IWGP USヘビー級選手権試合
ウィル・オスプレイ(c)対ケニー・オメガ

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 AEWでしっかりと種蒔きをした上で実現したベストバウトマシーン同士の激突。
 そう呼ばれているのを改めて示すかの様な、量質共に最高レベルの試合内容。
 前半の演舞的な攻防からケニーが強者侵略者ヒールを、旧テーマで登場したオスプレイが新日本の牙城を守るベビーフェイスとして試合を進めていく。オスプレイが強引に猪木オマージュでコブラツイストに入ったり、印象的に重厚にしたいが為に、試合の形に傷が入りかけるも、それ以上に強固な塗装が入る為、寸分の傷や汚れも許さない完璧な作品となっていた前半。

 前半パートでさえも名勝負レベルだが、オスプレイの大流血にテーブル破壊を経て演出要素の強い死闘モードとなった後半。ダメージ値無視で少しくどさはあるものの、完璧に復調したケニーの潰しっぷり、ダウンモードを続けたオスプレイの受けっぷり。そのくどさを寄せ付けない完成度。ケニーがインパクトを征服した際の圧倒し切ったリッチ・スワン戦を超絶アップグレードしたドミネイトマッチ。当然スワンよりもオスプレイの方が実力は高いので、更に物凄いものになるのは必然だが、本当に非の打ち所がない、いや非を打たせなかった一戦。

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 メインを完全に殺してしまったことは唯一のマイナス、クオリティすら殺し得るエンターテイメントマッチとなったムタ対中邑がこの試合の前に生まれてしまったことはアンラッキーだが、些細なこと。

 完全なクオリティで文句も産ませない。究極の一戦でした。
 5スターマッチ。
評価:*****

 

IWGP世界ヘビー級選手権試合
ジェイ・ホワイト(c)(w/外道)対オカダ・カズチカ
 馴染みの店で馴染みのメニュー。焼肉フルコースを食べた後のシメの冷麺とデザート。ジェイのコントロールで試合を落ち着かせ、一進一退の攻防、切り返しの応酬、掟破りの必殺技とアクセントを効かせと、特段目新しいカードでも内容でもなく、コスチュームや試合後の猪木オマージュにしても、正直猪木らしさなんて微塵も感じないが、それで良い。今の新日本の年間最大興行のメインは、この内容が一番が「フィット」する。安心安定の好勝負。これに尽きる一戦。
 好勝負。
評価:****

全体評価:9.5+