AEW Collision #32 1/27/2024
スティール・ケージマッチ
(エリミネーション・ルール/フォール、ギブアップなし、エスケープのみ。負け残った選手がいるチームが負け。)
FTR(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)&ダニエル・ガルシア対ハウス・オブ・ブラック(マラカイ・ブラック、ブロディ・キング&バディ・マシューズ)
WWE Royal Rumbleの真裏に行われたCollisionでの一戦。
まず放送序盤にバックステージでガルシアが襲撃され負傷。その後ガルシアの代わりにマーク・ブリスコが参戦するも入場時にHoBに襲撃され、テーブル葬で戦闘不能。
FTRは数的不利を強いられるものの、ガルシアが復活し、3対3。何週にも渡って行った前振り、本放送でもしっかりとしたセットアップを行い、本番でも長い試合を取り、大ボリューム。
個々が活躍するシーン、連携で魅せるシーン、ハードコア要素、通常技の一進一退と金網戦らしいノーDQな展開と通常技でも充実度の高い攻防で魅せるハイレベルな内容である。しかし、この試合の肝であるエスケープオンリーのルールをどう感じるかによって評価は分かれる。
演者の優れた腕と金網やテーブルを使うことで全てのエスケープシーンをインパクト十分に作り上げているものの、そもそも遺恨清算戦に自らエスケープするという敗退行為を行ってしまう時点で理屈が通らずしっくりこない。自ら仲間を置き去りにして戦場から去ってしまう描き方をするのはどのプロレスラーであっても価値を下げる形となる。
工夫したかったのは理解出来るが、シンプルにフォール&ギブアップで脱落していく形の方が、この試合には相応しい。濃い内容であり、その挑戦的な試みは評価出来るものの、今度は普通の金網戦にして欲しいと思わざるを得なかった。
総合すると好勝負に届かない良試合レベル。
評価:***3/4
AEW Collision #35 2/24/2024
ノーDQマッチ
パワーハウス・ホッブス対サミー・ゲバラ
破天荒でアイデア豊富なサミーと、名前通りのパワーハウスであるホッブスのハードコアな潰し合い。
試合開始から場外テーブル葬までの疾走感はかなりのもの。2人の魅力がこれでもかと詰まっており、特にホッブスが鋭さが増しているだけでなく、攻撃を仕掛けていないところでの動きや溜めの作り方、投げ以外の攻撃なども向上。更なる成長を感じさせていた。
使われる凶器も多彩で飽きさせない工夫もあり、要所でのメガスポットの威力を高める役割を果たしている。テーブル乱舞の激しく楽しい試合は、PPV級のクオリティ。2人の相性も抜群でした。
好勝負。
評価:****
マラカイ・ブラック対ブライアン・キース
2022年以来となるAEWでのマラカイのシングルマッチは、期待の新鋭BKとの打撃戦。ローキックで削り合うところがマラカイらしい試合展開だが、それに応えられるBKも懐が深い。
予想以上にマラカイも受けて、おれはちゃんと「受けもやるぞ、相手も引き立たせるぞ」とTKにアピール。久しぶりのマラカイの魅力を垣間見ることが出来る一戦であり、BKも確実に団体内評価を上げた一戦でもある。
結局以前は頓挫してしまったが、今後こそちゃんとマラカイのシングルプッシュを見てみたい。
平均的良試合。
評価:***1/4
全体評価:7