世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

AEW Review 2022 ブライアン・ダニエルソン対ダニエル・ガルシア/クラウディオ・カスタニョーリ対竹下幸之介他

AEW Dynamite #147 - Fight For The Fallen 7/27/2022
AEW暫定世界王座戦
ジョン・モクスリー(c)対ルーシュ(w/ホセ・ジ・アシスタント)

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 狂犬対猛牛のバチバチ肉弾戦。ルーシュの良くも悪くも荒々しい部分をモクスリーが全て受け止め、悪い部分をマイルドにしてくれる懐の大きさを発揮。ルーシュもWWEとAEWで天下を取り、コンバットスポーツにも精通していてラフも強いモクスリーに対しては、流石に悪い棘を出さずにコントロールした荒々しさで応戦していたのが印象的。 

 想像以上のスイングっぷりを見せており、このカードでハードコアやデスマッチも観てみたくなる程。モクスリーらしい凶器を使わないハードコアマッチはこの試合も炸裂。ルーシュの魅力を100%出し切った熱戦でした。好勝負。
評価:****

 

AEW女子世界王座戦
サンダー・ロサ(c)対山下実優

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 大舞台の経験も十分な東女のエースでさえも飲まれてしまう程スタジアムクラスのTVマッチは、緊張感が違う。オープニングが暫定世界王座戦、フック王座奪取、リッキーフェイスターンもあった神放送の中、外せないと言う気持ちが感覚を鈍らせる。全くリズムに乗れておらず、ロサがフォローにフォローを重ねる展開。

 そこで試合を作り切ってしまうのがロサの実力の高さを物語っているとはいえ、ここまで山下が乱調になるとは想定外。元WWEスターやAEWオリジナルズを見に来た、山下を知らないライト層が多くいたのも事実だろうが、今の女子部門の停滞感を打ち破る戦いを見せてほしかった。平均より上。
評価:***

 

ブライアン・ダニエルソン対ダニエル・ガルシア

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 ブライアンの復帰戦。対するは過去にも戦ったガルシアだが、ジェリコ軍団入りしさらに急成長を遂げ、その成長具合を測る展開になるかと思えば、ブライアンが奇襲を仕掛け、堅い打撃でボコボコにしていくスタート。圧巻のドミネイトっぷりで復帰歓迎ムードを一変させる。

 ガルシアは防戦一方だが、隙を突き反撃。休場していたブランクを突く様に場外で剥き出しの床へのDDTで流血&グロッキー状態に追い込む。そこでのブライアンの引き込み方、ガルシアのシューターの枠を超えるヒールワークの秀逸さでこの試合が凄くなる事は決まったと言っても良いでしょう。

 血気盛んなだけではなく冷静に厳しく仕留めにかかるガルシアとフラフラしつつも何とか相手を潰そうとするブライアン、熱く厳しい攻防の数々に、全ての行為に理由付けがなされている点は本当に隙がない。

 当然スタイル的には相性抜群な上に、ブライアンのスターパワーと演出力、ガルシアの勢いとジェリコ直伝のヒール力が合わさることで大爆発を生み出した。

 フィニッシュは介入込みだがブライアンの格を守る為なので些細な事。ブライアンは健在ぶりを示し、ガルシアはキャリアベストを叩き出した。極上の名勝負です。
評価:****1/2

全体評価:9

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AEW Dynamite #148 8/3/2022
ダンプスター・マッチ
ジ・アクレイムド(アンソニー・ボーウェンス&マックス・キャスター)対ザ・ガン・クラブ(オースチン&コルテン・ガン)(w/ビリー・ガン)

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 チェーンソー・チャーリー&カクタス・ジャック、ダッドリーズ相手にニューエイジ・アウトローズが戦ったダンプスター・マッチをビリーの息子とNAOの生まれ変わりの様なアクレイムドがリメイク。過去の名シーンやオマージュを押さえながら、ハードコア度も高く上々。悪い所はなく、最後も豪快。

 ダンプスターを突き落とすシーンも過去のオマージュ。これこそPPVで行うべき盛り上がりも起こせて、まとまってもいるファンマッチ。この位置なのが惜しまれる良試合。平均的良試合。
評価:***1/4

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AEW Battle Of The Belts III 8/6/2022
ROH世界王座戦
クラウディオ・カスタニョーリ(c)対竹下幸之介

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 クラウディオリハビリシリーズにしては、竹下は余りにも上級な選手。クラウディオとの格差は残す一方、グラウンド、躍動感溢れる攻防、大技攻勢とクラウディオのポテンシャルを受け止める相手としては最適。DDTでの実績を考えればもっと対等でも良い位だが、ザック戦でもクラウディオをかなり強キャラ設定にしていたので仕方はない。

 実際に王者交代は考えづらい状況とはいえ、あわやという所まで行き、スタンディングオベーションも巻き起こる様な大活躍を見せた竹下の評価が更に上がる約20分の激闘。互いに新たな好敵手が見つかったといっても良いでしょう。好勝負。
評価:****

全体評価:7