AEW Collision #33 2/3/2024
AEWコンチネンタル・クラウン王座 プルービング・グラウンドマッチ
エディ・キングストン対ブライアン・キース
同じ様なジャパニーズ・ハードヒッティング・スタイルの先輩後輩対決。となると今のキングストンは格上に立ち、BKに胸を貸す展開となるが、余りにも同タイプ過ぎて、同じ2人が戦っているのでは?という錯覚を覚える。
今のキングストンではヒールに転じるのも難しい為、熱くて激しい良い試合には違いないものの、これ以上は広がっていかないとは感じてしまった。
まあまあ良い試合。
評価:***1/2
ブライアン・ダニエルソン対エチセロ
米墨の世界最高テクニシャン対決が実現。ブライアンがやりたくて仕方なかったのは言われなくても伝わってくる。エチセロの変幻自在のジャベにさすがのブライアンも苦しみ続ける展開。やる方もやられる方もその術を理解しているからこそやられる方も最高の対応が出来る。プロレスマスター達による神々の戦いである。
ジャベ対決に拘りすぎず、抗争を焚き付ける様な場外戦や激しい戦いも導入することで、TVプロレスにも対応。これ以上ないエチセロのショーケースマッチとなりました。
好勝負。
評価:****
ザ・ペイトリアーキー(クリスチャン・ケイジ、キルスイッチ&ニック・ウェイン)(w/マザー・ウェイン)対FTR(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)&ダニエル・ガルシア
ニック×ガルシアの期待の若手対決、クリスチャン×FTRの将来のドリームマッチ、ニック×ダックスでは、小生意気な若造をしごく形と6人タッグの中に様々な要素を組み込み、20分超えのロングマッチを構築。
トリオスマッチとしても目まぐるしい攻防もありと、ストーリーがない中、この試合の中でストーリーを生み出し、次に繋げていくのは見事でした。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全体評価:7.5
AEW Dynamite #227 2/7/2024
#1コンテンダーズ・マッチ(勝者がRevolutionでサモア・ジョーに挑戦)
“ハングマン”アダム・ペイジ対スワーブ・ストリックランド(w/プリンス・ナナ)
2023年No. 1抗争とも呼び声の高いこの両者の激突3戦目は、まさかのダブルターン。スワーブ人気に押され、口髭を蓄えたハングマンがダークサイドに押し込まれていく。目立ったヒールプレイをする訳ではないが、客に媚を売ることもなく、ラフも織り交ぜた厳しい攻撃を軸に対応。
一方のスワーブもフェイスに寄ることもなく、自然体で応戦。2人とも相手を倒すことしか考えていない。ここでWWEや他の団体ならばハングマンにヒールプレイをさせるはずだが、それはさせない。あくまでも流れに身を任せる。
どこまでアドリブでどこまでが用意されたものであるかはわからないが、良い意味で先を予測出来ないサプライズは、試合に感情移入させるエッセンスとなる。
試合自体もやはりハイレベル。テキサス・デスマッチを経た後の通常形式ではあるものの、ラフやハードコア要素をメインにするのではなく、プロレスリング、肉体で勝負し、それで完結出来ているのも見事。
一進一退の攻防がメインで、ハードな攻防も華麗な攻防も十分織り込まれており、その中にテーブル破壊や掟破りの必殺技の攻防、ナナへの攻撃、スワーブが逆に脚を痛めてダメージを受けるなど複数の試合を面白くするスパイスが散りばめられている。
3戦目で決着戦に至るのではなく、新機軸を生み出し、それを大成功させた演者の実力と相性の良さ。このままダブルターンとなっても問題なく両方成功するという確信も持てる活躍でした。AEWだからこそ描けた過去1番かもしれないナチュラルさが売りのダブルターン。新たな世界を見せるAEWに相応しい名勝負でした。年間ベスト級。
文句無しに名勝負。
評価:****3/4
AEW世界タッグ王座戦-トルネード・タッグマッチ
リッキー・スタークス&ビッグ・ビル(c)対スティング&ダービー・アリン
引退間際のスティングが高所ダイブを決めるなど大ハッスル。ハードバンプや試合構築はダービーリッキービルの3人が担当しお膳立てをしてくれるものの、主役がコンディション良い状態で望んでいるからこそ、脇役が頑張り甲斐がある。
リッキー&ビルは個々でもタッグとしても存在感を発揮。また次のチャンスは来るでしょう。クライマックスにかけても印象的なシーンを作り続け、歓喜の瞬間まで走り切りました。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全体評価:8