AEW Dynamite #170 1/4/2023
クリス・ジェリコ(w/マット・メナード&アンジェロ・パーカー)対リッキー・スタークス
リッキーの閃光の様な輝きを放つ鋭い動きに対し、ジェリコが老獪な技術で活かす一方、要所では同じ鋭さで攻防を切っていく展開。新年となってもジェリコは衰え知らず。若手育成モードであっても、単純に寝るだけではなく、存在感を示した上で、踏み台になる。
まさに百戦錬磨のジェリコ相手であっても見劣りしなかったリッキーもメインイベンター候補生筆頭。シングルプッシュを受けに値するメリハリの効いた動きを見せ続けて、この試合のクオリティを押し上げる事に成功。
好勝負に届かない良試合。
評価:＊＊＊3/4
AEW世界タッグ王座戦
ジ・アクレイムド(c)(マックス・キャスター&アンソニー・ボーウェンス)(w/”ダディ・アス”ビリー・ガン)対ジェフ・ジャレット&ジェイ・リーサル(サットナム・シン&サンジェイ・ダット)
人気者と嫌われ者。THE 古典というべきアメリカンプロレス。アクレイムドの相手として打ってつけだったのは、ネタも豊富なJJだったのは想像していなかった。この手の試合でも安定感が出ているアクレイムドはすっかり王者として看板になりました。幻の王者交代から試合再開と盛り上がる要素満点の一戦。
平均的良試合。
評価:＊＊＊1/4
MJFとブライアンのプロモは、極上の一言。
業界最高のプロモ師の一人MJFを、子供の様にあしらうブライアン。それでも真っ向から口撃を辞めないMJF。リーガルというファクターはあったとはいえ、このプロモでこの抗争が成功に向かうと確信出来るもの。WWEでレッスルマニアのメインを務め、正真正銘のトップとして活躍し、WWE内のトークショーやリアリティ番組にまで出演した様なブライアンに対しても全く負けないMJFの凄さも堪能出来ます。
スワーブ・ストリックランド(w/”モグル・アフィリエイツ”パーカー・ブードロー&グランデン&ゴーツマン)対ARフォックス
Cinderblock Steel Steps Double Stomp from Swerve Strickland! At tonight’s AEW Dynamite (12.21.2022)pic.twitter.com/JUn3kSkgRw
— Dark Puroresu Flowsion (@PuroresuFlow) 2022年12月22日
CZWやLucha Undergroundで築き上げたライバル関係を出汁にしつつも、基本的にはヒールターンし、「モグル・アフィリエイツ」を結成したスワーブのショーケース。
ただ、フォックスにもかなり攻めのパートは与えられており、このカードならではの演舞的な展開から華麗なハイフライング、クレイジーな投げ技で魅了。ワシントン州出身でDEFY Wrestlingのリビングレジェンドのスワーブが、ヒールである事を忘れるほどの物凄い支持を受けており、まさにトップスターの輝きを放っていました。
中々良い試合。
評価:＊＊＊1/2
AEW TNT王座戦
サモア・ジョー(c)対ダービー・アリン
元CZWコンビであるサンジェイ・ダットとジョン・モクスリーがプロデュースしたこの試合。
前回の王座戦は、この試合の布石だったが、余りにもスイングし、ダービー・アリンの前では、完全に往年のサモア・ジョーが蘇ったということで、期待値も遥かに上がった今回。
そして何よりもダービーのホームタウンであるシアトル開催ということも大きな要因。客席に現れたAEWと契約を果たした17歳の神童ニック・ウェイン（高校卒業し、18歳になればAEWに出場、父親バディ・ウェインは元レスラーで、ダービーの師匠）に絡んだジョーをきっかけに試合はスタート。
ゴングが鳴る前にスケートボード攻撃とラダーからのスーパーダイブを決めるダービー。ダービーのスーサイドな面を示せば、ジョーも前回を彷彿とする様な鉄柱への投げから支配ターンへ。重厚なヒールプレイと脚攻めで的確にボリュームを追加。基本的にこの組み合わせではジョーがノリノリ。ダービーの被虐性との親和性が高い。
ドラゴンゲート横須賀ススム（現望月ススム）オマージュの足横須賀を決めるなど奥の手も披露。舞台を整え終盤では、耐えるダービーに襲い掛かるジョー。それを振り切って決死の反撃を見せる。ジョーの価値を落とさずに、ホームタウンボーイダービーの歓喜の瞬間へと駆け上がって行く丁寧な試合構築は見事。
時間は短時間だが、魅力が凝縮されている一戦。前回に引き続きエピックモーメントを巻き起こし、新シーズン、最高の幕開けとなりました。
好勝負。
評価:＊＊＊＊
全体評価:9
AEW Rampage #75 1/6/2023
ブラックプール・コンバット・クラブ(ブライアン・ダニエルソン&ジョン・モクスリー)対トップ・フライト(ダンテ&ダリウス・マーティン)
AEWで1番相手にしたくない米龍と狂犬の最強最凶タッグが出陣。若手ハイフライヤーコンビをギタギタに打ちのめしつつ、一方ではトップ・フライトの驚異的な身体能力を極限まで活かす先人としての働きも行う理想的なチャレンジマッチ。
ブライアンとモクスリーにはない武器で攻めるので、もしかするともしかするのか？と期待感を抱かせる所まで行ったのは見事。想像を遥かに超える大熱戦。トップ・フライトがダンテのシングルだけではなく、タッグとしても価値を示した好勝負。
評価:＊＊＊＊
AEW TNT王座戦
ダービー・アリン(c)対マイク・ベネット(w/マット・テイヴェン&マリア・カネリス-ベネット)
ダービーのハードバンプとミサイルの様な場外ダイブに、真っ向からハードバンプとテクニックで応戦するベネット。ダービーの王者1発目の試合とあって、ショーケース要素が強いかと思いきや、キングダムを介入させ、粘るベネット。ストロングな面でも勝負するモデルチェンジした今のベネットの魅力も示せた一戦でした。
平均的良試合。
評価:＊＊＊1/4
全体評価:7+
AEW Battle Of The Belts V 1/6/2023
AEW世界タッグ王座戦-ノー・ホールズ・バードマッチ
ジ・アクレイムド(c)(マックス・キャスター&アンソニー・ボーウェンス)(w/”ダディ・アス”ビリー・ガン)対ジェフ・ジャレット&ジェイ・リーサル(サットナム・シン&サンジェイ・ダット)
"Jeff Jarrett is worse than Vince McMahon!" - Max Caster during Battle of the Belts pic.twitter.com/jaAHvfQeM1 #AEW
— NoDQ.com: WWE and AEW news (@nodqdotcom) 2023年1月7日
大ネタも小ネタも満載のリマッチ。
JJ弄りと見せかけてビンス弄りを決めたキャスター、試合でもJJのかつての仇敵カート・アングルのアングルスラムにアンクルロックを決め絶好調。
ノーホールズバード戦なので介入も多くあり、かつてロカビリーと名乗っていたビリーのギターショットなど乱入満載で楽しめるエンターテイメントマッチ。JJを必死に支えるリーサルも黒子として欠かせない存在です。
平均的良試合。
評価:＊＊＊1/4
