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AEW All Out 2022 Review パート2 Swerve in Our Glory対The Acclaimed/ジョン・モクスリー対CMパンク他

AEW All Out 2022 9/4/2022

 

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パート1 Zero HourからTBS王座戦までのレビューはこちらから!

mdk2727.hatenablog.com

 

ジェイ・リーサル&モーター・シティ・マシンガンズ(クリス・セイビン&アレックス・シェリー)(w/サンジェイ・ダット&サットナム・シン)対ウォードロウ&FTR(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)

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 TNA Xディビジョンオールスターズというべきリーサル、サンジェイにMCMG。インパクト20周年に相応しいリユニオン。ウォードロウ&FTRの旧ピナクルは、先日サンジェイにバカにされたハーウッドの8歳の娘さんが登場という演出を用意。
 名タッグ同士FTRとMCMGの遭遇はどの組み合わせでも面白いが、あくまでもファーストコンタクトに留まる。MCMGはヒールも最高レベルで出来るので、見事な小悪党の振る舞いだったが、そもそもMCMGにFTRに当てる為だけで、一夜限りとはいえ、わざわざ小悪党ヒールさせる必要はなく、更に試合自体のコンセプトが浮ついているので、線にはならず。

 最強キャラのウォードロウに当てるには、一番やってはいけない組み合わせでもあり、そもそもこの組み合わせが間違っていたという危惧していた通りの状況となる。それぞれの持ち味は出せていたとはいえ、ミスマッチが全てを壊していた。

 こちらもXディビジョンレジェンドのジョーの復帰、サンジェイのやられっぷり、ハーウッドの娘さんの活躍でハートウォーミングな中締めが出来たのは救いでした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

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リッキー・スタークス対パワーハウス・ホッブス

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 袂を分かれたチーム・タズ対決。勢い溢れるリッキーと落ち着いて制するホッブス。共にプッシュに値する存在であることは示してはいたが、たった5分では限界がある。カーギル対アティーナ同様やれることは尽くしていたものの、結果的にはホッブスのドミネイター感を見せる事が重視されていた。

 平均より上。
評価:***

 

AEW世界タッグ王座戦
スワーブ・イン・アワー・グローリー(c)(スワーブ・ストリックランド&キース・リー)対ジ・アクレイムド(マックス・キャスター&アンソニー・ボーウェンス)(w/ビリー・ガン)

 クオリティならトリオス王座戦、話題性ならメインだが、今大会のベストマッチは確実にこの試合。ビリー・ガンをマネージャーに据えて、人気が大爆発したアクレイムドとAEWの中でもトップオブトップの2人SIOGの激突。

 アクレイムドの人気で息を吹き返した観客の後押しを得て、アクレイムドが生き生きファイト。キャスター、ボーウェンスそれぞれに見せ場がかなり与えられ、それぞれがキャリアベストの働きを見せたのがまず大きな点。攻撃時は若手らしいオーソドックスながら勢いに乗った動きを、受け手としては、ボーウェンスによる絶妙な脚のダメージ表現を筆頭に、アンダードッグ性を如何なく発揮した観る者を引き込む魅せ方を。「絶対にアクレイムドに勝って欲しい」誰もがそう思ってしまう振る舞いを見せていたのが印象的。

 ただ、そのアクレイムドのポテンシャルを最大限引き出したのは王者組、そして一番この試合を掌握していたのはストリックランド。
 アクレイムド支持の空気感を見るや、すぐにヒールへの立ち位置をスイッチ。緩急の使い方、間の取り方、攻め手受け手両方でまさにオールマイティの働きを発揮。実力差的にはスワーブ1人、キース1人対アクレイムド2人でやっと均衡が取れる中、キースの破壊力を示しつつ、誤爆を使いながら上手くキースが出ない様な展開を作り、ストリックランドが中々に出ずっぱりとなるが、どのシーンでも完成度の高い仕事ぶりを発揮。ヒールとしての演出力、レスラーとしてのアクション面まさに完璧。ビリーへDXチョップを見せたり、キャスターへシザーミーのポーズで馬鹿にしたりと一つ一つの動きが画になる。アクレイムドのキャリアベストとなる大活躍を演出したのはストリックランドのリードがあってこそ。

 分断からのあわやというシーンをこれでもかと作り、ジョン・シナに捧げるキャスターのアティチュード・アジャストメントといった見せ場も多数。パンク&エース×エリート騒動が掻き消したのが悔やまれる程の大激戦。

 いつWWEに戻ってもおかしくないキースとストリックランドが最高のパフォーマンスをさせることが出来、ギミックこそ抜群で人気者だが、レスラーとしての実績に乏しいAEWオリジナルの若手であるアクレイムドが団体史に残るパフォーマンスで真のスターの仲間入りを遂げたのは誇るべきもの。

 元WWEとWWEに所属経験のないインディ上がり(キャスターは毎週Wrestling Openなどにも出ていて、修練を続けているが)による凄まじい化学反応。AEWには狂った暴力沙汰よりもWWEに出来ないこういうものを求めている。
 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

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AEW女子世界王座暫定王者戦-フェイタル・4ウェイ
Dr.ブリット・ベイカーD.M.D(w/レベル)対トニー・ストーム対ジェイミー・ヘイター対志田光
 お疲れの会場、ロサの王座返上によりプラン変更を強いられた中、ベイカーと仲間達と志田光が得意技の連続などハードな試合展開で奮闘するも、誰も興味がなくと。長時間興行とストーリー作りの欠如による弊害が出ている。

 これならスターダム勢を呼んでいっそのこと試合クオリティに振り切るしかないレベルにまでなっていて、ある意味トニー・カーンが望む展開かもしれないが、それはそうと、せめてベイカー×ヘイターの不和位はちゃんと描いて欲しい所。

 平均レベル。
評価:***

 

“ジャングル・ボーイ”ジャック・ペリー対クリスチャン・ケイジ

 ジャック・ペリーとコールされたJボーイだが、ルチャサウルスが入場ゲートでチョークスラムを一閃。衝撃のダブルクロスで、ノーダメージでクリスチャンが勝利というプロモ試合でした。怪我の影響もあるとは思うが、シンプルに時間もなかったとは思う。
評価:なし

 

“ライオンハート”クリス・ジェリコ対ブライアン・ダニエルソン

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 モクスリー戦で味をしめたライオンハートだが、この試合も長丁場の大会となった煽りを受けまくる。Dynamiteでやればエピックモーメントだったかもしれない老獪なテクニックバトルは、疲れ切った会場には厳しい。

 ブライアンはともかく、ジェリコは自らのスターパワーを過信し過ぎた感は否めず、例えこの位置だったとしても、ユータ対ガルシアの方が圧倒的に支持を受けたはず。

 平均より上。
評価:***

 

ハウス・オブ・ブラック(マラカイ・ブラック、ブロディ・キング&バディ・マシューズ)(w/ジュリア・ハート)対ダービー・アリン、スティング&ミロ

 HoBの入場が最高にクールなのと、スティングの毒霧が見せ場。ダービー→スティングの順番で孤立していき、最後はミロの出番。階段から突き落とし、TNT王座を奪い合った関係のミロ×ダービーの微妙な距離感、スティング×マラカイの遭遇と良い要素はあったが、事前に描き切れず、

 この試合も結局他の試合の割りを食ってしまいと、ミロにHoBを生かしきれないのは団体の損失ではある。退団か休養かマラカイと残されるHoBの行方はいかに。

 平均レベル。
評価:***

 

 

AEW世界王座戦
ジョン・モクスリー(c)対CMパンク

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 試合後の騒動が何故?と思う程、モクスリーがCMパンクオンステージにひたすら付き合い続けた一戦。裏でパンクが指示していたのかと思うほどパンクしか良い思いをしない内容。流血もモクスリーがドミネイトする試合展開も試合後にMJFが登場するくだりもパンクがヒーローとしてエンペラーとして君臨する為。

 ジョン・モクスリー程の選手ならこの試合の後に辞めても良い位だが、WWEで鍛えられているだけあり大人の対応。最高の黒子でした。シカゴ×パンク×今のAEWの混沌が上手く噛み合った好勝負ではあるものの、パンクのファンが大喜びする内容。モクスリーファン、団体が好きなファンは首を傾げたくなる。

 ここまでトニー・カーンを支配し、子飼いのエース・スティールとお気に入りのレスラー達と共にクリエイティブコントロールを完遂しかけたのに、あの記者会見の舐めた態度と暴言の数々、バックステージの暴力沙汰に動いたのは悪手。もうちょっと上手くやれたのになという感想。良くも悪くも今年1番の大事件。試合内容が良いものなのはWCWにならない為の救いでしょう。

 好勝負。
評価:****

 

全体評価:9

 

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