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AEW All Out 2022 Review パート1 エディ・キングストン対石井智宏/ジ・エリート対ハングマン組他

AEW All Out 2022 - Zero Hour 9/4/2022

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AAA世界ミクスド王座戦
ジェリコ・アプリシエーション・ソサエティ(c)(サミー・ゲバラ&タイ・メロ)対ルビー・ソーホー&オルティズ

 困ったちゃんのトラブルメーカーサミーとその奥さんタイ。結局ルビーとオルティズがずっと相手をしているのは、WWEからのリリース時に人格者であると同業者から賛辞が続いたルビーとサンタナを怪我で失い後がないオルティズだからか。

 試合自体は、サミーによるカートひき逃げセルフオマージュからスタートし、WWEなら1発でニュースになりそうなサミーとタイによるルビーの首が折れそうな不必要な連携など、反省が一切ない鋼のメンタルを発揮。

 ハードワーカーのルビーとオルティズの貢献もあり、全員入り乱れたスピーディーな攻防を展開し、盛り上げることに成功。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

FTW王座戦
フック(c)対アンジェロ・パーカー(w/マット・メナード)

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 いつもの秒殺ではなく、少しずつ強度を上げていこうという意図が感じられる試合。パーカーのインサイドワークに苦戦するも、フックが若さ溢れる戦いとタズ殺法で反撃する展開。短いけどもパーカーの上手さが光る。
 試合後2point0の襲撃にフックの入場曲を歌うラッパーのアクション・ブロンソンが助太刀に入るサプライズも。
評価:**1/2

 

AEWオール・アトランティック王座戦
PAC(c)対キップ・セイビアン

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 522日ぶりに箱の呪縛から解き放たれたセイビアンが同郷のスターに挑む一戦。セイビアンの小気味良いムーブが炸裂し、見応えがあるものの、フェイスヒールの境目がぐちゃぐちゃなのに、攻防で見せようとしたり、ラフに移行したりとディレクションが迷宮入り。結局PACがヒールターンしそうな流れで制圧的にフィニッシュ。しかし、セイビアンも登場機会を与えるに相応しい働きは見せていた。
 平均レベル。
評価:***

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エディ・キングストン対石井智宏

www.fightful.com

www.wrestlinginc.com

 

 一緒に仕事をしたくないと言われたから救済しようと思った大先輩に対し、失礼な厳冬を取ったサミーをしばき上げた結果干されかけたものの、実力者石井をあてがわれる救済策に助けられたキングストン。

 溜めていたフラストレーションを発散する様なチョップ連発は、小橋対健介を彷彿とさせるもの。日本が誇る名勝負製造機、最強の傭兵こと石井もキングストンの描きたい方向性に乗っかり、至極のタフファイトを描いていく。
 終盤崩れかけるものの、ベテランの上手さで何とか踏ん張り、ゴールに辿り着いた格好。本編で良いだろうとは思うものの、大会には欠かせない確実に場内をホカホカにした熱戦でした。

 好勝負。
評価:****

全体評価:7

 

AEW All Out 2022 9/4/2022

 

www.fite.tv

 

 

カジノ・ラダーマッチ
ウィーラー・ユータ対クラウディオ・カスタニョーリ対ルーシュ対アンドラーデ・エル・イドロ対レイ・フェニックス対ペンタ・エル・セロ・ミエド対ダンテ・マーティン対ジョーカー

 豪華メンバーが揃ったラダー戦だが、裏回し出来るタイプの選手がいないので、スポットフェストとなる。アンドラーデやルチャブロズ絡みのスポットは強烈で見応えがあったが、黒装束集団の乱入でフィニッシュ。

 正体はストークリー・ハサウェイ、ガン・クラブ、リー・モリアーティにW・モリッシー。ジョーカーも出てくるも正体を明かさないまま、巨大チップをゲットし終了。
評価:**3/4

 

AEW世界トリオス初代王者決定トーナメント決勝戦
ジ・エリート(ケニー・オメガ、マット&ニック・ジャクソン)(w/ブランドン・カトラー&マイケル中澤)対ダーク・オーダー(アレックス・レイノルズ&ジョン・シルバー)&”ハングマン”アダム・ペイジ

 

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 エリート特にマット&ケニーとハングマンとの微妙な機微を描くも、第二試合、前の試合が不透明決着となり本編では実質のオープニングなので、コッテリにならない様に早めにアクションと結びつけたのは正解。

 CMパンクが気に入らないとディスの要因にもなりそうなPWGスタイルのトリオスマッチだが、シルバー&レイノルズのアンダードッグ性と反撃時の爆発、そして満を辞しての再会となるケニーとハングマンのマッチアップはやはり格別。これまで築き上げた試合とストーリーが特別なものとして昇華させていた。

 格上のエリートが盤石の連携で制圧するかと思ったが、ハングマンの助けは借りつつも、要所ではシルバーとレイノルズ自分たちの力で会場を爆発させたのは大きな収穫。アレックス・レイノルズチャントは、初めて聞いた。

 

 最後はハングマンお悩みストーリーにまたなってしまいそうフィニッシュなのは残念だが、クライマックスにおけるブーストからフィニッシュ自体も実に美しく、初代王者トーナメントの決勝戦に相応しい大熱戦。何よりもこのメンバーの中でシルバーとレイノルズが価値を示せたのは本当に朗報。ジョバー上がりだったことをすっかり忘れてしまう程の、主役の働きでした。

 名勝負。
評価:****1/2

 

AEW TBS王座戦
ジェイド・カーギル(c)(w/キエラ・ホーガン&レイラ・グレイ)対アティーナ

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 ジェイド・カーギルは現在ディズニープラスにて絶賛放映中の「シーハルク」よりシーハルクことジェニファー・ウォルターズのオマージュメイクとコスチュームで登場。これだけでお釣りが来るレベルのサプライズ。

 試合時間は4分とゴールドバーグサイズだが、互いの身体能力の高さを見せつける気合いの入った激しいアクションはインパクト十分。ただつまらない10分ならこちらの方が良いとは言え、本来なら10分取って欲しいのは言うまでもない。十分再戦して良いレベル。

 平均レベル。
評価:***