世界のプロレス探検隊

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TNA Wrestling Hard To Kill 2024 Review セイビン対KUSHIDA対ヴィキンゴ/ドルフ・ジグラー&デイナ・ブルック登場

TNA Wrestling Hard To Kill 2024 1/13/2024

 

 

www.fite.tv

 

Impact WrestlingからTNA Wrestlingに名称を戻し、初めてのPremium Live Event。

 

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アルティメットXマッチ(#1コンテンダー-ノックアウツ世界王座)
ターシャ・スティールズ対ジゼル・ショー対ジョディ・スレット対アリーシャ・エドワーズ対ダニー・ルナ対ザイヤ・ブルックサイド

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 新生TNA 本戦の初戦は、2回目となる女子選手によるアルティメットX。ターシャやジゼル、アリーシャといった在籍歴が長い選手と、残りの3人は在籍歴が浅かったり、新しく契約した選手達。

 ということで拙い部分はあるけれども、素早いスポット回し、連鎖ダイブスポット、合体技を多く導入し、各々が各々をフォローし合う展開。その中では安定した実力を誇るスレットとパワーが持ち味のルナが存在感示す。ザイヤも含めて彼らのショーケースでもあったこの試合。アルティメットXらしいシーンも多くあり、十分楽しめるオープニングでした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

TNAノックアウツ世界タッグ王座戦
MKウルトラ(c)(マーシャ・スラモヴィッチ&キラー・ケリー)対ディケイ(ローズマリー&ハヴォック)
 デス・ドールズ(コートニー・ラッシュとジェシカ)がそれぞれ、ローズマリーとハヴォックに戻り、ディケイ復活。MKウルトラのソリッドな試合運びの恩恵を受け、ディケイもハヴォックが巨体を活かし切り爆発。短時間に持ち味を詰め込みました。

 平均より上。
評価:***

 

TNA Xディビジョン王座戦-トリプル・スレットマッチ
クリス・セイビン(c)対KUSHIDA対イホ・デル・ヴィキンゴ

 


 AAAとのパートナーシップを改めて発表したTNA。その一環としてAAAメガ王者ヴィキンゴが登場。AEW/ROHや米インディでアメリカのプロレスを年間通して叩き込んだAAAのエースは、Xディビジョンにも瞬く間に適応。

 セイビンとクシダというパートナーでもある間柄だが、この2人に対して、何回も戦っているかの様な形で入り込んでいたのは印象的。当然セイビンとクシダという軽量級のリビングレジェンド2人が安定感抜群だからこそでもある。Xディビジョンとは何たるかを改めて示した一戦。
 スピーディーで独創性に溢れていながら、サブミッション/ジャベを使う事で緩急も付ける。ヴィキンゴの超絶ハイフライングは大きなハイライトとなり、そこに負けじとセイビンが戦友ピーティ譲りのカナディアン・デストロイヤーを放つ。

 全編通して完成度が高い好勝負。これが続けば、新生TNAはインパクトレスリング時代の勢いをキープ出来るでしょう。そこにセイビンがいるのは何よりも心強い。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

ジョシュ・アレキサンダー対アレックス・ハマーストーン

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 MLWの元エースがフリーとなりTNAに参戦。TNAのエースジョシュとのヘビー級バトルとなり、ハマーストーンの公開トライアウト兼ショーケースの様な内容。

 脚攻めを効果的に使うジョシュの優勢が続く中、ハマーストーンは筋骨隆々の肉体を駆使した豪快な攻撃や、動けて何でも出来る器用な面も披露。終盤の攻防は魅力的で、将来のPLEのメインでも良い位。

 今後契約に至るかは不明だが、彼やジェイク・サムシング辺りをマクリンの様に成長させる事が出来れば、世界王座戦線の層がかなり厚くなるでしょう。ひとまずハマーストーンのショーケースとしては合格点を挙げられる。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

TNA世界タッグ王座戦-フェイタル・4ウェイマッチ
ABC(c)(クリス・ベイ&エース・オースチン)対ラスカルズ(トレイ・ミゲル&ザカリー・ウェンツ)対”スピードボール”マイク・ベイリー&ラレド・キッド対グリゾルド・ヤング・ベテランズ(ザック・ギブソン&ジェームス・ドレイク)

 


 実力者タッグ達による素早いスポット回しの4ウェイ戦。各々得意の連携を用いて彩っていく華やかな内容。タッグのみならず個々も実力が高い選手ばかりなので、スポットフェストといえどもレベルが高い。

 ただ、見応えはあるものの、ミッドカードサイズ。クライマックスも巻きが入った影響を受け、まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

TNAノックアウツ世界王座戦
トリニティ(c)対ジョーディン・グレイス

 


 WWE復帰の噂が絶えないトリニティ。大親友メルセデス・モネとベイリーが見守る中、決戦に挑むものの、試合をコントロールしたのはジョーディン。怪力、飛び技、試合構築とトータルパッケージの強みを示し、単発気味でギアが上がらないトリニティをサポート。

 後半になるにつれて、王座戦らしい厚みは出てくるものの、トリニティがインパクトに参戦し始めた当初のギラギラ感に比べると、次に心が行っている様な雰囲気は感じた。それでも一定のレベルを残せる安定感を得る事が出来たのは、今後に確実に繋がるはず。

 まだ今後は不明だが、トリニティが、インパクト〜TNAに多大なる貢献をし、業界全体に自らの価値を再提示は言うまでもない。

 まあまあ良い試合。
評価:***1/2

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 サプライズでリングサイドに現れたのは、元WWEのデイナ・ブルック(アッシュ・バイ・エレガンス)。正直"タイムレス"トニー・ストームとキャラクターは被っているが、こっちの方がマリリン・モンローがあるといえばあるので、果たしてトリニティの様にキャリアを再生出来るか。

 

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TNA世界王座戦
アレックス・シェリー(c)対ムース

 


 ストーリーをじっくり作り上げた訳ではなく、団体を象徴するレスラー同士によるリスタートを切る為の王座戦という空気感。その為、体格差を強調したり、ヒールプレイを強めたりするというよりは、シェリーがテクニックで支配するシーンも多くあるなど、ちゃんとレスリングを見せようという意図が感じられる。

 ムースもその様な試合でも対応出来る選手なので、その世界観を壊さずに進めていく。特に前半に関しては、玄人好みな攻防が多く、ダイナミズムという面では不足していたが、攻防数が多くなった終盤は、試合の面白さも上がっていき、帳尻を合わせることに成功。

 絶対に外せない試合だっただけに、外さない様に堅実に大事なメインイベントを務め上げただけでも合格点は挙げられる。ベテラン同士の手堅い良試合でした。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

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 試合後にはニック・ネメス(元ドルフ・ジグラー)がサプライズ登場し、TNA参戦をアピール。
 新生TNA再始動1発目の大会、基本的にはインパクトの時と変わらず高いクオリティのPLEだったので安心。そこにネメスやデイナの様な元WWEレスラー達の力でスケールを上げていけるかが今後の課題。第三極としてWWE、AEWを追撃していきたい。

 

全体評価:8.5+

 

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