世界のプロレス探検隊

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STARDOM STARDOM DREAM QUEENDOM 2023 Review ジュリア対メーガン・ベーン/MIRAI対安納サオリ他

STARDOM JRA中山競馬場 presents STARDOM DREAM QUEENDOM 2023 12/29/2023

STRONG女子選手権試合
ジュリア(c)対メーガン・ベーン

 業界屈指の巨体を誇るメーガンを怪物として設定し、ジュリアはその強さは確実に表現しながらも、自らの価値は落とさずに、スターとして堂々と振る舞っていく。

 様々な得意技必殺技を持っているジュリアではあるが、技数を絞って、削ぎ落とすプロレスをしていたのが印象的。噂されているWWE行きの準備かどうかは不明だが、WWEに行く前の選手に共通する試合運びを行っているのは事実。メーガンは、仮想リア・リプリー、シャーロット・フレアーとしては抜群でした。

 対するメーガンも簡単に倒れない、小技は使わずにわかりやすく体格、身体能力の高さを活かす攻撃に絞っていて、怪物キャラクターのプロレスを的確に行う事が出来ている。その上で気迫を示して、単なる怪物以上の存在である事も示す。

 自由があるスターダムであり、ジュリアの上手さがあってこそではあるものの、スタイルとしてはアメージング・コングの様に進化している。

 AEWよりもWWE向きなのは置いておいて、日本のみならずアメリカのメジャー団体でもブレイク出来るレベルに成長している。まさに世界基準の大激戦でした。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

ワンダー・オブ・スターダム選手権試合
MIRAI(c)対安納サオリ
 30分時間切れを経ての再戦。安納が張り手、ビッグブーツで苛烈に先制。挑戦者で有りながら格上感を打ち出し、試合をコントロールする安納。MIRAIは、基本愚直に立ち向かっていく。その一方で繋ぎ技が多くなり、ロングマッチにも耐えられる様になっていく。

 多角的に試合を進められる安納も、MIRAIのストレートな強さに、最終的には気合い剥き出しの真っ向勝負を選択する様になる2段構築は見事。ライバル関係をより深く実感する事が出来る。

 終盤は、限界突破のフルスロットル。ギアを全開にし、激しさ満点。その中で安納の丸め込みやカウンターが冴えていたのもアクセントとなっている。クライマックスの2〜3つの攻防に関しては、蛇足感はあったものの、王座交代劇に相応しい濃密な激闘となりました。
 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

ワールド・オブ・スターダム選手権 王座決定戦
舞華対鈴季すず
 舞華のパワフルさと鈴季の機動力という構図。場外戦スタートやテーブル使用で変化をつけてはいるものの、大技ラッシュによる2.9プロレスという点、必殺技連発にカウンターでリバースフランケンを使用するなど、大枠としても細かい点でもセミと重複してしまうのが惜しい内容。

 舞華のパワームーブ、鈴季の身体能力の高さが光る攻撃の数々と持ち味は存分に出ていただけに、中々難しいとはいえ、ジュリア対メーガンとMIRAI対安納の順番を変える事が出来たら、既視感も抱かず、ストレートにこの試合の良さを感じる事が出来たはず。メインとしては十分成功していただけに惜しまれる。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

全体評価:8+