WWE NXT Deadline 2023 Kickoff 12/9/2023
アクシアム対ネイサン・フレイザー
NXT UKからのライバル対決。少しヒールに挑戦しているフレイザーのヒール調の試合運びはあるにしても、それ以外の攻防は、一度刀を抜くと絶品の攻防を連発。ライバル対決に相応しい躍動感溢れるマッチアップは、会場の着火剤にもってこい。カード通りの確実な良試合。
中々良い試合。
評価:***1/2
WWE NXT Deadline 2023 12/9/2023
WWE NXTノース・アメリカン王座戦
ドミニク・ミステリオ(c)対ドラゴン・リー
RAWではこのカード屈指の素晴らしい試合を残した両者。メインロスターでも活躍する中、ウェス・リーの欠場により、ドラゴン・リーが代打出場。
中盤〜終盤にかけては、このカードらしい軽快で豪快な攻防が見られ、見どころを生み出したが、その他は抑えめに。本当はウェスにベルトを渡す予定だったのではという雰囲気も漂う形。
良いオープニングには違いないけれども、このカードに期待するレベルには届かず。
平均的良試合。
評価:***1/4
ウィメンズ・アイアン・サバイバーマッチ
ファロン・ヘンリー対ブレアー・ダベンポート対ケラーニ・ジョーダン対ティファニー・ストラットン対ラッシュ・レジェンド
女子若手見本市に、元王者ティファニーと実力者ダベンポートが補佐を行う構図。全員が揃う前は、土台をコツコツと積み上げているかの様な堅実な攻防が続き、最後のレジェンドが登場してからは一気にギアチェンジ。
レジェンドが見事にドミネイター役を果たし、空気を一変させると、身体能力の高い若手達がそれぞれのアピールを行い、その中で多人数戦の目まぐるしさ、ポイント制、ペナルティボックス制というルールを活かしたカオスな空間を演出。スーパーアスリート×管理プロレスというWWEの強みを存分に活かした試合内容。
ティファニーはその中でも頭何個も抜けている格上感を示していたが、このメンバーでここまでの面白さを作り上げるのはWWEほど振り切っていないと出来ない。WWE印の熱戦でした。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
メンズ・アイアン・サバイバーマッチ
ブロン・ブレイカー対トリック・ウィリアムズ対ジョシュ・ブリッグス対ダイジャック対タイラー・ベイト
キーポイントは女子との差別化とトリックの大プッシュ。
女子との差別化は、ダイジャックとブリッグスという動けるビッグマンを最初に配置し、迫力をアピール。怪力とハイフライングを兼ね揃えたバランサーのベイト、今回の主役トリック、そして元王者ブレイカーはゴーバーばりにスピアーを連発し、ドミネイターとして君臨。
ビッグマン揃いだが、ただのビッグマンではなく経験豊富で技術も確かなベテラン揃いなので、多人数戦においても様々な役回りが出来、攻防の幅もあるのが強い、それを上手くまとめる管理プロレスの強みもある。
そして最後の最後は、本命と目されながらも全くポイントを取れずにいたトリックが、ポイントを乱獲するという大逆転勝利。9回裏に打者一巡の猛攻で追い付き、最後は特大ホームランでトドメを刺す。これぞアメリカンスポーツという展開をプロレスで表現し切った。これ程までの大爆発は珍しい。形式の妙を最大限活かした好勝負。
トリックをトップフェイスに押し上げる最高の演出が印象的だが、他のメンバーにも全く損はさせない配慮も実にクレバーだったのも見逃せない。文句無しに好勝負。
評価:****1/4
WWE NXT王座戦
イリア・ドラグノフ(c)対バロン・コービン
小悪党、典型的なWWEスーパースターだったコービンがローンウルフギミック回帰を経て、正統派にチャレンジ。王者イリアと真っ向勝負を演じることで、観客が盛り上がって良いのか、コービンだから違うんのではないかと困惑しているのが目に見えてわかる熱い内容。
アバラ攻めを駆使することでダメージの色濃さを演出しやすくしており、イリアのわかりやすいダメージ表現とマッチしている。コービンも豪快な技を多数揃えており、見栄えも十分。
イリアがコービンを立てるのではなく、コービンをイリアの世界に入らせたのは意表を突き、そこで絶好調の王者イリアを相手に、上手く対峙出来る懐深さと管理プロレスのフォローアップもあり、レスラーコービンの魅力を再定義出来た一戦となりました。
予想以上の熱戦。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全体評価:8.5+