PROGRESS Wrestling Chapter 160: VENDETTA 11/26/2023
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PROGRESSアトラス王座戦
リッキー・ナイトJr.(c)対ルーク・ジェイコブス
PROGRESSではあるものの、RevPro色の強さも感じるカード。バチバチの打撃と肉弾戦にRKJがハイフライングも織り交ぜる熱い展開。雪崩式カナディアン・デストロイヤーをノーセルで起き上がったことに代表されるように、ダメージ軽視の度が過ぎることはマイナス要素だが、清々しいまでの激しい激突は一見の価値あり。
若手実力者同士のハイレベルな一戦でした。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
レオン・スレ―ター対コナー・ミルズ
ミルズはルックスが代わり、スタイルも華麗な攻撃はあるものの、厳しい打撃を駆使するストライカータイプに。その為、浮遊感溢れるレオンとの対比は出来ている。
長い試合ではないものの、自らの持ち味を凝縮して提示。良いショーケースマッチに仕上がっている。
平均的良試合。
評価:***1/4
YOICHI(稲村愛輝)対入江茂弘
👊 A new future begins today for YOICHI.
— PROGRESS Wrestling (@ThisIs_Progress) 2023年11月26日
He’s looked to his past & is on course to strengthen his future.
⚔️ Can he make it a successful start today & beat Shigehiro Irie?#PROGRESSWrestling #Wrestling #noah_ghc pic.twitter.com/0VP1OKjsvX
稲村愛輝が弓道の弓を持参し、日本人を強く意識したコスチュームで、名前もヨイチに改めて再登場。帰国後のプッシュに備える第一歩。
キャリアが圧倒的に上な入江を相手にショーケースを行う贅沢な仕様だが、ノアとフリーの力関係を感じるマッチメイクである。しかし、ヨイチのパワフルかつ飛ぶ時は浮遊感溢れる攻撃は魅力的で、スター性を感じずにはいられない。
日本人らしさも備えており、ノアを経て、WWEにというルートも期待したくなる。入江をこの役割に抑え込むだけの価値を示したヨイチの活躍が印象的な試合。
平均的良試合。
評価:***1/4
PROGREES男子世界王者戦-タイトルvsマスク
スパイク・トリベット(c)対キッド・ライコス
ライコスのSSS16優勝、王座挑戦も返り討ち。マスク剥ぎや軍団抗争も経て、最終戦はトリベットの王座とライコスのマスクを掛けた決着戦。セコンドも排除され、舞台は整った。
冒頭から遺恨を感じさせる攻防が続き、ライコスが投げ技と軽快な攻撃を両方駆使すれば、トリベットはボトル攻撃や椅子攻撃、更にはステージでの墓石上のツームストーンなどでドミネイト。トリベット優勢の時間は多いものの、ライコスも一歩も引かず一進一退。15分を過ぎると凶器を更に追加し、一気にハードコア、デスマッチモードへ突入。
立てた椅子への投げ、ラダー、ボードに場外テーブル葬とハードコアなスポットを多数用意し、それだけに留まらず、画鋲、レモン汁、ガラスボードといった最終決戦に相応しいデスマッチアイテムも投入しと、文字にすれば華々しいものだが、積み上げてきた40分近い試合時間の割には、結末はあっけなくバッドエンド。
やっていることは悪くない。堅実な試合構築とストーリーや凶器によるサポートもあり、相応に身体も張り続けていて、良い試合には違いない。
しかし、スパイク・トリベットはクリス・ブルックスではなかったこと、ライコスはプッシュに相応しい成長曲線は描いているが、まだ色々な補佐がないとトップとしては心許ない選手であることが要因で、行為に対してのリターンが少ない形となった。
トリベットは、カーラ・ノワールとの抗争時に比べると、キャラクターレスリングのレベルが落ちていて、そつなく出来てはいるものの、特別な強みもない。
ヒールプレイとハードコアに特化した方が、良さが出るのに、変に器用に対応出来るが故に、キャラクターに合わないフットスタンプ系の攻撃を多用したかと思えば、思い出したかのようにヒールプレイで煽りに行く。しかし、次の手は正攻法だったりと試合運びに一貫性がなかった。ライコスもそれを修正出来るタイプではないので、傷口は開いたまま。
後は、ネガティブな要素を埋めるにもってこいの流血やマスク裂きがないのも大きな要因。クリス戦でデスペラードオマージュのマスク全裂きからの正体あらわまでしてしまっている中で、今回トリベットの口の出血とガラス受けした後の流血のみだけだったのは中途半端。
エピックマッチになる要素は揃っていただけに、プロレスリングはやはり水物なのだと再認識出来る。一つ言えるのは後味を悪くするならとことん悪くして欲しい。中途半端にするのが1番良くないことである。良い試合ではあるものの、試合時間を長くした割には、クオリティは伸び切らず。
ただライコスがマスクを剥がされただけの試合になってしまったのは悔やまれるが、WCWでケビン・ナッシュにマスクを剥がされた後、ヘビー級殺しとして大ブレイクして、今の地位を築いたレイ・ミステリオの様に、これまで以上にトップレスラーとして躍進して欲しい。
まあまあ良い試合。
評価:***1/2
全体評価:8