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WWE NXT Vengeance Day 2024 Review イリア・ドラグノフ対トリック・ウィリアムズ他

WWE NXT Vengeance Day 2024 2/4/2024

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ダスティ・ローズ・タッグ・チーム・クラシック2024決勝
トリック・メロ・ギャング(カーメロ・ヘイズ&トリック・ウィリアムズ)対バロン・コービン&ブロン・ブレイカー
 今1番NXTで注目されているカーメロとトリックのストーリーライン。2人の間に吹く隙間風を隠しながらも微妙に示す上手さは、やはりさすがWWEという細かさ。その中でメインの2人を食う活躍を残したのは、ブレイカーとコービンの強力タッグ。

 スタイナーズを飛び越えてゴーバーの様なパワーの塊の様な豪快な攻撃を連発。若きスターブレイカーを支える立場のコービンも、バランスを取りながらも合体式ノータッチトペを繰り出すなど新たな引き出しを開けて、勢いに乗る。俺たちが主役だと言わんばかりの猛攻で、カーメロ&トリックを差し置いて主役の座を奪いにかかる。

 カーメロ&トリックもストーリーを順守しながらも、身体能力と華がある2人。適切な反撃で貢献。特に主役の座を譲れないトリック。大人気に支えられ、試合運びや技セットも現代版ブッカーTという形になりつつあるが、その上でダウンベースやダメージ表現も向上してきており、実力という意味ではブッカーを超える可能性は出てきている。 

 ストーリーを踏まえながらもタッグの面白さ、個々の魅力をキープした熱戦。フィニッシュもインパクト満点で最適でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ノーDQマッチ
ダイジャック対ジョー・ゲイシー
 すっかりハードコア要員になりつつあるダイジャックと生まれも育ちもCZWなナチュラルボーンブロウラー・ゲイシーによるハードコア戦。ゲイシーのサイコな面が健在。恐れながらも攻撃は抜かりなく厳しく決めるダイジャックの強さも光る一戦。

 印象的なシーンも多くあり、アンダーカードとしては十分。ベテラン達による安定感満載の乱戦。しかし、才能豊かな若手達に負けない存在感を発揮しているのが強い。
 中々良い試合。
評価:***1/2

 

WWE NXT女子王座戦
ライラ・ヴァルキリア(c)対ロクサーン・ペレズ
→WWE NXT女子王座戦-トリプル・スレットマッチ
ライラ・ヴァルキリア(c)対ロクサーン・ペレズ対ローラ・ヴァイス
 前半はトップフェイス同士の手に汗握るスリリングな一進一退、後半はブレイクスタートーナメント優勝の権利としていつでもどこでも王座挑戦権を与えられたヴァイスが登場し、カオス度を増した3ウェイ。
 MMA出身のヴァイスがサブミッションや回転系の蹴りや裏拳を放ち、インパクトを生み出す。最初から出すのはPLEではまだ早いけれど、途中から出せばライラ、ロクサーンには出せない魅力で活躍出来ると踏んだ裏方側の作戦勝ち。カオスの中に回転系の打撃は特段映える。ヴァイスのベストな売り出し方法といっても良い。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

WWE NXTノース・アメリカン王座戦
オバ・フェミ(c)対ドラゴン・リー
 リーから王座を強奪したフェミのナチュラルパワーが炸裂した試合ながら、リーもルチャドールの概念を壊す怪力の持ち主でもある。パワーでも対抗出来るところを示し、試合全体ではフェミをフォローしながら、受けの面でも貢献。大器になり得るフェミのショーケースとしては申し分なし。
 平均的良試合。
評価:***1/4

 

WWE NXT王座戦
イリア・ドラグノフ(c)対トリック・ウィリアムズ(w/カーメロ・ヘイズ)
 この日2試合目な上に、脚にダメージも抱えるトリックを、ハードヒッティングで制圧するイリア。難攻不落の王者に対し、ハンデを背負いながらも果敢に反撃を試みるトリック。トリックのトップスター計画の極みというような王道の試合展開。視覚的にも熱戦模様を作りやすいイリアということも良い方に作用している。

 カーメロとの隙間風も最終局面。サポーターのはずが足手纏いになり、そして崩壊へとこちらも上手く出来た作り。しっかりとしたストーリーに、内容も伴った激しい内容の熱戦、そして試合後のサプライズとアメリカンプロレスの面白さが詰まった好勝負。 

 今後のカーメロ×トリックのストーリーは、果たしてガルガーノ×チャンパの様な歴史的なものになるでしょうか。

 好勝負。
評価:****

全体評価:8.5

 

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