世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

WWE NXT The Great American Bash 2023 Review カーメロ・ヘイズ対イリア・ドラグノフ/"プロレス界のバービー"ティファニー・ストラットン対"19歳"ティア・ヘイル他

WWE NXT The Great American Bash 2023 Kickoff 7/30/2023

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ドラゴン・リー、ネイサン・フレイザー、ヴァレンティーナ・フェロス&ユリサ・レオン対Meta-Four(ノーム・ダー、オロ・メンサ―、ジャカラ・ジャクソン&ラッシュ・レジェンド)

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 男女含めて期待の若手ハイフライヤー対キャラが立っている多国籍ヒールという軍団抗争。類稀なる身体能力を見せつけるショーケース。ネームバリューのあるリーやフレイザーだけではなく、その他のメンバーも抜擢に応える活躍を示す。

 キックオフの試合としては最高の盛り上がりを生み出した一戦でした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

WWE NXT The Great American Bash 2023 7/30/2023

ゲイブル・スティーブソン対バロン・コービン

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 東京五輪アマチュアレスリング金メダリストスティーブソンのデビュー戦。ちょうど良いタイミングでメインロスターから降りてきたコービンを相手に起用する万全の体制。しかし、あのコービンが支持を受けるほどの嫌われっぷり。デビュー戦の黒人スターがブーイングを貰い続けるのは中々な異常事態。

 コービンのキャリーに乗りながら、スティーブソンが見事なスープレックスを連発する展開だが、軌道には乗り切れず、カウントアウトで不透明決着。結果顔見せだったという印象。比較対象がどうしてもGreatest of All Timeのカート・アングルになってしまうのは酷。長い目で見るしかないが、そこまで本人が耐えられるかどうか。オリンピック再挑戦の話はずっと出ているが、プロレスラーではなく、MMAのルートを見出すかもしれない。
評価:**1/4


WWE NXTノース・アメリカン王座戦-トリプル・スレットマッチ
“ダーティー”ドミニク・ミステリオ(c)(w/リア・リプリー)対ムスタファ・アリ対ウェス・リー

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 JDとリアの度重なる介入により、新王者となり、その後防衛も重ねる「2023年版ラティーノヒート」ことドミニク。ヘタレ小悪党で人気を獲得しているが、ミステリオの名を継ぐものとして、ありとあらゆる歴戦の猛者と対戦経験を積み上げていく育成も並行中。

 今回はメインロスター経験も豊富なアリとシングルでも好調をキープする前王者ウェスというインディからの叩き上げの軽量級2人との3ウェイ。

 攻守に渡りドミニクとリアを中心に据えた試合展開で、軽量級の3ウェイらしい軽快さはそこまでではあったが、1人フェイスのウェスがビッグダイブを決めるなど躍動し、存在感を示す。

 アリはニュートラルとしてバランスを取り、最終的にはドミニクにお膳立て。ドミニクのレスラーとしての真価が見られるかもとは思ったが、今のプッシュ具合ならストーリーやキャラクターに沿うのはやむなし。ウェスの活躍が光った事を喜ぶべきでしょう。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

WWE NXT女子王座戦-サブミッション・マッチ
ティファニー・ストラットン(c)対ティア・ヘイル(w/アンドレ・チェイス&デューク・ハドソン)

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 24歳対19歳。WWEの将来を背負う者同士の王座戦。ハイテンションなキャラクターに飛び付きキムラロックを武器とするギャップが楽しいヘイルに対し、マライア・メイと並んでプロレス界で最もバービーに近い選手ストラットンが、高い身体能力とこの試合の為に用意した様々なサブミッションを披露する展開。

 スープレックスに対する受けの危うさに関しては、まだNXTでやることはあると思わざるを得ないけども、キャラクターと存在感は唯一無二のものがあり、難しい試合形式にも真摯に取り組む姿は、キャラクターを超えるものがある。

 ストラットンがロメロスペシャルに始まり、実質ライオンテイマーというべき高角度ボストンクラブを披露。完全に用意された内容ではあるものの、それをストラットンが行えば、確実に意表は突く事が出来る。スケールでいえばストラットンだが、ヘイルも才気溢れる所を示し、ストラットンをを超える様な19歳で堂々とした活躍を見せた。内容や結末以上に両者のポテンシャルに満足出来る一戦。
 ティーンのレスラーとしては、男子であればニック・ウェインやスターボーイ・チャーリー、女子であればビリー・スタークスが注目されるが、このヘイルも中々のもの。ヘイルやロクサーンの様な若手がゴロゴロいるNXTはやはり人材の宝庫。
 平均的良試合。
評価:***1/4

 

WWE NXT王座戦
カーメロ・ヘイズ(c)(w/トリック・ウィリアムズ)対イリア・ドラグノフ

 

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「マッド・ドラゴン」の異名を与えられたモスクワの竜巻イリアが、鷹木信悟やグンターをも破壊するハードヒッティングを炸裂させ、王者カーメロを追い込み続ける肉弾戦。ヒール調に調整した試合運びにも難なく対応したのは、ヒールをやっていたWXW時代の経験も活きたか。

 反撃に転ずるも中々上手くいかずに芽を摘まれるカーメロ。華が溢れるキャラクターと、浮遊感たっぷりなファイトスタイルが信条のカーメロだが、イリアのハードヒッティングスタイルを踏み込んでいき、自ら打撃の打ち合いを選ぶ展開は非常に熱い

 。普通に試合を行ってもスタイルクラッシュの面白さを感じる事が出来た試合だが、中盤以降は、意を決したカーメロが肉を切らせて骨を断つ戦法を強めたことにより、試合内容が数段階昇華した。インディ時代からスタイルは殆ど変えず、洗練させてスケールアップした両者。

 すぐにメインロスター入り出来る位置にいる中で、更に箔を付けたといっても良い名勝負を生み出しました。この2人の組み合わせ、カーメロの華麗なスタイルからは想像も出来なかった直球勝負でした。

 名勝負。
評価:****1/2

 

全体評価:8+