WWE NXT Battleground 2023 5/28/2023
ラスト・マン・スタンディングマッチ
イリア・ドラグノフ対ダイジャック
テーブルを立てようとしたダイジャックにタックルをかまし、テーブルを貫通。鉄階段やエプロンへのクレイジーバンプ、狂乱の表情で試合を自分色に染めてしまうイリア。攻め手となったダイジャックの上手さや特性もあるとはいえ、いつか壊れてしまうのではと思ってしまう受けや表現で単なるミッドカードを極上のデスマッチに変えていく。特別な仕掛けを施されている訳ではないが、自身の力で試合を昇華させた。
ハードバンプのみならず、激しい逆水平チョップや鉄階段を使ったヴァン・ターミネーターなど攻撃でも見劣りしないのも強い。
イリアの貢献度の高さが光る中、対するダイジャックもインパクトが高い攻撃を多く持っていて、イリアの持ち味を引き出す相手としては打って付け。フィニッシュもイリアにしか出来ない締め方で、この2人だからこそ生み出せたオンリーワンの死闘となりました。
文句無しに好勝負。
評価:＊＊＊＊1/4
WWE NXTタッグ王座戦
ギャラス(c)(マーク・コフィー&ヴォルフギャング)(w/ジョー・コフィー)対クリード・ブラザーズ(ジュリアス&ブルータス・クリード)(w/アイヴィー・ナイル)
試合としては良試合レベルに届かなかったものの、試合終盤のジュリアスのスープレックス連発は見所。ブルータスも能力は高く、タッグとしての魅力は高いけれども、ジュリアスの潜在能力が余りにも高過ぎるので、シングルプッシュの可能性を捨てたくはない。
ギャラスの印象が残らない程、ジュリアスの輝きが上回っていた。平均より上。
評価:＊＊＊
WWE NXT女子王座新王者決定トーナメント決勝
ティファニー・ストラットン対ライラ・ヴァルキリア
ヴァルキリアがリープフロッグの着地をミスし、脚を負傷。そのダメージを抱え、ストラットンの脚攻めにも苦しみながら、何とか反撃していく展開。インディからNXT UKを経て今のNXTにおいては、経験値が高いヴァルキリアが受け手を担当し、的確に脚のダメージを表現していく。
ストラットンは、キャラクターとルックスは殆ど完成されており、後はレスリング技術のみということで、あえてストラットンにキャラクターレスリングをさせずに、脚攻めを中心とした試合構築を選択させたのは興味深かった。実質初めての大舞台に近いストラットンに、しっかりとレスリングをさせるのは、今のNXTだからこそ出来る選択。
メインロスターに上げるにはまだ粗さはあるものの、身体能力の高さを活かしたスタイルを壊さずに、スケールアップさせようとしており、似た様なスタイル、ルックスのレイシー・エヴァンスやマンディ・ローズは超えていきたい。
終盤も粗さは残るものの、ヴァルキリアの表現力とストラットンの迫力で何とかクオリティをキープ。大事に王座戦をやり切りました。
中々良い試合。
評価:＊＊＊1/2
全体評価:8.5+
