世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

WWE TVマッチ Review 2023 "WWEラストマッチ?"エッジ対シェイマス/グンター対チャド・ゲイブル

WWE Monday Night RAW #1578 8/21/2023

youtu.be


WWE IC王座戦
グンター(c)対チャド・ゲイブル

youtu.be

 業界トップのハードヒッター、IC王者としても絶対王者と化した最強のグンターと、体格差からアンダードッグに収まるものの、オリンピアンの実力を持ち、人気も鰻登りなゲイブルの一戦は、格差を描きつつも、グンターは猛烈なハードヒッティングを決め、耐えながらもゲイブルがシューターらしいところを如何なく発揮する手に汗握る展開。

 カウントアウトになるか否かの攻防を有効に使い、上手くボリュームアップ。最終的には体格差を超越し、ゲイブルがグンターを投げまくり、カート・アングルを彷彿とさせるアンクルロックまで決める。絶対王者グンターの強さは損なわずに、ゲイブルがグンターに匹敵する存在である事を示した丁寧な試合構築とバランス感覚が特筆すべき点。
 最後はカウントアウトでの不透明決着ながら、それまでの内容で十二分に満足出来る好勝負でした。
評価:****

 

サミ・ゼイン&ケビン・オーウェンス対ジャッジメント・デイ(フィン・ベイラー&ダミアン・プリースト)(w/リア・リプリー&ドミニク・ミステリオ)

→コーディ・ローズ、サミ・ゼイン&ケビン・オーウェンス対ジャッジメント・デイ(フィン・ベイラー、ダミアン・プリースト&ドミニク・ミステリオ)(w/リア・リプリー)

youtu.be


 カナダ・ケベック開催ということで地元の英雄サミとこの日に復帰したKOが登場し、大歓声を受ける一方、絶賛不仲ストーリーが進行中のベイラーとプリーストの隙間風を巧妙に演出するストーリーテリングも見事。

 サミKOのタッグとしての活躍を見せた後は、ドミニク、リアそして台風の渦の中に入り込んできたマクダナが登場。DQフィニッシュから真打コーディが登場し6人タッグへ。トリオになるとよりシンプルな6人タッグとなったが、大ベビーフェイスコーディの立ち回りと大ヒールドミニクの大ブーイングというアクセントがあり、そして最後はサミKOが締めるというハウスショーフォーマットをTV仕様に落とし込んだ形。

 特別な試合ではないが、進行中のストーリーを活かし、一つ一つの魅せ方に工夫を与えるだけで満足度を上げる事が出来るという良い例です。
 中々良い試合。
評価:***1/2

全体評価:7+

 

WWE Friday Night SmackDown #1252 8/18/2023

youtu.be


エッジ対シェイマス

youtu.be


 エッジの25周年記念試合は、契約満了が近づいており、もしかするとWWEでの試合が最後になる可能性も秘めた試合に。地元トロント開催で妻ベス・フェニックス他家族もリングサイドに姿を現し、コスチュームはNHLトロント・メイプルリーフスオマージュのコスチューム。

 そしてPLE級の大切な試合の対戦相手を務めるのはこちらもベテラン、HHHが多大なる信頼を寄せる選手の1人シェイマス。

 両者フェイスの為、オーソドックスなレスリングから得意技を織り交ぜる一進一退の攻防に。場外床へのパワーボムといった過激な技は一部見られたが、ハードコアや負傷スポット的な付加要素に走るのではなく、基本的には等身大の姿を見せ続けた消耗戦。 

 エンターテイニングな要素は当然含まれているが、シェイマスの武骨なハードヒッティングを全て受け止め、よりプロレスリングの要素が色濃く反映されている肉弾戦に、互いの得意技必殺技裏必殺技まで繰り出す特別仕様。

 スーパースターとしては、老いを否定せず、哀愁を武器にする。レスラーとしては、スキルの高さ、コンディションの充実度を発揮し、まだ十分に戦える事を示唆する。 WWEでは選ばれた者にしか描く事の出来ない外連味のない熱戦。それを許されることが、この団体で多くのものを残し続けたスターである事の証明。

 記念試合に相応しい試合であり、エッジがシェイマスの土俵に入って戦い抜いたのも意義がある。果たして他へ移るのか、舞い戻ってくるのかは不明だが、最高のフィナーレとなった好勝負でした。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

 

全体評価:7.5