世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

WWE WrestleMania 39 – Sunday Review ローマン・レインズ対コーディ・ローズ/IC王座3ウェイ他

WWE WrestleMania 39 – Sunday 4/2/2023

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前日の1日目のレビューはこちら。

mdk2727.hatenablog.com

 

WWE IC王座戦-トリプル・スレットマッチ
グンター(c)対シェイマス対ドリュー・マッキンタイア

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 動けて技術もあるハードヒットが持ち味のビッグマンが織りなす肉弾戦の最高峰。スタジアムサイズでも轟くチョップの轟音、顔面を撃ち抜く鋭い蹴りの数々。

 やる事はシンプルで明確だが、世界最高のハードヒッターを揃え、更にシェイマス×マッキンタイアの関係性、シェイマス×グンターが築いてきたライバルの歴史、グンター×マッキンタイアという新鮮なカード、個々の組み合わせも3人が入り乱れる攻防も完璧。

 HHH体制の目玉の一つだったこの3人のストーリーの総決算は、大会のハイライトというべき名勝負になりました。

評価:****1/2

 

WWE RAW女子王座戦
ビアンカ・ブレアー(c)対アスカ
 名勝負となった3ウェイの後で非常にやりにくい中、スペシャルバージョンの入場で雰囲気をリフレッシュさせ、その後はビアンカの華麗な動きとアスカのシュートスタイルで的確に試合を展開。

 簡単に雰囲気を作り直し、自分達のものにする。それをWMで行う。言葉にするのは簡単だが、選ばし者にしか出来ないハイレベルな仕事。

 すっかり新世代の旗手として君臨し続けるビアンカも、スターとしての風格や余裕が備わり、団体屈指の実力者アスカの小気味良い攻防を続ける。前日のリア・リプリー同様ビアンカが次のステージに登った事を示した一戦。

 ハードな攻防、テクニカルな攻防も多く揃え、ミストやビアンカの髪ネタも上手く交え完走。ストーリーの弱さを試合内容の充実度でカバー。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ヘル・イン・ア・セルマッチ
エッジ対”ザ・デーモン”フィン・ベイラー
 デーモン復活、ベイラーの流血と名勝負になる要素はあったものの、想像以上に酷かった出血は止められることとなり、それを抜きにしても制約が激しく、最初から最後まで竹刀を必要以上に使い、椅子やテーブルでまとめる近年のHIACの焼き増しで劣化版。

 ベイラーが負傷を押しての出場で、過度な負荷は掛けられなかった事情も後から発覚したが、結果的にはデーモンの無駄遣いとなってしまったのが悔やまれる。

 平均より上。
評価:***

 

アンディスピューティドWWEユニバーサル王座戦
ローマン・レインズ(c)(w/ポール・ヘイマン&ソロ・シコア)対コーディ・ローズ

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 妻ブランディや子供に親族、更には故ブロディ・リーの愛息、AEWでもお馴染みのネガティブ・ワン(-1)に革ベルトを渡す感動的な最高のオープニングから、ブラッドライン総出で奪い取った王座防衛、まさかのバッドエンドまでを丁寧かつ重厚に描いたメインイベント。

 前半はたっぷり間を取っての細かな一進一退の攻防で紡いでいき、ソロの介入や実況席破壊を交えながら、中盤からは順次必殺技を導入。WKのオカダ対ジェイと同じ様に、年間最大興行のメインは、大会場とライト層にも伝わる様にとにかくわかりやすく、外さない様に手堅い形となる。定石を踏んだ試合構築と演者のスターパワーで何とかするのが正解。

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 レスナーが出てくる時の様なエンタメ要素しかないものではなく、ウーソズ、サミ&KOの介入、とどめのヘイマンとソロの介入とストーリーに基づいたサプライズとなっており、それもあくまでも重厚な攻防が軸となっている。コーディが王座奪取すれば大サプライズとなり、評価も跳ね上がる。その逆ならば評価は落ちていく。それだけ感情移入をさせてきたレインズ&ブラッドラインのストーリーと、リリースされてインディから新日本そしてAEWと底から這い上がってきたコーディのサクセスストーリーが大成功していたことを証明している。

 コーディがWWEの真のスーパースターになる為の試練第二弾(一弾は、セスとのHIAC戦)も通過したといっても良いでしょう。すぐに第三弾となるレスナーとの抗争も用意されており、レインズの次か次の次に、コーディの出番はやってくるでしょう。

 好勝負。
評価:****

全体評価:9