東京女子プロレス(TJPW) SUMMER SUN PRINCESS '23 7/8/2023
ナイラ・ローズ対渡辺未詩
渡辺がナイラを担げるかが焦点。ジャイアント・スイングは不完全だったが、その他の投げ技は成功。渡辺が遠慮なくチャレンジ出来たのは、ナイラの技量の高さがあるからこそ。怪物でありながらも日本仕込みの技巧派。
AEWでは上手く使って貰ってないが、腕は全く錆びてはいない。
平均的良試合。
評価:***1/4
プロレスリングEVE選手権試合
山下美優(c)対ソーヤー・レック
デスマッチファイターの特性を活かした、場外戦の攻防に凶器使用でソーヤーの持ち味を示した上で、ソーヤーのレスリング力が弱い部分は、山下が蹴りを多用しカバー。
タフで的が大きい事もあり、これでもかと蹴りまくる爽快感が見所。最後のスカルキックも過去トップクラスの決まり具合。このカードで出来るベストを尽くした良試合。
平均的良試合。
評価:***1/4
インターナショナル・プリンセス選手権試合
辰巳リカ(c)対愛野ユキ
ドラゴン殺法に狂乱要素を交えたラフ攻撃を繰り出し、試合を支配した辰巳。愛野の直線的なスタイルと上手く対比が出来ている。悲願のシングル王座初戴冠を目指す愛野を、結果でも内容でも上回った辰巳の強さが光った良試合でした。
中々良い試合。
評価:***1/2
プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合
瑞希(c)対伊藤麻希
It's @thekingnickgage tribute. #MDK https://t.co/EmJyDO8QFa
— 伊藤麻希 Maki Itoh (@maki_itoh) 2023年7月9日
かつての伊藤リスペクト軍団対決。GCWで学んだラフファイト、同じく海外マットで学んだ試合構築、磨き上げたセルフプロデュース力を如何なく発揮した伊藤。体格のハンデを乗り越えて、荒々しくソリッドな試合運びは、ビッグマッチに足るクオリティを示している。
対する瑞希も伊藤の攻撃を受けるだけではなく、場外ダイブや場外への投げで反撃。2人のルックスからは考えられない程のタフマッチ。まさに凶器を使わないハードコアマッチ。
全編通して攻防のクオリティがかなり高かったが、その合間に2人のライバリティーを印象付けるシーンを多く挟み、”Maki Death Kill”の相方ニック・ゲイジオマージュも含めた伊藤のアピール力も相まって威力が増幅されていた。単に一進一退の攻防をするだけでは到達出来ない熱量を放つ事が出来る。世代交代が進む中、東女オリジナルズがいなくてもこの2人が象徴として先頭を走っていく、その覚悟が乗り移ったかの様な名勝負。
伊藤麻希の現時点でのキャリアベスト。そして瑞希のビッグマッチのシングルは外れがない。名勝負。
評価:****1/2
全体評価:8.5+