東京女子プロレス(TJPW) SUMMER SUN PRINCESS '22 7/9/2022
インターナショナル・プリンセス選手権試合
伊藤麻希(c)対アレックス・ウィンザー
ロストバゲージによりコスチュームがスーツケースに入ったままの挑戦者ウィンザー。ただハードヒッターに生まれ変わった強力なスタイルで、アウェーの地で現在のUKシーンのトップである事を証明。
海外の選手が伸び伸び実力を発揮出来るのは伊藤が受けに入っても格も魅力も落ちない懐の深い選手だからこそではあるが、終盤に行くにつれて、ウィンザーのショーケースといっても良い位、パワフルな面が存分に発揮されていた。
ウィンザーが常連となりもっと認知されていけば、同じ内容でもウケ方は全く異なるでしょう。
中々良い試合。
評価:＊＊＊1/2
サンダー・ロサ対山下実優
特にアナウンスはされていないものの、山下が勝てば、ロサの持つAEW女子世界王座の挑戦権を得る事が出来る一戦。久しぶりの来日となったロサは、生き生きとプロレスを楽しんでいた。対する山下も自らのポテンシャルに見合ったロサ相手に生き生きとしたファイトを見せる。
手に汗握るグラウンドからスピーディーかつハードな攻防の数々。まさに世界基準の女子のプロレスを堪能出来る一戦。ロサが押し切るが、山下が逆転するか、勝敗がわかりにくい状況下でスリル感もあり、互いの必殺級を温存していても、物足りなさを感じないのは、一つ一つの攻防の熱量、質が高いから。
山下はホームだが、久しぶりの制約を受けない状況で、ロサの実力を堪能出来た熱戦でした。好勝負に届かない良試合。
評価:＊＊＊3/4
プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合
中島翔子(c)対辰巳リカ
冒頭のリープフロッグにアームドラッグから他を寄せ付けない洗練さを放っており、この試合に賭ける思いが溢れ出している。溜めは作るけれども時間をカサ増しするだけの無駄なシーンはなく、スピーディーで運動量の多い試合展開が続く。
王者として厳しさを見せる中島と、場外へのミサイルはヒップアタックに代表される様な破天荒な面を繰り出しつつも勝負所では脚攻めやドラゴン・スリーパーできつく絞め落としにかかる辰巳。
攻防に意味があり、その効果を最大化させる動きの質、動いていない所での表情作りや会場を乗せる働きかけもレベルが高いので、一つ一つのムーブは高品質だが、それ以上に大会場であっても感情移入したくなる表現力がモノを言っていた。
16分であっても30分以上の量・質を備えており、ライブプロレスとしてもTVプロレスとしても高い次元で通用する内容。この2人における最高傑作といって過言ではない名勝負でした。
評価:＊＊＊＊1/2
全体評価:9.5
