AEW Dynamite #196 7/5/2023
ケニー・オメガ対ウィーラー・ユータ
DoNでのアナーキー・イン・ジ・アリーナ戦で介入込みとはいえ、ケニーからピンフォールを奪ったユータ。
オスプレイ戦の死闘の影響もあり、手負いのケニーに猛攻を仕掛ける。格上相手だからと小悪党的な立ち位置に遜らず、的確に首や肩を攻めて追い詰めるキラーの面を強く打ち出しており、すっかりBCCの若頭として地位も存在も確立。テクニカルさを徹底的に消していたのも高ポイント。ケニーも的確なダメージ表現で引き出しの多さを誇示。
スタイル的には異なる両者だが、激化するユニット抗争の中に試合を落とし込み、厳しさを徹底的に打ち出す事で、見事なTVプロレスに仕上がっている。竹下&キャリスの介入を経たフィニッシュシーンは唐突だったが、それまでの内容でお釣りは来る試合でした。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
AEW Dynamite #197 7/12/2023
スワーブ・ストリックランド(w/プリンス・ナナ)対ニック・ウェイン
18歳になった神童ニック・ウェインのAEWデビュー戦
DEFYでの2戦、MOTY級の物凄い試合を残したワシントン州出身対決。勿論レフェリーもワシントン州シアトル出身のオーブリーを起用。
試合時間は10分。その中にこのカードの魅力を詰め込む形。ニックがアンダードッグではなく、若き天才として描かれていたのが特に拘った部分。
トップスターのスワーブに対しても、勝ったことがある実績もある事が作用し、ニックがとことん勝ちを狙う展開。リング内外を広く使い、多角的なアプローチも可能。動きだけではないレスラーとしての華も持ち合わせる両者。
ニックに関しては、TVプロレスという面ではこれから勉強していく必要はあるが、スワーブのサポートを受けながらも立派に価値をアピールしたデビュー戦でした。
中々良い試合。
評価:***1/2
AEW Dynamite #199 7/26/2023
AEWインターナショナル王座戦
オレンジ・キャシディ(c)対ARフォックス
回を追うたびに負傷箇所が増えていく満身創痍のオレンジ。
しかし身体のダメージと反比例して、激戦を重ねれば重ねる程老獪さが増していく。そして対するフォックスも単なるハイフライヤーではなく、オレンジの動きを読み切った独創的なカウンターを連発するベテランらしさを如何なく発揮。
結果的にヒールターンを果たすフォックスを再お披露目の試合としては申し分ない良試合でした。
中々良い試合。
評価:***1/2
ダービー・アリン(w/ニック・ウェイン)対スワーブ・ストリックランド(w/プリンス・ナナ)
AEWの中ではトップクラスの数え歌。序盤からハイレベルの攻防を連発。それだけに留まらず、鉄階段を使ったハウスコール(ジャンピングサイドキック)やトペコン迎撃式キックとアッと思わせる派手なカウンター、エプロンへの雪崩式デスバレーと、スワーブの独創性、ダービーのハードバンプを最大限活かした攻防を用意。
フォックスの介入からのチープフィニッシュによる物足りなさを全く感じない程の完成度。疾走感、テクニカル度、キャラクターにストーリーテリングも兼ね揃えたハイブリッドな好勝負。
評価:****
全体評価:7.5