世界のプロレス探検隊

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AEW TVマッチレビュー2023 "13年ぶりのエジクリ対決" クリスチャン・ケイジ対アダム・コープランド/龍が如くストリート戦他

AEW Dynamite #218 12/6/2023

 

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コンチネンタル・クラシック・ゴールド・リーグ公式戦
スワーブ・ストリックランド対マーク・ブリスコ

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 マークのラフを取り入れた独特のテンポで進めていく試合運びに対しても、難しいビートを乗りこなす様に対応していき、最終的には貫禄十分に仕留めていくトップスタースワーブの強さが際立つ一戦。

 当然ジェイ・ブリスコの魂を受け継いだマークのシングルレスラーとしての覚醒があるからこそこの試合は昇華できているが、テーマがない試合に意味を持たせてしまうのは超一流の技。今のスワーブに怖いものはないことを証明する良試合でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

AEW女子世界王座戦
“タイムレス”トニー・ストーム(c)(w/ルーサー&マライア・メイ)対スカイ・ブルー

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 「Timeless」大女優ギミックが大成功中のトニーが、ダークな面も取り入れたスカイの猛攻を受けながらも、キャラクターを活かした戦いで抑え込んでしまう上手さが光る試合。

 ストーリーがなくても、トニーのキャラクターで何とでもなってしまうのは、ストーリーメイクに困っている上、上が余りウィメンズ・レスリングにWWEやインパクト程価値を見出せていない中では、非常に助かっているのが良くわかる。この魔法に里歩も飛び込みたい。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

AEW TNT王座戦
クリスチャン・ケイジ(c)対アダム・コープランド

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 2010年5月17日のRAW以来となる元兄弟、元相方による歴史的な再遭遇を母国カナダ・モントリオール開催で実現。どこよりもWWEらしいカードではあるものの、WWEでは絶対に実現することはなく、AEWだからこそ実現したカードということで、非常に意義がある。

 コープランドが近年の獰猛さを押し出したキャラクターに、シェイマスオマージュ攻撃を加え、クリスチャンに猛攻を仕掛ける。対するクリスチャンは、ヘタレと悪さを両立させた、極悪ヒール道を邁進する。WWEならヘタレヒール過ぎてしまうものの、ヘタレながらも重厚さ、深みを加えた今のバランスは本当に絶妙。

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 ノスタルジックにはなるものの、今のコンディションが良い為、ノスタルジック一辺倒にならないのも今のこの2人の魅力。1戦目ということでシンプルな一進一退で、スリリングかつ重くなり過ぎない配慮を入れる。
 そしてクライマックスは、レフェリー失神(ミスっぽい緩んだ空気をフォローしたクリスチャンの巧さも見事)から、コープランドにワンマンコンチェアトで頭部を破壊されたニック・ウェインの母シェイナを交え、これぞクリスチャンというべきダーティーなフィニッシュ。

 WWF〜WWE、TNAとこれぞ00年代アメリカンプロレスという雰囲気が堪らない内容。その上、試合の中身も伴っているのが見事。ニック・ウェイン親子というインディ上がりの最新キャストを交えたのもアクセントになっている。2人の想いがこれでもかと反映された熱戦。今後の抗争も楽しみになる初戦でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

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全体評価:7.5+

 

AEW Dynamite #215 11/15/2023

 

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Like a Dragon Gaiden Street fight 
(『龍が如く7外伝 名を消した男』ストリート・ファイト)
ケニー・オメガ、飯伏幸太、クリス・ジェリコ&ポール・ワイト対ドン・キャリス・ファミリー(竹下幸之介、カイル・フレッチャー、パワーハウス・ホッブス)&ブライアン・ケイジ

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 人気ゲーム『龍が如く』の新作とコラボをしたストリート・ファイト。
 場外テーブル破壊複数回と各種凶器攻撃、アリーナ全体を使った攻防は、アナーキー・インジ・アリーナ・マッチといっても良いレベル。そして度重なるクレイジーバンプに自転車を乗り回し、パイプを持って突撃する飯伏の活躍。近年で1番飯伏がイキイキしていた瞬間を見ると、それだけこの試合を組んだ意味がある。

 更に、ジェリコ対竹下では、大ベテランジェリコによるTVプロレスにおけるエニウェア戦のレクチャーを直々に行う超貴重な経験と、後進育成にも事欠かない。サミー・ゲバラの代役となったブライアン・ケイジも攻守に渡り、代役以上の活躍を見せており、彼も評価をまた上げることに成功。

 AEWらしいクレイジーな多人数ハードコアに、ゲームオマージュ要素も加えた、ケニープレゼンツらしい拘りが光る。オンリーワンの魅力を放っていたPPV級の熱戦です。 

 好勝負。
評価:****