世界のプロレス探検隊

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Impact Wrestling Slammiversary 2022 Review ジョシュ対EY/AJスタイルズ登場! "祝20周年 真のForbidden Doorをこじあけろ!~

Impact Wrestling Slammiversary 2022 6/19/2022

 

www.fite.tv


Impact Xディビジョン王座戦-アルティメットXマッチ
エース・オースチン(c)対トレイ・ミゲル対”スピードボール”マイク・ベイリー対アンドリュー・エヴァレット対アレックス・ゼイン対ケニー・キング

 GCWで負傷したジャック・エヴァンスは欠場し、元インパクトタッグ王者のエヴァレットが代打出場。性能は近いものがあるハイフライヤーなので、スムーズに試合に入っている。ハイフライヤーの見本市と言う様な華麗な飛び技と立体的な攻防が連続。

 時間制限がある中でも、無駄がなく良い攻防だけを凝縮。その中でもロープを巧みに使った名シーンを数多く見せたベイリーの活躍が光っていたのは印象的でした。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

Impact ノックアウツタッグ王座戦
ジ・インフルーエンス(c)(マディソン・レイン&テニール・ダッシュウッド)対ラグナロク(タヤ・ヴァルキリー&ローズマリー)
 WWEからリリース後古巣に戻ってきたタヤが、WWEと契約前に組んでいたローズマリーとタッグを再結成。インパクトの看板選手同士のタッグで、相手はすっかり古参となったテニールとこちらも在籍期間の長いマディソン。
 オーソドックスなTVプロレスのタッグマッチで、アンダーカードらしいコンパクトな内容だが、粗もなく上手くまとまっているのは、ベテランらしい仕事ぶりでした。

 平均レベル。
評価:***

 

モンスターズ・ボールマッチ
サミ・キャラハン対ムース

 


 サミ・キャラハンが遂に帰還。サミ×ハードコア×スラミバーサリー=鉄板。絶対に成功する方程式を組めば申し分なし。奇襲攻撃から各種凶器攻撃に流血と手堅い内容。対するムースの身体能力も活かしつつ、荒々しいハードコアに仕上げる。

 アビスのフェイバリット凶器である釘角材ことジャニスはなかったが、モンスターズボールらしく有刺鉄線に画鋲と乱れ飛ぶ。通常技とのミックスも的確。やはりサミのハードコア程外れがないものはない。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

インパクト・オリジナルズ(クリス・セイビン、アレックス・シェリー、フランキー・カザリアン、ニック・オールディス&デイビー・リチャーズ)対Honor No More(エディ・エドワーズ、マット・テイヴェン、PCO、ヴィンセント&”ミラクル”マイク・ベネット(w/マリア・カネリス=ベネット)

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 元TNAオーナー、ディクシー・カーターに紹介されたXは、エディ・エドワーズの元パートナーであるデイビー・リチャーズ。エドワーズの方が恨んでいても良いほどデイビーの方が酷い事をしまくっている気もするが、これでAEW、NWA、MLW、インパクト、フリーの禁断の扉満載のインパクト軍が完成。その様なお祭りらしくフェイス軍がヒール軍を圧倒するシーンが続く内容。

 ミラクル仕様にしてきたベネットもいるOGKやエドワーズの時間がもう少しあっても良かったとは思うが、カザリアンの奥さんである元TNAのトレイシー・ブルックスやディーロウ・ブラウンにアール・ヘブナーまで登場のお祭り騒ぎ。ファンマッチとしては満点の一戦でした。平均より上。
評価:***

 

 

 

試合後に勝ち名乗りを上げるインパクト軍。その中央に一番のTNA時代からの象徴であり、選手兼裏方も務めるクリス・セイビンがいたのは喜ばしく、その後のビデオメッセージではAJスタイルズがWWEから特別に登場。スティングやカートでも十分だがやはりAJが出てくると格別。旗揚げ大会の試合、ダニエルズ、ジョーとの伝説の3ウェイ、カート戦などを振り返っていた。AEWの選手が出ている大会である中、この登場を許可したWWEには感謝したい。

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Impactノックアウツ王座戦-クイーン・オブ・ザ・マウンテンマッチ
(SPエンフォーサー:ミッキー・ジェームス)
ターシャ・スティールズ(c)(w/サヴァンナ・エヴァンス)対ディオナ・パラッツォ対チェルシー・グリーン対ミア・イム対ジョーディン・グレイス

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 TNAの狂気を示す試合形式の一つであるベルトを掛けたら勝ちの逆ラダーマッチの女性版。ただTNAとは違い、今のインパクトは大外れがないプロダクションをしっかりと敷いている為、難易度が高いこの様な多人数の特殊形式でも上手くまとめ切る。

 ディオナとチェルシーをタッグとして動かし、エンフォーサー役のミッキーを絡めながら、ペナルティボックスのシーンとラダーを絡めた攻防を並行して行う。男子でも難しいこの形式なので、どれだけ腕達者でも停滞しかけるのは無理もないが、テキパキと各々のスポットを遂行していき、クライマックスはトドメのラダーからテーブルへの落下を豪快に。

 

 ペナルティボックスとラダーを活用したフィニッシュは決して弱くなく、この様な特殊形式で理に適ったフィニッシュを作り出せるのは中々ないので、レスラー各人もだが、裏方との関係性があってこそ。突き抜けた試合ではないが、この良試合のレベルでまとまっていることが素晴らしい。この形式を成功させたのは誇るべき成果。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

Impact世界王座戦
ジョシュ・アレキサンダー(c)対エリック・ヤング(w/ディーナー&ジョー・ドーリング)
 新旧カナダ人レスラー対決であり、離脱時期はあるが功労者のEYと現在の象徴であるジョシュの一戦は、レスリングもそこそこに、インパクトに過去在籍していた名レスラー達の得意技オマージュをふんだんに折り込む展開。

 今のジョシュからベルトを剥がす事が考えにくい中で、20周年のお祭りと割り切ってかなりの比重をオマージュに割いていたものの、VBD介入に始まり、ジョシュの流血や板剥き出し状態のリングへの投げ技とこれまでの試合のスポットと被らずに、試合の世界観を壊さない様にハードコア要素を織り交ぜ、メインらしい熱戦に仕上げたのは見事。

 

 ジョシュがインディでも大活躍した伝説の御三家(AJ、ジョー、ダニエルズ)とアイドルであるカートのオマージュだったのに対し、EYは戦友であるJJのストロークにギターショット、アビスのブラックホール・スラムを選んでいたのはメッセージ性に溢れており、オマージュ一つ取っても考えられたものであると効果は違う。この大会のこのカードでベストな試合に仕上げたといっても良いだろう。好勝負。
評価:****

全体評価:9