世界のプロレス探検隊

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Impact Wrestling Bound For Glory 2022 Review ジョシュ・アレキサンダー対エディ・エドワーズ/MCMG対キングダム他

Impact Wrestling Bound For Glory 2022 10/7/2022

 

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Impact Xディビジョン王座戦
“スピードボール”マイク・ベイリー(c)対フランキー・カザリアン

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 AEW所属であり、Xディビジョン5タイムズチャンピオンカザリアンを迎え撃つ絶対王者ベイリー。キャリアが上のベテラン相手だが、研ぎ澄まされた動きと構築でカザリアンを引っ張っていくベイリー。呼応したカザリアンも大舞台に相応しい熱を持った動きで応戦。

 格式を保ちながら、ハードでもありXディビジョンらしい疾走感もある。切り返しやカウンターもまるで何度も試合をしていたかの様に上手く嵌っている。カザリアンのフィニッシャーであるチキンウィング・クロスフェイスもスリル感を倍増させるアクセントとして効いている。

 今年のMVP候補世界最高の働き馬ベイリーが、カザリアンのAEWでは出しきれていなかった実力を呼び起こした好勝負。レパートリーも出し尽くしたメイン級の死闘。

 好勝負。
評価:****

 

Impact世界タッグ王座戦
Honor No More/ザ・キングダム(c)(マイク・ベネット&マット・テイヴェン)(w/マリア・カネリス-ベネット)対モーター・シティ・マシンガンズ(クリス・セイビン&アレックス・シェリー)

 

 長寿タッグ同士のそつない連携から細かく攻防を刻んでいき、的確に試合構築を果たす。簡単ではないのに簡単な様に見せてしまうスタイリッシュさが見所。尻上がりにボルテージを上げていき、権利者のみならず控え選手を交えた展開も積極的に織り交ぜていく。タッグとしてもシングルレスラーとしても実績も技量も兼ね揃えた4者だからこそ出来る技。

 互いの得意な合体技もふんだんに決めながら、終盤に入っても権利はある程度守りつつ、4人が入り乱れる展開を継続。片方はリング内、片方はエプロンといった空間を広く活用し、同時並行で試合を進めていき、最終的には4人が交わる展開に繋げるのも憎い。

 そして再三介入していた介入のプロマリアの身体を張った貢献からある意味最高に美しい幕引きと、やることなすこと全てがスマート。業界での指折りのタッグ対決に相応しい確かな腕を堪能出来る激闘でした。

 好勝負。
評価:****

 

Impact ノックアウツ世界王座戦
ジョーディン・グレイス(c)対マーシャ・スラモヴィッチ

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 バッキバキに仕上げてきた王者ジョーディンと無敗のマーシャは新コスチュームに新テーマ、メイクはブル中野オマージュで登場。
 試合は、鋭角なドライバー系の技が多く飛び出すハードな展開に。無敗のマーシャがジョーディンを追い込む展開も用意されているが、王者ジョーディンが強さを示し、逆にマーシャが耐える展開が多く、ダブルターンでもするのかと思う程。

 この前の試合でのブリー・レイのガントレット勝利に恐怖を覚えた観客も尻上がりに歓声を起こさざるを得ない熱戦。必殺フルコースを耐え抜いた末に更に上位の必殺技を持って来る程のタフマッチ。

 

 徹底的にマーシャをオーバーさせる意図があったこの試合。マーシャをインディスターから脱却させ、団体の顔そして行く行くはWWEやAEWがスタートして獲得したくなる存在に仕上げる思いがひしひしと伝わる。タフさが持ち味の一つであるマーシャのポテンシャルを活かした試合。ジョーディンのスタイナーズを彷彿とさせるパワフルさも魅力的でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

Impact世界王座戦
ジョシュ・アレキサンダー(c)対エディ・エドワーズ

 

 華ではなくその類稀なる実力でのし上がってきた両者。インパクトの象徴同士となる鉄人対決は、技術を確かめ合う様なグラウンドからスタートし、エドワーズはヒールワークとノアとROHでも猛威を振るってきた世界有数の逆水平でジョシュをコントロール。ヒールとしても安定はしているが、カリスマ性はないエドワーズ。振り切ってチョップを軸に試合構築を行ったのは正解。ジョシュもその方が、鉄人ぶりが活きる。

 攻防を積み重ねていき、ロングマッチを築き上げていく。アクセントとなる場外のマットを剥いだ剥き出しの床への投げを挟みつつも、一番の持ち味は、ハードな肉弾戦。良い試合だが余りにも玄人好み過ぎる展開だったのを、リング内2回→エプロン→場外→花道上で放ったジョシュのクレイジーな連続ジャーマン5連発で一気に雰囲気を持っていき、エドワーズの逆水平連発、張り手合戦ではジョシュは鼻血を出すほど。ジョシュのダメージ表現からの盛り返しも印象的に映る見せ方をしていたのも見逃せないポイント。

 HNM勢の介入こそあったものの、基本的には全編通して実力者同士のハードヒッティングマッチ。派手な試合ではないものの、レスラーの実力をストレートに出した試合。ジャパニーズテイストも多く織り込まれていて、日本プロレスファンの方々も気に入る一戦でしょう。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

全体評価:9.5

 

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