新日本プロレス(NJPW) Dominion 6.12 In Osaka-Jo Hall 6/12/2022
AEW世界王座暫定王者決定戦予選
棚橋弘至対後藤洋央紀
『Forbidden Door』でのAEW暫定世界王座戦の出場権を賭けた試合だが、元々CMパンクとの王座戦に挑むはずで、尚且つモクスリーとの因縁も作っていた棚橋が負ける訳がなく、後藤が少し攻勢になりかけた程で、その状況を覆す様な展開にもならない普通のミッドカードマッチ。ここまでサプライズがないのならば、普通にモクスリー対棚橋として最初からしても良かったという結果に終わる。平均的良試合。
評価:***1/4
『KOPW 2022』争奪戦 鷹木式10分無制限ピンフォールマッチ
鷹木信悟(c)対タイチ
10分間に奪ったフォール数を競うという斬新なルールに加え、2人の肉弾戦も抜群にハイレベルで、ミッドカードとしては申し分ない。こういう特殊形式も得意なのは鷹木らしい。もう終わりといっても良い抗争を、最後味変させてもう一度美味しくしたのは面白い試みでした。中々良い試合。
評価:***1/2
NEVER無差別級選手権試合
タマ・トンガ(c)(w/邪道)対カール・アンダーソン(w/ドク・ギャローズ)
奇襲に場外戦とラフでスタートは、遺恨を感じさせるもので定石を踏んでおり、更にセコンドのギャローズと邪道を絡めながら一進一退。
WWEを経て良くも悪くもバイプレイヤー度が増したアンダーソンはまったりと、シングルプレイヤーの道も模索するタマはキレでと対比も良く描けており、とっておきのバーナードライバーにガンスタンを巡る攻防も楽しめるが、今のこの2人でハードコアなしならこれが限界に映ってしまうのは悲しい所だが、今の殆どシングルをしていなかったアンダーソンでこれだけ出来れば十分。
近年のGB関連の試合では、あのボーンヤードマッチの次に良い。中々良い試合。
評価:***1/2
IWGP USヘビー級王座決定戦
SANADA対ウィル・オスプレイ
ジュースが欠場、王座剥奪という憂き目に遭い、またも王者決定戦に。
演舞的なシークエンスから入り、オスプレイが堅実に支配ターンに入る序盤。すっかりヘビーの試合運びが板についており、ブランクのあるSANADAを難なくコントロール。 SANADA用の攻防も多く用意しつつ、要所は自らが輝くスポットで締める。
身体能力系のレスラーなので親和性は元々強いが、オスプレイの完成度が余りにも凄過ぎて、SANADAがSANADAである限りはオスプレイを超えられないのがより露呈してしまう残酷さも。オスプレイがただただ凄過ぎる試合。
欠場明けのSANADAに考慮して12分という短さだったが、そんな事は微塵も感じさせない熱戦で今大会のベストマッチを掻っ攫っていった。好勝負。
評価:****
IWGP 世界ヘビー級選手権試合
オカダ・カズチカ(c)対ジェイ・ホワイト(w/外道)
久々の日本での試合となるジェイが、日本仕様のトラッシュトークと煽り多めの試合構築を用意してきたが、感覚はアメリカでの余り喋らずに、長くても20分以内の試合設定でいたことにより、歓声は禁止、オカダからのサポートや提示がない良くも悪くもやりたい放題であれば、良い時はジェイの魅力がストレートに出てくるが、悪い時は収集付かなくなる。試合運びのチューニングに失敗したままで、36分もの長丁場をこなさなければいけない。
何とか時間を稼ぎ、切り返し合戦に持ち込むなど元のフォームに戻そうという工夫も感じられたが、走り出した中でそう簡単には戻らない。インパクトなどで観ていたジェイは好勝負連発で逸材ぶりを如何なく発揮していたが、今回はその姿を観ることは出来ず。
対するオカダもいつも通りの試合運び。悪くはないけれども、ジェイが不調であったこういう時こそ、王者としてサポートし、強さを見せつけて欲しかった。消化不良の36分。一番面白かったのは、AEW勢をこき下ろしたジェイのバックステージコメント。
まあまあ良い試合。
評価:***1/2
全体評価:7.5+