世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

Black Label Pro Family Reunion Review ケビン・クー対山下実優/ビリー・スタークス対カイリー・レイ他

Black Label Pro Family Reunion 6/7/2024

 

www.trillertv.com

 

リー・モリアーティ対ドミニク・ギャリーニ

 AIW対決ということで、やりやすさを感じたか、モリアーティが持ち前のテクニックを如何なく発揮し続ける展開。ギャリーニが柔術ベースだからこそ思う存分テクニカルなことを仕掛けていける。AEWでの鬱憤を晴らすかの様な働きとなった実質モリアーティのショーケースマッチでした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

BLPヘビー級王座戦
ケビン・クー(c)対山下実優
 蹴りが得意の両者だが、蹴りに関しては山下の方に一日の長があり、クーは厚みを活かした攻撃を放つ以外は防戦が続く。蹴りを巡る攻防は見応えがあったものの、クーの遠慮も見えたか、想像以上にスイングすることはなかった。シングルレスラーとして山下の強さ上手さがクーを凌駕した試合でした。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

 

ビリー・スタークス対カイリー・レイ

 


 米インディ界屈指の人気者対決だが、ビリーがROHでヒールとして活躍していることでマッチメイクの幅が広がっているのは事実。この試合でもヒール調の試合構築に取り組んでおり、本来ならばカイリーに対抗する形で、キレのあること、破天荒な攻撃も多数放つことが出来るが、グッとそこは抑えて、のらりくらりとヒールの試合構築を全うすることを選択。1試合単位でいえば、もっとビリーの持ち味を見たいところだが、ビリーが次のステージに歩んでいることがわかる。

 そして、対するカイリーは、出産を経ての復帰ロードとなっているが、出産前と変わらぬ切れ味と完成度の高さを誇っている。技数が多いタイプではないが、一つ一つの動きの質が格段に高い。やはりインディ団体レベルではなく、メジャー団体レベルにある。

 評価としては中々良い試合だが、興味深さは今大会随一。両者だが、単に良い試合をするよりももっと高いところで戦っているのが理解出来る試合内容でした。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

BLPタッグ王座戦
バン&マシューズ(c)(デイビー・バン&オーガスト・マシューズ)対ラティーノス・モスト・ウォンテッド(コーダ・ヘルナンデス&セイビン・ゲージ)

 

 

 


 典型的なインディらしい若手軽量級タッグ対決。動いて動いてナンボで、試合構築の粗さも何のその、勢いと独創性で突っ切るスタイル。

 ただこの試合、個々の攻防のクオリティ、タッグの攻防のクオリティの高さが非常に印象的。マイナス面をプラス面が遥かに凌駕する上に、精度も一定以上維持しているため、好勝負レベルに昇華したといっても良いでしょう。

 B&Mはインディレベルでは売れてきているタッグだが、LMWもそこに続ける魅力を持っている。まだこういう攻防やスポットを生み出せるのかと、新進気鋭の若手達のアイデア力には感服したい。世界中のレスラーが参考にしたいシーンが多数ありました。長時間の大会となった今大会だが、眠気も疲れも吹っ飛ぶ楽しいタッグマッチでした。 

 好勝負。
評価:****

全体評価:8