WWE NXT Battleground 2024 6/9/2024
WWE NXTノース・アメリカン王座戦-トリプル・スレットマッチ
オバ・フェミ(c)対ウェス・リー対ジョー・コフィー
オバ・フェミの猛獣パワーが軽量級で身体能力の高さを活かした受けも出来るウェスに炸裂。オバ・フェミを引き立てる事ができる上に、試合構築からハイライトとなるスポットも作り出せるのがウェス。
ここでウェスにかなり時間が割かれるのが今のWWE。コフィーはギャラスを介入させながら、要所で突進力を活かした攻撃が光る。コフィーの使い方としては最適解ではある。オバ・フェミの良いところだけ映しながら、経験も積ませる。
後はインディからの叩き上げ、猛者2人にサポートから自身で活躍するところまで持ち味を発揮させてと理想的な試合内容。非常に楽しめる一戦でした。
中々良い試合。
評価:***1/2
WWE NXT女子王座戦
ロクサーン・ペレズ(c)対ジョーダン・グレイス
いくら競合していた時期は遠い昔だとはいえ、TNAの現役王者がNXTの現役王者に挑戦する時が来るとは。歴史的な瞬間。その上、TNAチャントも起こるほど。嘲笑の代名詞TNAがここまで来るとは感慨深い。
試合に関しては、序盤こそペースの探り合い感が強かったものの、ヒールターンし荒々しさを身に付けたロクサーンが、体格のハンデを物ともしない堂々とした試合運びを行えば、アウェーのマットでアジャストが難しい中、持ち前のパワフルさで反撃するジョーダン。
AJスタイルズの得意技であるトーチャー・ラック・ボムやサモア・ジョーの必殺技マッスル・バスターというTNAレジェンドムーブも織り交ぜて団体の代表感も演出。
実力者同士とはいえ難しいシチュエーションも全く苦にせず、自らの力も如何なく発揮。特にロクサーンは、ヒールとしての姿を荒々しさ、凶暴性で表現し、チープショットを多用する様な自らを下げるスタイルを選ばずともヒールターンに成功しているのは素晴らしい。体格のハンデがある中で、それをWWEからの実現できているのはセンスの塊。非凡と言うしかない。
最後はテイタム・パクスリーや復帰となる元デイナ・ブルックことTNA所属アッシュ・バイ・エレガンスを絡めて今後に向けたストーリーメイクでフィニッシュ。そういう締め方なのは価値を落とさないためには当然なので、全く問題はない。むしろそれまでの試合内容の濃密さで十分元は取れる。
余談だが、実況のヴィク・ジョセフが、「Cross The Line」というワードを使ったり、解説のブッカーTが、マッスル・バスターを「俺が嫌いだった技」だとサモア・ジョーと戦っていた元メイン・イベント・マフィアらしいセリフを入れたりと、TNAに関する内容もあり、是非英語実況を苦にしないで試合を見て欲しいです。
好勝負。
評価:****
WWE NXT王座戦
トリック・ウィリアムズ(c)対イーサン・ペイジ
AEWを退団後すぐさまWWE NXTと契約する業界内の高い評価を持つイーサンのWWEデビュー戦。AEWでは、アメリカン・トップ・チームの創始者ダン・ランバートと仲間として活躍していたイーサンが、UFC ApexでWWEデビューするのは実に面白い。
試合は、まさにショーケースというようなイーサンの持ち技とヒールプレイがメインで、王者トリックは現代版ブッカーTというような身体能力の高さとリズム感で応戦。
ロイヤルランブルに出場していたジョーダンとは異なり、イーサンは現地のWWEユニバースには認知されておらず、リアクションは薄め。各種得意技セットと実況席テーブル破壊で何とか格好を付けた形。
試合も良いけども、ベストバウトマシーンというタイプではなく、良いストーリーを生み出し、良いプロモでブーストさせてハネるタイプなので、多少は時間を与えて欲しいところではある。
トリックもまだ試合を作れるところまでは到達していないので、これも真のスターへの試練といっても良いでしょう。
平均的良試合。
評価:***1/4
全体評価:8