世界のプロレス探検隊

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AEW Revolution 2024 Review スティング引退試合/ウィル・オスプレイ対竹下幸之介他

AEW Revolution 2024 3/3/2024

 

 

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AEW TNT王座戦
クリスチャン・ケイジ(c)(w/キルスイッチ、ニック&マザー・ウェイン)対ダニエル・ガルシア
 のらりくらりと古典的なヒールプレイのクリスチャンと脚攻めを武器に食い下がる若き人気者ガルシアの一戦。的確なダメージ表現とわかりやすいフェイスヒールで適切に盛り上げる安定したオープニング。長尺となるPPVのオープニングでなければかなり化けそうな一戦でした。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

AEWコンチネンタル・クラウン王座戦
エディ・キングストン(c)対ブライアン・ダニエルソン

 


 2試合目にして早くもメインといっても良い強力カードが登場。コンバットスポーツ的なローキックやファイヤーマンズキャリーといった攻撃からスタートし、ハードなチョップや断崖式のスープレックスで「三冠」「王道」感を演出。

 無慈悲に攻めるブライアンと得意のダウン表現で試合に感情移入させていくキングストン。互いの持ち味を引き出す仕掛けは沢山あるものの、外連味は一切ないのが美しい。手を重ねれば重ねる程洗練されていく。何度も戦ってきたからこその相互理解がある。

 どこよりも激しい打撃を撃ち合うけれども、気品に満ち溢れている唯一無二の試合内容。メインイベント級のクオリティを誇りながらも、メインカードを邪魔しないこの試合だけの世界観を持っている。達人たちによる比類なき決闘。非常に見応えのある激闘でした。試合後は、スワーブ&ハングマンとは違うベクトルでイチャイチャしている良いおじさん達を堪能出来ます。
 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

AEWインターナショナル王座戦
オレンジ・キャシディ(c)対ロデリック・ストロング(w/マイク・ベネット&マット・テイヴェン)

 腰を痛める満身創痍の絶対王者オレンジに対し、七色のバックブリーカーで腰を折りながら心も折りにかかるロデリックの構図。度重なる襲撃に業を煮やす遺恨精算の面が色濃く反映されており、ロデリックは危険なターンバックルへのバックブリーカーや高角度ストロングホールドといった刺々しい攻撃で蹂躙。

 耐えるオレンジも驚異の粘り腰を見せるものの、その粘り腰でさえも七色の腰折りには敵わないというトンチの効いた結末ではある。ソリッド&ハード。印象的な見せ場を作り続け、埋もれない様に尽力していた。
 中々良い試合。
評価:***1/2

 

 

ブラックプール・コンバット・クラブ(ジョン・モクスリー&クラウディオ・カスタニョーリ)対FTR(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)
 ロードウォリアーズオマージュのコスチュームで登場したモクスリー&クラウディオ。個々で十分世界最高レベルの2人が、タッグを強く意識して対峙することで、世界最高タッグのFTRであってもアンダードッグに変貌させてしまう。

 それぞれの持ち味だけではなく、モクスリーはテクニカルなサブミッション、ダックスは流血とアクセントを効かせることも忘れない。個々のマッチアップ、タッグの要素全て冴えており、十分メインイベントになり得るボリュームとクオリティ。ミッドカードには贅沢過ぎるハイレベルな一戦でした。

 好勝負。
評価:****

 

AEW女子世界王座戦
“タイムレス”トニー・ストーム(c)(w/ルーサー&マライア・メイ)対ディオナ・パラッツォ
 AEWのいつもの課題が露呈。
 はっきりしないフェイス/ヒールは、良い作用をもたらす場合とそうでない場合も。タイムレスギミックは非常に面白いものの、試合のクオリティやインパクトに効果をもたらすかというとまだそこまでには至っていない。

 難解なタイムレスギミックに、大会場のスケールに対する対応はまだ出来ていないディオナがヒールよりは持ち味が出ないフェイスで戦うこととなる。ただでさえ最強クオリティの試合群に挟まれている中で、よりハンデを背負うこととなってしまっている。 

 決して悪い試合ではなく、ディオナの技術力の高さも示すことには成功したが、トイレ休憩にならざるを得ない試合順であり、構成なのが全て。これからはいっそのことオープニングにして欲しいくらい。

 平均より上。
評価:***

 

ウィル・オスプレイ対竹下幸之介

 


 ただただ凄い。ひたすら凄い。驚愕。アンビリーバブル。身体能力の限りを尽くし、試合構築も完璧。休む隙を与えない。完全体オスプレイとDDT時代を彷彿とさせるトップフォームで挑んだ竹下が激突すれば物凄い試合になるとは思っていた、

 年間ベストを取りに行く様なマッチメイクではあったが、予想を超える高次元の内容。今大会のMOTNであり、年間ベストに据える人もいてもおかしくない完成度でした。
 文句無しに名勝負。
評価:****3/4

 

AEW世界王座戦-トリプル・スレットマッチ
サモア・ジョー(c)対”ハングマン”アダム・ペイジ対スワーブ・ストリックランド(w/プリンス・ナナ)

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 スワーブとハングマンの公開イチャイチャに手を焼くジョーという構図。想像以上にジョーを寄せ付けない展開に仕上げた3ウェイ。そこに重きを置かれており、3ウェイの面白さを凌駕してしまったのは一長一短。セミということもあり、限界を尽くすよりも今後に繋げる意味合いが強かった。

 ダブルターンをしたスワーブとハングマンは、それぞれフェイスとヒールを上手く担えており、才能の豊かさを示す。難しい構図だが、のらりくらりと立ち振る舞い、要所を締めていたジョーの老獪さも光りました。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

スティング・ラストマッチ/AEW世界タッグ王座戦-トルネード・タッグマッチ
スティング&ダービー・アリン(c)対ヤング・バックス(マシュー&ニコラス・ジャクソン)

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 スティング引退試合は、AEW印のクレイジーデスマッチ。椅子テーブルラダーに留まらず、高所落下複数回に何とガラスボードを複数投入。ダービーだけでなく主役スティングも受けてGCWも驚きの一言。

 ハチャメチャな中にも、スティングのコスプレを行ったスティングの息子2人の登場に始まり、スティングが個人で奮闘するシーンやフレアー&スティムボードの登場とやり残すことがない様な演出満載。

 尊大ヒールを演じたバックスも世界一のタッグチームとして、嫌われ者として、団体を背負う者として最高のお膳立ても行い、スティングのラストマッチを的確に彩ってみせた。リビングレジェンドのラストマッチとしてこれ以上ない多幸感に溢れた試合。

 試合前から試合後、エンディングまで全てがリスペクトに溢れた幸せな空間を描き切りました。好勝負。
評価:****

全体評価:10