世界のプロレス探検隊

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WWE Elimination Chamber 2024 Perth Review "母国凱旋!"リア・リプリー対ナイア・ジャックス/男女チェンバー戦

WWE Elimination Chamber 2024 Perth 2/24/2024

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#1コンテンダーズ(WWE女子世界王座)-エリミネーション・チェンバーマッチ
ベッキー・リンチ対ナオミ対ティファニー・ストラットン対リヴ・モーガン対ラクエル・ゴンザレス対ビアンカ・ブレアー

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 ベッキーとナオミでスタート。
 ベテラン2人の的確なレスリングで土台を作り、次はこの試合のエンジンとなったティファニーが登場。ティファニーは、1人ヒールのため、基本酷い目に遭うが、そのハードバンプを行いながら、ヒールとしてのキャラクター性も保ち、ビッグスポットでは身体能力の高さも発揮。華やかかつ豪快な動きで一気に雰囲気を持っていく。

 実際ティファニーが入って試合のクオリティが上がり、ティファニーが脱落してから試合のクオリティが下がったので、この試合のMVPはティファニーといっても良いでしょう。
 そしてTNAから帰還したナオミ。身体能力は、スーパーアスリートのティファニーやビアンカには劣るものの、開脚レッグドロップの様なナオミだからこそ出来るムーブで貢献し、何よりもレスラーとして技術が向上したことにより、スポット供給役ではなく、土台を作れる選手になったのが今のナオミ。ベテランの深みが出てきた。

 動きのクオリティはどうしても男子に劣るものの、創意工夫でカバーしていく形。男子で使うためにポット破壊は温存するものの、ポット上からのダイブやチェーンへの投げで見せ場を作る。ティファニー脱落後は、これまでのスクランブルさが減り、少し停滞したものの、特殊形式に強いリヴ、ビアンカの身体能力、ベッキーのスターパワーで何とか乗り切った。

 トップスターで固めただけあり、全体として攻防量、質共にレベルが高く、アイデア力やチェンバー戦らしさでも男子を上回ることに成功。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

アンディスピューティドWWEタッグ王座戦
ジャッジメント・デイ(c)(フィン・ベイラー&ダミアン・プリースト)(w/ドミニク・ミステリオ)対ニュー・キャッチ・リパブリック(ピート・ダン&タイラー・ベイト)
 女子チェンバー戦のクールダウンのため、序盤は抑えた試合。そこから一進一退の攻防で盛り上げていく形。BSS改めNCRのエネルギッシュな動きにより、ボルテージは上昇。両チームの多彩な連携、個々の得意技も多数火を噴き、NCRはベイトのエア・プレイン・スピンや合体タイラー・ドライバーやトレント・セブンオマージュの合体バーニング・ハンマーといった豪快な攻撃で存在感を示す。

 オープニングからブーイングで色を添えたドミニクによるアクセントもあり、しっかりと場内を温め直した試合でした。
 まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

#1コンテンダーズ(WWE世界ヘビー級王座)-エリミネーション・チェンバーマッチ
ドリュー・マッキンタイア対LAナイト対ケビン・オーウェンス対ボビー・ラシュリー対ランディ・オートン対ローガン・ポール
 マッキン対ナイトでスタート。元TNAメンバーが多いのはさておき、矢継ぎ早にスポットを回していく形。ベテランばかりで、安定感はあるものの、勢いに欠ける展開。スタジアム開催で勢いが逃げているのも要因。

 試合が動いたのは、1番の嫌われ者ローガンが登場し、KOとの激しい戦いが実現してから。ポット破壊2発でインパクトを生み出す。
 脱落シーンも上手く死闘感を演出しつつ、必殺技乱れ打ちや介入込みで豪快に。序盤の低調度合いを何とかカバー。試合のタクトを握っていたペースメイカーのマッキン、着火剤のローガン、そしてRKOという理屈度外視の最強の武器を持つオートンという最後も適切。名実共にトップヒールのマッキン、最悪の小悪党ローガンという2大ヒールが席巻した試合。

 試合全体としては、スター揃いのメリットとデメリット両方が出た一戦でした。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

WWE女子世界王座戦
リア・リプリー(c)対ナイア・ジャックス

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 トップヒールのリアが地元凱旋により特別に今大会までフェイスターン。対するナイアがリアルヒールということを逆手に取ったマッチメイク。
 リアが大歓声に見送られながら、オーストラリア国旗を模したジャケットを羽織り登場。
 その母国のヒーローに対し、巨体をフル活用しナイアが徹底的にドミネイト。試合は、リアがナイアを持ち上げて仕留められるかという1点が焦点の中、拙い部分、ネタ切れの部分はあるにせよ、業界でナイアにしか出来ない重爆攻撃とヒールプレイで何とか試合を繋ぎ、リアも動きに動き、ダウンベースのダメージ表現でそつなく対応。

 バリケード破壊や実況席破壊ももう少し盛大でも良かったものの、何とかあの手この手でメインイベントの水準をキープし完走。
 想像を超えてナイアが奮闘していたのが印象的。上手くはないけども、成長の跡は確実に見えており、ナイアにしか出来ない仕事ぶりを発揮。キャリアベストワークといっても良い働きが、リアの母国凱旋を後押し。メイン抜擢に応える試合でした。
 平均的良試合。
評価:***1/4

 

全体評価:7.5+