世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

APC & NORTH Wrestling Review 2024 ムスタファ・アリ対エーグル・ブラン/レオン・スレ―ター対マイク・ベイリー

Association les Professionnels du Catch(APC)

20th Anniversary 1/6/2024


ムスタファ・アリ対エーグル・ブラン

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 WWEからリリースされ、インディに降り立ったアリの再起戦。リリース後初試合はまさかのフランス。しかし、全日本でも活躍した「フランスの白い鷲」ことブランが潜在能力を解放し、素晴らしい試合に仕上がった再起戦。

 最初は元WWEスターとして小馬鹿にしたアリだが、すぐさまブランもやり返し、余裕モードは一気に消える。アリがリードするものの、ブランも負けじと応戦。独創性やスピーディーな軽量級らしさと、WWEでも通用していたスケールの大きさ、重厚感、アリが一番活躍していた205でのクルーザー級王者時代のトップフォームで試合に臨んでいたのが大きい。キャリアに勝るベテランとして試合をリードしながらも、若きブランの潜在能力を引き出し、試合のクオリティを共に高めていく。

 WWEリリース後はインディスタイルに順応する時間が必要な選手は多いが、アリは全く必要なし。そのままの姿で素晴らしい試合を残す事が出来ている。

 ブランもマスクマンで表情が見えにくい分、得意のハイフライングは勿論、それ以外の部分ではオールラウンダー的に試合構築力の高さを発揮。アリに臆する事は一切なく、実力を発揮。アリのインディ復帰戦で、キャリアメイキングマッチを残す事が出来たのは見事。

 軽量級の良さを軸にしながら、無差別級としても通用する重厚感。非常に楽しみにしていた試合ではあるが、予想していたリハビリマッチではなく、バキバキに仕上げてきたアリと成長著しいローカルスター・ブランによる団体的にはMOTY級の好勝負となりました。アリだけではなく、今後の2人に注目。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

 

NORTH Wrestling(NCL) Slamfest 1/5/2024

NORTH Wrestling王座戦
レオン・スレ―ター(c)対”スピードボール”マイク・ベイリー

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 かつてRevProで激戦を繰り広げ、その後共に新生TNAの所属としてTNA本体でも戦う可能性の高い両雄の再戦。

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 NORTH WrestlingではRevPro以上にトップレスラーであるレオンだが、先制のプランチャを決めた後は、ベイリーの厳しい攻撃に苦戦を強いられる。

 オスプレイ同様今のベイリーであれば、誰を相手にしても良い試合が作れるが、この試合では特に厳しくドミネイトすることで違いを生み出している。足での蹴りに加え、チョップや膝蹴りを多用することで厳しさをわかりやすく表現。

 コントロールされて動けないところは、ベイリーに構築をお任せ状態のレオンだが、動けば違いを生み出せる選手。ハイフライングは勿論のこと、打撃など技数も増えており、ロングマッチへの対応も進めているのがわかる。それをベイリーも理解しており、ネタ切れにならない様にベイリーは、レオンのハイフライングを温存させながら試合を構築。年末年始でも休みは一切なかったベイリーだが、熱量はかなり高く、非常に研ぎ澄まされた戦いぶりが目を見張る。

 終盤は、抑えていたレオンのハイフライングも解禁し、大技ラッシュでラストスパート。これぞXディビジョンという様なフルスロットル感があり、見応え十分。ベストインザ・ワールドの実力を持ち、休みなしで活躍を続ける中でもマイナーチェンジを施し、進化を続けるベイリーと早くもメジャー団体に辿り着いた既にUKトップクラスの実力を持ちながらも、まだまだ伸びしろ満点の19歳の神童レオンの大激戦。

 これがXディビジョン王座戦と言われても全く違和感はない。ハイレベルな激闘でした。好勝負。
評価:****