世界のプロレス探検隊

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新日本プロレス WRESTLE KINGDOM 18 レビュー オカダ・カズチカ対ブライアン・ダニエルソン/元ドルフ・ジグラー登場!

新日本プロレス(NJPW) WRESTLE KINGDOM 18 1/4/2024

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NEVER無差別級選手権試合
鷹木信悟(c)対タマ・トンガ
 NEVERらしい肉弾戦をベースに、彼ららしく機動力も使っていく展開。ストーリー偏重の短時間マッチが続いた為、シンプルなぶつかり合いは効果抜群。鷹木の持ち上げ上手さも功を奏し、後半戦の幕開けを見事に飾りました。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

元WWEの大スター、ドルフ・ジグラーことニック・ネメスが、AEW所属の実弟"ハリウッド・ハンク"ライアン・ネメスを伴い来場。(グローバル王座戦後は、フィンレーと乱闘を繰り広げた。)

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IWGPジュニアヘビー級選手権試合
高橋ヒロム(c)対エル・デスペラード
 ジュニア頂上対決であり、永遠のライバル同期対決でもある黄金カード。内容は完璧。得意技をテンポ良く放っていき、ライバル性を感じる攻防を多数用意。

 非常に完成度が高い試合には違いないが、このカードをメイン以外で行うのは最後だと言っている様に、今ミッドカードで行うことに意味を感じていない、ドームだから仕方ないという印象は強く受ける。それでも最高峰には違いない。しかし、総集編という印象は拭えない。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

IWGP GLOBALヘビー級選手権 初代王者決定3WAYマッチ
ウィル・オスプレイ対ジョン・モクスリー対デヴィッド・フィンレー(w/外道)

 

 


 AEWとの契約が決まっているオスプレイ、同じAEWのブライアンやモクスリーが出てきているとはいえ、ジェイの様に出なくなる可能性もあり、リング外もリング内を面白く要因として作用していたのがこの試合。ドームらしく特別バージョンの入場で華々しく登場した3人。特にオスプレイの入場は壮大で、団体を象徴するレスラーである事を示していた。
 試合は、まず宣言通りモクスリーとオスプレイが共闘し、フィンレーを制裁。テーブル葬まで行う徹底ぶりで特別感を煽る。その後はオスプレイ対モクスリーの貴重なマッチアップで盛り上げ、機を見てフィンレーも復活し3ウェイらしい目まぐるしい展開となる。
 モクスリーの流血はあるものの、ハードコア度は少なめ。耐性のないファンも多いので、引かれない様に絶妙なバランスを保っていた。ただ通常の攻防が見応え十分な為、それだけでも加点を生み出せるのは強い。

 ストーリーもしっかり作った上に、獰猛な狂犬モクスリー、団体を背負っていたヒーローオスプレイ、狡猾な小悪党フィンレーという色分けも出来ており、ゲイブやコグリンの介入も非常に効果的と隙もない。カットプレーや介入もある為、必殺技のオンパレードであっても、ダメージ値が気にならないのも好材料。大会場に相応しい凄くてわかりやすい試合内容を徹底。

 大方の予想残りフィンレーの勝利ではあるものの、そこに向かう試合内容で満足にさせた理想的な内容。トップ中のトップであるオスプレイとモクスリーにフィンレーが並んでも違和感がないのが、何よりの成長。そのおかげでこの試合は昇華したといっても良い。極上の3ウェイでした。

 名勝負。
評価:****1/2

 

オカダ・カズチカ対ブライアン・ダニエルソン

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 残してきた偉大なる実績とプロレスファンならば知らない人はいないその人気、そして業界一の類稀なる技術で東京ドームを支配してしまう男ブライアン・ダニエルソン。

 静かな日本の観客、熱が伝わりにくいドームというネガティブな要素を瞬く間に消し去り、ほぼ投げ技や飛び技は使わないスタイルなのに、打撃や関節技で全員を魅了してしまうその姿。生観戦をして改めてこのアメリカン・ドラゴンの凄まじさを体感する事となる。非の打ち様などあるはずがない。

 そしてそんな完全無欠のプロレスリングマスターに対し、存在感でも技術でも負けないのが、日本プロレス界が世界に誇る至宝オカダ・カズチカ。

 ブライアンにはない体格、身体能力の高さ、ハイインパクトな攻撃で対抗し、ブライアンの腕攻めに対するダメージ表現も的確。大御所ゲストに損はさせず、更に持ち上げ、その上で自分の価値も高め続ける。今これが出来るのは世界でも限られた人間であり、その選ばれし1人がオカダ。

 腕を痛めつけられて絶体絶命の中、あえてマネークリップを最初にしか使わず、大技攻勢で跳ね返す選択も見事。レインメーカー前のデスバレー・ドライバーは、得意のヘビーレインではなく、ジョンシナの必殺技であるアティチュード・アジャストメントの様な落とし方だったのは、偶然か意図的か。それはさておき、世界のトップ同士の正真正銘ドリームマッチは、完全無欠の名勝負。

 ブライアンによる執拗かつエグい右腕破壊を経て、オカダもキラーモードに。ブライアンが負傷している眼帯を剥ぎ取り、顔面への攻撃を解禁。レインメーカー封じ対レインメーカーという大きな軸に加え、昨年6月のForbidden Door 2での悪夢再来というべき足を使ったルベルロックやブサイクニー連打を耐え抜き、オカダが必殺技フルコースで激勝。と文章にすればこの様な形だが、その中に細かなテクニックやフィジカルの強さ、スターの風格、空間掌握術、様々な要素がこれでもかと含まれている。

 生で見ても後で映像で見ても評価は不変。2023年はケニー対オスプレイがMOTYの基準になるという異常なスタートだったが、2024年はオカダ対ブライアンがMOTYの基準になるという更に恐ろしい幕開けとなった。改めてこの2人のスターさに脱帽。
 ブライアン・ダニエルソンはやはりエグすぎる。
 5スターマッチ。
評価:*****

 

IWGP世界ヘビー級選手権試合
SANADA(c)対内藤哲也

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 フェイス対決なので勧善懲悪ではないものの、長きに渡る歴史を持つロスインゴのリーダーと元主力メンバーによるメインイベントに相応しい重厚な試合内容。
 満身創痍の内藤。得意なシークエンスではギアを入れるが、その他はまったり気味。逆にそれが重厚さをもたらす独特の空気感を放っている。

 いつもよりは試合時間が短めの25分だが、余分な攻防を省いているので、ボリュームは変わらず。互いを知り尽くした攻防の数々、得意技必殺技大盤振る舞いでスケールも大きくキープ。

 SANADAも試合では身体能力の高さを如何なく発揮出来る心強い選手。ドームのメインという大役を立派に務め上げる。

 試合後のボーナストラックともいえるスキットも含めて、オカダ対ブライアンではなくメインはこの2人でなければいけない意味を表現していた。

 好勝負。
評価:****

 

全体評価:9