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H2O 7 F'n Years Night 2 Review マット・トレモント対ニール・ダイヤモンド・カッター "壮絶! 700本蛍光灯デスマッチ"

H2O 7 F'n Years - Night 2 6/11/2023

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H2Oダニー・ハヴォックハードコア王座戦-フェイタル・4ウェイ
ブランドン・カーク(c)対マーカス・マザーズ対バン・サリバン対ジミー・ロイド
 試合前にロイドが入り4ウェイに。
 冒頭は4ウェイらしい丸め込み合戦を取り入れるなど緩めなムードから入り、その後は有刺鉄線が巻かれたバスケットゴールなど有刺鉄線系凶器でハードコア度を追加。

 メインが700本蛍光灯デスマッチということもあり、軽めに抑えた形。単体として見れば物足りないが、大会全体としては賢明な判断。

 平均より上。
評価:***

 

700本蛍光灯デスマッチ
マット・トレモント対ニール・ダイヤモンド・カッター

 これまでにも数多くの複数本蛍光灯デスマッチは行われてきたが、リングの大きさの兼ね合いはあるとはいえ、700本となるとリング上はこれまでとは異なる異空間。7周年記念大会のメインに相応しい、まさに選ばれ者達の決戦。
 蛍光灯を割り、破片が敷き詰められたリングで、ロープワークが出来る様に、ロープに設置された蛍光灯を優先にしながらも、少しずつ蛍光灯を消費していく展開。ただ700本となるとその少しずつが多い。必然的に蛍光灯を被弾する量が増える為、特に上半身裸のニールの背中は早々に鮮血で真っ赤。

 圧倒的な物量によるインパクトはさることながら、「デスマッチ」ではなく「デスマッチ・レスリング」の上級者2人だからこそ出来る的確なロングマッチの構築も見所。単にデスマッチにおける過激さを出す事が得意でも、レスリングが出来ないとこの様な形式を遂行することは難しい。複数本蛍光灯デスマッチの第一人者であるアブドーラ小林オマージュのバカチンガーエルボーを放つトレモントの演出も憎い。

 複数回に及ぶ100本以上の凶悪な蛍光灯の打ち合いを経て、トレモントも上半身裸となり、最終局面へ。場外の大量の蛍光灯トラップへの心中落下に続き、大量の蛍光灯への投げ技を決め続ける。シンプルそのものだが、一回の攻撃に使う蛍光灯の量が非常に多く、壮絶そのもの。激し過ぎて神々しいゾーンに突入した死闘。トレモントらしくクライマックスからフィニッシュにおける画作りの上手さも光る。

 昨今は蛍光灯が標準装備位になり、蛍光灯の価値の低下が著しいが、改めて蛍光灯デスマッチの特別性を再定義し、デスマッチそのものの素晴らしいを表現した格式高い内容でした。他の凶器やスポットを追加するか、ストーリーの補佐を付けるかしか加点を叩き出すのは難しいレベル。究極の蛍光灯デスマッチを生み出しました。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4