世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

GCW Review 2021-2022 アレックス・コロン対ジョン・ウェイン・マードック他 ~埋められないMDKの穴~

GCW Blood On The Hills 12/17/2021
GCW世界タッグ王座戦
ブリスコ・ブラザーズ(c)(ジェイ&マーク・ブリスコ)対PCO&ブロディ・キング

 ブリスコズと元ヴィラン・エンタープライゼスの2人という元ROH同士の激突。ハードコアに皆強いので、流血ありの乱戦に。特別な試合ではないものの、荒々しい戦いはGCWに場を移しても健在でした。平均的良試合。
評価:***1/4

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ノーロープ・バーブドワイヤー・デスマッチ
アティカス・クーガー対ジョーダン・オリヴァー

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 アティカスのパイロの花火攻撃により、目を負傷した設定のオリヴァーは包帯を巻いて参戦。ノーロープ有刺鉄線ではあるものの、序盤から場外戦もあり、他の凶器もありとハードコア的な要素の強い展開に。

 ラフは強いとはいえ、動いてなんぼのオリヴァーに、ノーロープ有刺鉄線はマイナスにしかならず、アティカスも強制力を余り出さないので、激しい事はするけども単発で、線にならない。適正試合時間を大きくオーバーする事で、間延びしており、会場も冷め切ってしまう。

 ガラスボードや火炎ドア等デスマッチ要素を取り入れ格好は付けたものの、好調アティカス・クーガーのデスマッチとしては低調な出来。後、シンプルにオリヴァーが伸び悩んでいるのも気がかり。色々出来るけども器用貧乏になっており、ベビーフェイスも嵌っていない。生意気ヒールで輝いていた時を思い出して欲しい所。cagematch程の酷評ではないものの、期待外れではある。平均より上。
評価:***

 

GCW Til Infinity 12/31/2021
GCWエクストリーム王座戦
PCO(c)対マット・トレモント

 GCWに復帰したPCOがデストロの代わりに持参したのがGCWエクストリーム王座のベルト!
 PCOがROHと契約するに当たり、インディ団体に出れなくなったので、実質封印状態だったが、ここへ来て復活。エクストリームとウルトラヴァイオレント両方の王座があるのは面白い事態。
 この試合に関しては、PCOの対戦相手として登場したのは元GCW世界王者マット・トレモントというのも特大サプライズ。試合自体は椅子とドアを使ういつものハードコアだが、この2人が戦うだけでオープニングとしては十分である。平均より上。
評価:***

 

デスマッチ
G-レイヴァー対AKIRA
 蛍光灯やラダーを使うスポットは、クレイジーなものばかりだが、単発気味。ストーリーが一切なく、レイヴァーのキャラクターも活かせないので、ただ単に激しい事をやっているだけ。それで良いのはニック・ゲイジ位なので、補佐がないとやはり厳しい。メインなので軽めに出来ないというのも逆効果。この2人ならスピードに乗らないと良さは出てこない。好カードだったが伸び悩んだ。平均より上。
評価:***

 

GCW Die For This 1/1/2022
GCWウルトラヴァイオレント王座戦-デスマッチ
アレックス・コロン(c)対ジョン・ウェイン・マードック

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 GCW UV王者とICW NHB北米デスマッチ初代王者の世紀の一戦。ストーリーのセットアップもそれなりに丁寧に行い、期待値は最高潮。
 序盤から蛍光灯を使っていく展開。通常のプロレスの構築も出来る両者なので、蛍光灯を使いながら、場外戦を組み込み、ホームのヒーローであるコロンが押していく展開を作り出す。7対3でコロンが攻め立てる形で、マードックは要所で反撃。本来ならマードックが極悪の外敵として、コロンを蹂躙する方が盛り上がるが、その様なシーンはなく、まるでICWでコロンがヒールとして戦っている錯覚を覚える程。

 物量も質もあるので、悪くはないものの、爆発は出来ていない中、得意技必殺技の攻防へ移り、終盤へ。コロンが唐突にレフェリーを排除した辺りが雲行きは悪くなり、レフェリー失神やガセットプレート角材での攻撃で、マードックが腕からとめどなく血が流れる程の事態となりレフェリー・ストップ。

 制止するセコンドのAKIRAに手を下し、コロンは暴走し続け、リスタートを志願するマードックを制裁しフィニッシュ。ダブルターンを思わせる様な不透明決着。

 コロン対マードックはこれで終わりか、コロン対AKIRAに本格的にシフトするのかは不明だが、大看板ジョン・モクスリー、ニック・ゲイジ不在で、世界王座もホミサイドに絡ませることで、UV王座戦線に掛かる負担も大きい中で、不安しか覚えない内容でした。

 IWA対CZWの様に、デスマッチ対抗戦はやっぱり上手くいかない。この試合においては、ダニー・デマントが年単位で作り上げたジョン・ウェイン・マードックの価値をぶち壊してしまったのは正直悲しい。平均的良試合。
評価:***1/4

 

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