世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

H2O Last November Review リッキー・シェイン・ペイジ対マット・トレモント ~44 OH!vsH2O遂に終結!~

H2O Last November 11/27/2021

iwtv.live

 

youtu.be

 

チャック・ペイン対デクラン・グラント対G-レイヴァー
 レイヴァーの高所ダイブで始まり、その後は単発気味ではあるものの、ペインが巨体を活かした攻撃で魅せ、はみ出し者のグラントを制裁。ラダーへの投げは破壊的で見応えあり。中締めとしては上出来。平均より上。

評価:***

 

H2Oダニー・ハヴォック・ハードコア王座戦
アティカス・クーガー(c)対ラッキー13
 ダニーの盟友であるラッキーが若き名手アティカスから必死の思いでベルトを剥がしに行く戦い。共に軽量級なので動く試合を予想したが、アティカスは血塗れになりながらも、じっくりとラッキーを痛めつけ、あえてスローペースにして、ストーリー性を強める試合運びを見せ、ラッキーも動き回るよりもピンポイントに反撃を絞る形。

 ラッキーの良さは抑えられているとはいえ、この試合で求められる世界観を理解して作り出すアティカス。親分リッキーからの最終試験だったかのように、こういう試合展開も出来る様になったと見せつける。

 あえてダニー・ハヴォックの殿堂入りのモニュメントを剥がし挑発した後、ラッキーがフルスロットルとなり、必殺技フルコースから遂に不落のアティカスを倒すというストーリーも見事に嵌っている。アティカスももう独り立ちしても問題ないと再認識させる働きを見せ、見事な王座陥落劇を演出しました。

 まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

H2Oヘビー級王座戦-ノーロープ・バーブドワイヤー・ランバージャック・デスマッチ
リッキー・シェイン・ペイジ(c)対マット・トレモント

youtu.be 44 OH! 対H2Oの1年戦争が遂に終結。 引退試合から1年。大仁田との電流爆破を経て、RSP討伐へトレモント自身が出陣。入場曲もセパレイト・ウェイズから変え、デビュー時の様なコスチュームに身を包み、ランバージャック戦という事で、H2O軍と妻クリッシーもリングサイドを取り囲む。

ameblo.jp


 ノーロープ有刺鉄線らしい有刺鉄線を押しつける攻防は入れながらも、リングサイドへの逃げ、ランバージャックの活用、有刺鉄線バットや角材を積極的に使う事で、有刺鉄線デスマッチの雰囲気は作りながらも、スローになり過ぎない工夫を施していたのは賢明。ストーリーテリングも出来て、試合単体での質も上げられる。トレモントの極上の拳や2人のリアクションもやはり素晴らしく、ベテランの技が堪能出来る。

 その後はランバージャックが入り乱れる展開からトレモントが遂に追い詰め、これは皆の分だ!と叫びながら大量の蛍光灯で制裁し、最後も蛍光灯大束へのジェネラル・オーダー24を決め、遂にトレモントが王座を奪還。トレモント引退試合でRSPがトレモントを仕留めた時の様に、そのままやり返したのも感慨深い。

youtu.be

 試合後のプロモも、トレモントのドキュメンタリーや彼らの長きに渡る関係性を観ていれば、良さが更に倍増する。RSP対アティカスへの種蒔きもしっかりしており、44OH!勢もH2Oからは追放しないという英断も色んな意味でハッピーエンド。H2Oらしさ全開の内容でした。RSPの極悪リーダー色が弱っていて、デスマッチからの引退も表明した後での一戦ではあったが、大一番では外さないスターの気迫を見る事が出来た。
長期ストーリーでしか味わえない最高のフィナーレでした。好勝負。
評価:****

 

全体評価:8