世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

AEW Review 2023 ケニー・オメガ対ジェフ・コブ/オレンジ・キャシディ対ジェフ・ジャレット他

AEW Dynamite #180 3/15/2023
ブラックプール・コンバット・クラブ(ジョン・モクスリー、クラウディオ・カスタニョーリ&ウィーラー・ユータ)対”ハングマン”アダム・ペイジ&ダーク・オーダー(イービル・ウノ&スチュ・グレイソン)

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 ヒールターンしかかっている状態のBCC。カナダ凱旋となるSSBを迎え撃つ試合で、ヒールとしての立ち位置を明確にした格好。

 そしてこの試合では晴れて復帰となったスチュがかなりフューチャーされている内容となっており、個人としてもSSBとしても担当が多く割かれており、それに見合った活躍も見せていた。対カナダの戦略として連れ戻された形。本来はタッグ王座を巻くべき存在なので、スポットを作り出して上げてほしいと切に願う。

 BCCに関してはヒールの上手さも団体随一。ダーティなヒールユニットとして、嫌われに行っても支持は受けるだろうという格好良さ。特に久々のヒールとなるクラウディオが、WWE時には出来なかった存在感を解き放っているのが印象的。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

AEWインターナショナル王座戦
オレンジ・キャシディ(c)対ジェフ・ジャレット(w/サンジェイ・ダット&サットナム・シン)

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 コテコテのオールドスクール。場外乱闘、観客への煽り、セコンド介入、カナダでのシャープシューターとこれでもかとクラシカルなアメリカンプロレスを詰め込んだ内容。

 この劣化版をメインにするからWCWやTNAは駄目になったけれども、相応の相手を用意すればJJの技術は活きるということが証明された試合です。シンプルに面白く、かつてのキング・オブ・ザ・マウンテンの意地を見た。

 平均的良試合。
評価:***1/4

 

AEW世界トリオス王座戦-トリプル・スレットマッチ
ハウス・オブ・ブラック(c)(マラカイ・ブラック、ブロディ・キング&バディ・マシューズ)(w/ジュリア・ハート)対ジェリコ・アプリエーション・ソサエティ(クリス・ジェリコ、サミー・ゲバラ&ダニエル・ガルシア)対ジ・エリート(ケニー・オメガ、マット&ニック・ジャクソン)

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 地元ウィニペグの英雄ケニーとジェリコをフューチャーした一戦。マット•ジャクソンが長期離脱のきっかけとなる負傷を負ってしまうというハンデもありながらも、ケニーとジェリコが戦い、時に連携を行うといった感謝祭の如き内容。

 フェイス扱いであったHoBも黒子に徹し、試合を展開させていく。クオリティが落ちても見せたい画を作り出すことを優先した内容。PWGスタイルの派手で独創的、それでいてカオスな感じもある試合展開となり、わかりやすくクオリティよりも大事なものを描き切った英雄凱旋物語を表現した試合。

 タッグを組まず、合法的にケニーとジェリコを協力させる形としてはこれがベスト。
 中々良い試合。
評価:***1/2


全体評価:7.5

 

AEW Dark Ep.189 3/28/2023

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スカイ・ブルー対クイーン・アミナタ

 何度も手合わせしており、親友関係でもある両者だけあり、粗さも気にせず思う存分全力を尽くした攻防を行うことが出来ており、アグレッシブさを全面に出すことが出来ている。短い中でも見所が多数あり、トップインディならばもっと話題になるだろう内容でした。

 平均より上。
評価:***

 

AEW Dynamite #182 3/29/2023
IWGP USヘビー級選手権
ケニー・オメガ(c)対ジェフ・コブ

 

 バックスが負傷で欠場を発表し、直前にドン・キャリスとハングマンがBCCに襲われる形でスタート。不安を打ち消す様なDevil Sky(新日本の時のテーマ曲)は特別仕様。

 ヴィキンゴ戦と試合後のBCCによる襲撃によるアバラのダメージを抱えているケニーを、UEの猛獣コブが集中攻撃。

 十八番のノータッチ・トペ・コンヒーロで先制したケニーだが、コブのパワーの前に苦戦。マタンザの鎧を着ていないコブは、スタイル的にTVプロレス向きではないものの、ケニーの負傷設定にも助けられ、持ち前の身体能力を活かした攻撃でカバー。

 ケニーもTVプロレスと新日本スタイル、自身の格とコブの格など様々な要素の中で上手くバランスを取っており、円熟味を感じる試合構築を見せる。終盤もコブの猛攻を振り切ったケニーが、必殺フルコースで振り切る形。

 新日本で実現すればまた違った形になるとは思うが、AEWのTVマッチとして実現した中では、ベストに近い試合内容であった。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4