AEW Dynamite #198 - Blood & Guts 2023 7/19/2023
FTW王座戦
フック(c)対ジャック・ペリー
ヒールターンしたペリーは、新調した入場曲とルックスでの登場。スタイルもヒールに仕上げている。完成度はこれからにはなるが、かつてのメンターは何といってもクリスチャンなので、彼をなぞらえるだけでもそれなりのヒールには仕上がっていく。
実際クリスチャンムーブも挟んでおり、他の4本柱とは異なり、ここでメンターの影響が出たかと思うと感慨深い。無敗のフックにあの手この手で迫るペリー。
豪快なスープレックス連発で敗北一歩手前まで行くも、ローブロー、レフェリー失神からのベルトショットとチープショットを揃えに揃え王座を強奪。試合そのもののクオリティ以上に、ペリーの今後に注目したくなる一戦でした。
平均的良試合。
評価:***1/4
ブラインド・エリミネーター・タッグ・トーナメント決勝
MJF&アダム・コール対ジェリコ・アプリシエーション・ソサエティ(ダニエル・ガルシア&サミー・ゲバラ)
Thirsty tuesdays#AEWDynamite pic.twitter.com/pH7oneHO3r
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This just happened and we love our job#AEWDynamite pic.twitter.com/3gt7rmYAWG
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ウキウキなプロモに試合前のダンスオフ。インディ大会でも数える程しかやっていないのに、全米放送でやってしまうのだから天晴れ。MJFとコールのいつ仲違いするかわからないものの、何か仲良くなっている演技派タッグの一挙手一投足に惚れ惚れする。ストーリーを紡いでいけばいくほど昇華しており、今では業界屈指の見逃せないストーリーとなっている。
また、この試合でも擬似ベビーフェイスとなったベビーフェイスになりたくないMJF。フェイスの戦い方もしっかり様になっており、大声援も受けている。この時代にトペ・スイシーダで万雷の歓声を受け、それにアホ顔で応える世界王者はただ1人。まさに唯一無二の存在になっただけでなく、低調で始まったコールのフェイスターンも好転させたのだから天晴れ。ロデリックを絡めてどちらが裏切るのは確実だが、与えてくれた魔法の時間を楽しみたい。
対するガルシアとサミーは黒子だが、特にガルシアは黒子に収まらない人気っぷり。シャキーラも驚くダンスを武器に、彼も今最も見逃せないレスラーの1人になりました。こちらもクオリティ以上に楽しめたエンターテイメントマッチ。2023年でダブル・クローズラインがフィニッシャーになるとは驚きですが、それも含めて見事でした。
中々良い試合。
評価:***1/2
ブラッド・アンド・ガッツ・マッチ
ブラックプール・コンバット・クラブ(ジョン・モクスリー、クラウディオ・カスタニョーリ&ウィーラー・ユータ)、竹下幸之介&PAC対ザ・ゴールデン・エリート(ケニー・オメガ、”ハングマン”アダム・ペイジ、マット・ジャクソン、ニック・ジャクソン&飯伏幸太)
Wheeler Yuta destroys Nick Jackson!
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So a BED OF NAILS just arrived into this match courtesy of Jon Moxley.
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PAC & Claudio aren't on the same page as PAC leaves the ring!
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1番手からクラウディオ対ケニーのメガカードからスタート。とはいえこの形式では特段凄い攻防を見せようという意図はない為、無難に次に繋いでいく。序盤はクラウディオとPACの不仲を意識させるのがメイン。結果的にROH DBDの対決に繋がるのだが、もし当初の予定通りマーク・ブリスコがROH世界王座戦の相手ならばどの様な形になっていたかは気になる所。
試合が動いたのは、デスマッチ柔術の大会デスマッチというハードスケジュールを戦う葛西純のTシャツ着用で登場した狂犬モクスリー。1人だけテンションが違う狂いっぷりで、ブライアンから託されたスクリュードライバー、ホミサイドから託された?フォークを駆使するだけではなく、ガラスの破片(デスマッチで使うものよりは切れない仕様の可能性大)に五寸釘ボードを投入。皆ハードコアをやりに来ているのに、1人だけデスマッチをやりに来ているその感覚が愛すべき狂犬。
とはいえエリートもタフマッチが得意なメンバーが揃っており、ハングマンもケニーも受け手としてモクスリーの求めるものに応えられる選手。特にケニーはハードバンプを次々と志願。1人レベルの違いを見せていた。その後はすっかり逞しくなったユータやバックスの華麗な攻撃を挟み、竹下そして飯伏が登場。
路上プロレスは散々やってきたDDT出身2人とはいっても、デスマッチテイストの強いウォーゲームスは未経験。日本のデスマッチハードコアと、アメリカンプロレスのそれとは全く違うので、正直試合に入れていなかった。竹下は将来の経験にもなり、恐らく飯伏の面倒を見る必要がなければ、もっとスポットが与えられていたはずなので残念。
そして飯伏は、不慣れな形式に加え加齢にブランクもありと目玉なのに殆ど貢献出来ていなかったのは残念。ゴールデンラヴァーズを見せることに意味があるので、いるだけで成立はしているが、当然この程度のレスラーではなく、世界を制覇したレスラーの1人なだけに、やはりもう少し実戦を重ねたい。
プラス要素とマイナス要素が交差する展開。金網上での攻防や、画鋲を投入しての攻防、豪快なテーブル葬と見せ場は沢山作り、フィニッシュも壮絶なものだったが、PAC竹下の造反とかなり時間をかけてきたストーリーだけに性急過ぎる結末は物足りなさもある。ただ、ブライアンがいれば、異なる結末になったはず。
攻守に渡り、ずば抜けてクレイジーさを誇っていたモクスリーとケニーが大車輪の活躍で引っ張り、その他のメンバーも安定した働きを見せて、何とか好勝負レベルに押し上げた一戦でした。
好勝負。
評価:****
全体評価:8.5