世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

GCW Josh Barnett's Bloodsport 9 Review 飯伏幸太対マイク・ベイリー/ジョシュ・バーネット対ティモシー・サッチャー他

GCW Josh Barnett's Bloodsport 9 3/30/2023

 

www.fite.tv

 

 

マリーナ・シャフィール対キラー・ケリー

 試合としては想像以上に噛み合わず。無理にアジャストするのではなく、あえて噛み合わない様な展開を選び、マリーナの怪物性をフューチャーした内容。

 マリーナの佇まいは鬼気迫るものがあり、これを常時出せることができればAEWでも天下を取れるレベル。

 その為、ケリーがバランスを取るために自己犠牲を強いられた格好となったのは残念。TVプロレスの様な試合構築をしていたので、持ち味を出し切ることは出来なかった。

 それでもマリーナの潜在能力を今年も堪能出来たのでそれで十分。平均レベル。
評価:***

 

飯伏幸太対”スピードボール”マイク・ベイリー

 


 この試合が長期欠場からの復帰戦となる飯伏。現在のBest in the Worldといっても良いベイリーとの元DDT対決。飯伏は、フィジカル的には仕上がっていて、動きも鋭いものの、本来の力からすれば1割か2割位の試運転。

 それでもシュートスタイルに対応し、新日本時の長時間マッチはまだまだでも、マニー•パッキャオとの異種格闘技戦ならば十分戦える程にはなっている。対するベイリーが、飯伏を凌駕する程キレキレ。グラウンドから打撃まで切れ味鋭い動きを見せ続け、特別な試合に仕上げる。

 飯伏は試運転レベルなので、全快になった時再戦が見てみたくなる思いにはなる内容。そして久しく見る事が出来ていなかったシュートスタイルの飯伏が堪能出来る貴重な試合でもありました。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

ジョン・モクスリー対アレックス・コグリン

 


 デイビー•リチャーズの妻へのDV疑惑発覚による突然の引退。それによりモクスリーの相手はコグリンに変更。

 そしてモクスリーもAEWではヒールターンしており、挑発はするけどもアピールは少なめとこれまでとは異なるモクスリーの姿を示している。

 コグリンがLA道場仕込みの綺麗なスープレックスでモクスリーを追い込む健闘を見せ、その健闘に触発されたモクスリーも少しの熱さとたくさんの貫禄で応戦していくことで、試合が熱を帯びていったのが伝わる。期待通りの良試合。
 平均的良試合。
評価:***1/4

 

ジョシュ・バーネット対ティモシー・サッチャー

 MMAの実績は満点である今大会オーガナイザージョシュ。当たり前だが技術もある。それでもプロレスが上手い訳ではない。その様な難しい相手に対し、ノア、AEWやROHへの参戦も経て、元々備えていた高い実力に加え、表現力に磨きをかけて、好調を維持しているサッチャーが最高の活躍。

 ジョシュを立てながら、高い自らの技術力も示す。アグレッシブに試合を動かしつつ、溜めるところはスローにして溜める。ジョシュの攻撃パートでは、ダメージ表現にその攻撃に対するカウンターの魅せ方が秀逸。男臭いUWFスタイルでありながらも、常にカメラを意識する徹底ぶりもWWEで磨きをかけた技術である。

 テクニカルな死闘でありながらも、エンターテイメントとしての要素も含んでおり、非常に観やすい内容。サッチャーの良さが最大限光った好勝負。
評価:****

全体評価:8