世界のプロレス探検隊

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WWE Survivor Series 2022 WarGames Review ~血よりも濃いスティーネリコの歴史~

WWE Survivor Series 2022 – WarGames 11/26/2022

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ウィメンズ・ウォー・ゲームスマッチ
ビアンカ・ブレアー、アレクサ・ブリス、アスカ、ミア・イム&ベッキー・リンチ対Damage CTRL(ベイリー、イヨ・スカイ&ダコタ・カイ)、ニッキー・クロス&リア・リプリー

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 NXT時代にウォー・ゲームスを毎回戦っていたUEの3/4がAEWの為、映像が余り使えないことにより、今後の為に今回スポットを沢山織り込む必要がある。その為、金網からのダイブ連発にテーブルやラダー使用もありとスポットはド派手なものも多く、高評価が多いのも頷けるが、そのスポットが単発気味で、その他の部分が粗く、評価が分かれるのも理解出来る内容。

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 ミスムーブや展開の粗さも全て、隠されていたビアンカ軍の5人目であるベッキー・リンチをサプライズではなく前日のSDで登場させなければ帳消しに出来たはずだが、視聴率を稼ぐ必要があるのでやむなし。企業とはそういうものである。

 NXT時代にウォー・ゲームスを経験している選手が多く、やり方は理解しており、その粗さを除けばスムーズに進行しており、何よりもメガスターとなったベッキーがフェイスとして復活した華々しさは備わっている。

 中々良い試合。
評価:***1/2

 

AJスタイルズ(w/カール・アンダーソン&ルーク・ギャローズ)対フィン・ベイラー(w/ダミアン・プリースト&ドミニク・ミステリオ)
 Bullet clubの初代と二代目リーダー対決。長期の抗争となっており、グラウンドから始まるのではなく、投げ技や打撃から荒めにスタートし、そこからAJのカーフ・クラッシャーに絡める脚攻めや、ベイラーの首攻めに移行するベテランらしい巧さが光る。

 ウォー・ゲームスの後であり、試合展開もテンションを抑えた展開が続く為、RAWでやる様な玄人好みの試合内容となっているものの、試合時間も長めにとられており、攻防を重ねていくことによりボリュームアップ。OCとJDとの乱闘、掟破りの攻防と特別感を出しながら上手くまとめた形。

 あっさりとしたフィニッシュ含め驚く様な内容では無いが、アンダーカードとして豪華過ぎる。中々良い試合。
評価:***1/2

 

WWE US王座戦-トリプル・スレットマッチ
セス・”フリーキン”・ローリンズ(c)対ボビー・ラシュリー対オースチン・セオリー
 場外戦も交えた乱戦ベースの3ウェイ。セスはのらりくらり、セオリーは激し目なヒール、ラシュリーは技巧派の怪物と三者三様である事を示していく展開。

 セスとセオリーがレスリングの攻防をしている中で、ラシュリーが絡むとエンタメ要素が強くなる転調を試合の中で切り替えているのが面白い。3人の実力があってこそ。

 MITB失敗により荒々しいスタイルに変貌を遂げたセオリーもトップスター2人に食われておらず、存在感を誇示。疾走感溢れる攻防もハードコア要素もラフも3ウェイの面白さも高品質で備わっている熱戦。想像以上の内容でした。

 好勝負。
評価:****


メンズ・ウォー・ゲームスマッチ
ザ・ブラッドライン(ローマン・レインズ、ジェイ&ジミー・ウーソ、サミ・ゼイン&ソロ・シコア)(w/ポール・ヘイマン)対ケビン・オーウェンス、ドリュー・マッキンタイア&ザ・ブロウリング・ブルーツ(シェイマス、リッジ・ホランド&ブッチ)

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 試合だけでなく大会を通して、サミ・ゼインとブラッドライン(特にジェイ・ウーソ)そしてケビン・オーウェンスとの関係性に焦点を置かれており、この試合も殆ど全振りといっても良い程ストーリー重視。

 マッキンタイアやブルーツの面々を脇役に据える事が出来るのも強く、レインズでさえもサミとオーウェンスの関係性の前では強いながらも一要素になっていた事に驚きを隠せない。

 ただ、オーウェンスが全身ダスティ・ローズの出立ちで登場し、1人だけNWAウォー・ゲームスをやろうとしていた拘りは見えるものの、凶器込み込み金網戦レベルの過激度でしか出来ないので、ストーリーに振ったのは正解。

 フェイスが先攻の為、数的優位を作りにくい中でも、ストーリー上での戦線離脱シーンなしにやり抜いたのは予想外。ホランドが明らかにナーバスになっているのをブッチがサポートするなど、不安要素を隠しながら、レインズ対オーウェンスの遺恨を再燃させ、サミとオーウェンスは復縁せず、サミとジェイが逆に仲直りするという年末年始からRRに向けて期待を持たせる形でコントロパーシャルにフィニッシュ。

 ストーリーと長きに渡る歴史は全てを救うのが証明された一戦でした。好勝負。
評価:****

全体評価:8.5