WWE Monday Night RAW #1545 1/2/2023
WWE US王座戦
オースチン・セオリー(c)対セス・”フリーキン”・ローリンズ
余裕で相手を小馬鹿にし、場を支配していくセスと、荒ぶるセオリーの構図。試合内容は元々申し分のない両者だが、客席のシンガロング効果もありフェイスとしての支持が過去最高潮のセス、スカしたシンデレラボーイではなく獰猛さを身に付けたセオリーのキャラクターチェンジが上手くいっており、単に良い試合だけではないプラスアルファの部分を生み出している。
シンプルな一進一退の攻防がメインではあるが、何度も対戦を繰り返しているだけあり、攻防一つ一つの完成度が高い。観客を上手く乗せることにも成功しており、ブッキングが上手く行っていることの証明でもある。終盤もセスの格が落ちない様に、脚の負傷ネタを絡めた上で、プッシュ対象のセオリーが必殺技を決めて勝つ画も決める。
演者の活躍は勿論のこと、ビンススタイルのゴリ押しではなく、過程を持ってプッシュを決めるHHH体制の丁寧な仕事ぶりが伺える一戦でした。好勝負。
評価:****
WWE Friday Night SmackDown #1221 1/13/2023
WWE IC王座戦
グンター(c)対ブラウン・ストローマン
ハイフライヤーとインディレスラーが大嫌いなストローマンが、これぞオールドスクール・アメリカンプロレスリングという大味なビッグマンスタイルを展開。試合構築はグンターに全振りしているが、ただ、迫力面でも黒羊仮面を被っていた時の様なかつてのものは出せていないのは問題。人気はあるのは救い。安定感抜群の好調グンターが1人でまとめ切った試合。
平均的良試合。
評価:***1/4
ケビン・オーウェンス対サミ・ゼイン
ブラッドライン対KOの抗争が激化する中で実現した唯一無二の宿敵対決。小悪党っぷりを如何なく発揮し続けていたサミだが、相手がケビン・スティーンならそれは別。何回も何回も凌ぎを削った両雄だが、今回はKOがフェイスで、サミがヒールという新しいパターン。サミがリードし、KOを追い詰めるという展開は新鮮。
だが死力を尽くした潰し合いとなることには変わりなく、エプロンでのブレーンバスターを皮切りに、激しい攻防の連続。この2人が戦うと、戦う方も観る方も普段とは異なる空間にいる気がしてしまうほど、特別な空気感が支配する。凶器がなくてもハードコア。この言葉を体現する様な激闘。
それに水を刺す様なDQフィニッシュもお見事。来たるサミ追放、スティーネリコ復活に向けて着々と舞台が整っています。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
全体評価:7
WWE Monday Night RAW #1548 - RAW Is XXX 1/23/2023
WWE RAWタッグ王座戦
ジ・ウーソズ(c)(ジェイ&ジミー・ウーソ)(w/サミ・ゼイン)対ジャッジメント・デイ(ダミアン・プリースト&ドミニク・ミステリオ)(w/フィン・ベイラー&リア・リプリー)
まずは、RAW30周年のオープニングを飾るセグメントとなった、試合前に行われたサミ・ゼイン裁判。ブラッドライン追放が決まる重要な舞台。ECWと快進撃を続けるNFLフィラデルフィア・イーグルスをネタにしつつ、サミを糾弾したポール・ヘイマンの言葉を受けて、ソロ・シコアに攻撃を指示したレインズ。それを制したジェイ・ウーソ。歪み合っていたサミの窮地をジェイが救い、無罪放免となったサミ。そこにジャッジメント・デイが現れ試合スタート。
ニュートラルな立ち位置で技の打ち合いとなる良くあるヒール対決。スーパーキック乱れ打ちにプリーストの躍動と見栄えは良いものの、構築としてはアバウトではある。このシチュエーションでは、実力が落ちるドミニクを背負いながら、プリーストが1人でウーソズを薙ぎ倒していく活躍。
また、プリーストに関して、パニッシュメント・マルティネス時代は元ROH。ジェイ・ブリスコ追悼ドゥームスデイ・デバイスを決める演出は憎い。
Always enjoyed my time around Jay. Will be missed by so many. Rest easy. 🙏 pic.twitter.com/pJmgA4rYFd
— Damian Priest (@ArcherOfInfamy) 2023年1月18日
得意技の連続で終盤に移った中、ジミーが脚を負傷。試合が終わり、王座剥奪かと思いきや、残っていたサミがジミーの代わりに参戦するサプライズ。サミ&ジェイが、JDの猛攻を受けながらも、最後は一緒に1-Dを決めて勝利という歓喜の瞬間。
サミ・ゼインのブラッドライン追放時限爆弾の爆発がすぐに迫っている中、最終局面で見たかった最高の演出。単体なら中々良い試合位の試合ではあるものの、この前のセグメント、ここに至るストーリー、プロモの完成度がこの試合に乗っかることで更に大爆発。2023年ベストモーメント賞候補には挙がるでしょう。
タッグマッチ大嫌いのビンスの復帰が迫る中、タッグマッチの面白さ素晴らしさを見せつけてくれました。好勝負。
評価:****