世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

RevPro Ten Year Anniversary Night 1&2 Review ウィル・オスプレイ対リッキー・ナイトJr./マイク・ベイリー対レオン・スレーター

RevPro Ten Year Anniversary Night 1 8/20/2022

RevProアンディスピューティド・ブリティッシュ・ヘビー級王座戦
ウィル・オスプレイ(c)対”スピードボール”マイク・ベイリー

この試合の良い点。
メインの王座戦に相応しい重厚感。
過度な危険技を使わなくても、完成度の高い20分超えのロングマッチを構築。
要所ではキレ味鋭い攻防を披露。

この試合の悪い点。
ペースと試合の強度を押さえた前半。手抜きとは言わないけどもビッグマッチ感は余りしなかった。その入りから脚攻めに移行した事により、ベイリーの疾走感を活かし切れてないまま終了。

 

 今年のMVP候補対決なのだが、翌日の決戦を控えている事、オスプレイだけでなく、xディビジョン王者になりベイリーにも以前とは違う格が付いた事で、完全にはオスプレイの好きなとにかく死力を尽くすアスリートバトルのシチュエーションを作りづらくなった。ストーリーやライバル関係がある訳ではないので、思ったよりも試合作りが上手く回っていなかった印象。

 世界最高クラスのレスラーなので、脚攻めを交えた丁寧かつ的確な試合構築や要所の凄技、畳み掛けのインパクトは他を寄せ付けない強みを感じたものの、ハードルも高かった事もあり、期待値程は突き抜けなかった。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

youtu.be

 

RevPro Ten Year Anniversary Night 2 8/21/2022
“スピードボール”マイク・ベイリー対レオン・スレーター
 こちらもチャレンジマッチではあるものの、PROGRESSの竹下戦よりは攻撃パートが多く割り振りされており、自由度も高く、持ち前の身体能力を活かした攻撃をアピール出来る。ベイリーの直線的なファイトスタイルとスレーターの若さ溢れるファイトスタイルが上手く相乗効果を生み出している。

 会場は広く使い、攻防は美しく激しく、17歳でベイリーにここまで付いていける選手は中々いない。身体能力を使い続けるだけではなく、動かなくて良い所を理解する力もあり、試合運びに対する伸びしろもかなり高そうなのは期待。豪快なハイフライングを武器にあわやというシーンも作ったものの、最後はベイリーが押し切る展開。

 どんな試合も素晴らしいものに出来る無敵状態のベイリーとはいえ、スレーターがポテンシャルを十二分に発揮した熱戦でした。好勝負。
評価:****

 

RevProアンディスピューティド・ブリティッシュ・タッグ王座戦
サンシャイン・マシーン(c)(チャック・マンボ&TKクーパー)対ザ・ヴェロシティーズ(ジュード・ロンドン&パリス・デ・シルバ)
 攻防量もそれに伴う運動量も独創性も全て多いけども、単調であるが故に全て効果をもたらさなかった惜しい試合。スタイル的にも独創性と疾走感でぶっちぎる両チームが新日本スタイルで物量勝負のロングマッチをした時の悪い見本。

 1つアクセントがあれば、好勝負以上に昇華しても全くおかしくないポテンシャルを秘めていただけに惜しまれる内容でした。まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

RevProアンディスピューティド・ブリティッシュ・ヘビー級王座戦
ウィル・オスプレイ(c)対リッキー・ナイトJr.
 新日本に専念する為に、自らが積み上げてきたバトンを若手筆頭のRKJに自ら渡した試合。
 ただただ凄い試合。攻防の質、量共に最高品質で、身体を削り合いながら、2度のレフェリー失神にテーブルスポットとエンタメ要素もズバリと非の打ち所がない試合内容ではあるものの、問題は非の打ち所がない点。

 オスプレイの超人プロレスには文句のつけようがないものの、対するRKJが完全にオスプレイのコピーに仕上がっており、技もハイフライを抜いたオスプレイにヒロムを足した様な組み合わせが沢山と、新日本ジュニアを合わせましたというもの。クオリティは上がり、新日本の提携団体としてはこれが正解だと思うが、余りにもオスプレイ要素の強い試合に仕上がっており、疑問に感じてしまう。

 新日本ファンなら確実に満足出来るけども、レボプロならではのアプローチも見たかった。好みの問題で名勝負や5スターに付ける人がいても異論はないが、正直これなら新日本を観れば済む話と感じてしまう試合。

 文句無しに好勝負。
評価:****1/4

全体評価:8.5+