世界のプロレス探検隊

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GCW Josh Barnett's Bloodsport 8 & Joey Janela's Spring Break 6 Part 1 Review ジョン・モクスリー対ビフ・ビューシック/Xパック対ジョーイ・ジャネラ他

GCW Josh Barnett's Bloodsport 8 3/31/2022

 

ジョン・モクスリー対ビフ・ビューシック
 出所CZW)と経由地(WWE)が同じの両者。元CZW世界ヘビー級王者対決でもある。試合は、堅いグラウンドにハードヒットがメインとなるが、闇雲に動かず間を置きながら、グラウンドの後の表情で一旦魅せて試合の雰囲気を作り、チームを組む、リーガルやブライアンの要素を取り入れて、更にビッグマッチ感を演出。

 そこにビフがおびただしい大流血姿を見せるならば、ボルテージは一気に急上昇。強大な敵に立ち向かい、そして健闘しながらも玉砕していく姿こそビフの真骨頂。スパドラに向かっていく姿を彷彿とさせていた。その様な相手であれば、モクスリーもより乗ってくるので、ラフを織り交ぜたいなし方を見せ、より一層焚き付ける。

 流血姿で特攻を見せるビフに、ビフを理解した上で、倍返しで力の差を示すモクスリー、ジョン・モクスリー対ビフ・ビューシックで表現したい全てが詰まっていた予想を超える熱戦でした。好勝負。
評価:****

 

全体評価:7

 

GCW Joey Janela's Spring Break 6 Part 1 3/31/2022

 

X-パック対ジョーイ・ジャネラ

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 ジョーイのレイザー・ラモンオマージュのコスチュームと久しぶりの試合となるXパックがジョーイと同じく身体を張っていくのがハイライト。

 

 時間もかけて量も注ぎ込み、何とか特別なものにしようというのが見て取れ、盟友の久々の晴れ舞台を何とか良いものにしようとする時のジョーイは、堅実に進めていく。

 ただ、椅子にドア破壊とGCWらしいハードコアブロウルで見応えはあるものの、毎試合毎大会の様に椅子にドアばかり見せられているので、こういう大切な時にスケールアップしていかないのは本末転倒。ECWのオマージュかもしれないが、上手くストーリーやレスラーの配置を考えていた上で、飽きさせない様な工夫をしていたポールEとは異なり、楽をしてある程度の熱狂があれば良いかと後ろ向きな形でのハードコアなので、そこは対応していくべき問題でしょう。中々良い試合。
評価:***1/2

 

GCW世界王座戦
ジョン・モクスリー(c)対AJグレイ
 王者対決ではあるものの、実力差実績の差は明確。それなら血で埋めてしまおうと動くのは潔い判断。グレイもデスマッチの方が魅力が出る選手で、一発強敵を倒せるパワーも持っているので、モクスリーがリードする展開ではあったが、圧倒的な差はそこまで感じず、有刺鉄線やラダー、更に蛍光灯と一通りデスマッチの攻防をやり切り、熱戦模様を演出。

 モクスリーも若手に胸を貸しながら、本日2試合目の流血戦をやり遂げた。ニック・ゲイジが本調子でなく、ジョーイはベルトホルダーとして団体を回すことは選ばないタイプなので、まだまだモクスリーの力は必要となりそう。まあまあ良い試合。
評価:***1/2

 

GCWウルトラヴァイオレント王座戦
アレックス・コロン(c)対ジョン・ウェイン・マードック

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 GCWにしては丁寧に、この日に向けて数ヶ月間種蒔きをしていった一戦。スター性を打ち出して、日本デスマッチとエンタメ要素をミックスした試合を打ち出すコロンと、ヒールとして大きなうねりを生み出す事は出来ないけれども、的確に仕事を遂行する事に関しては右に出る者はいないマードック。奇襲攻撃から場外蛍光灯ドア葬で景気良く始まり、蛍光灯を割りながら互いを痛めつけていく展開。

 試合巧者の2人ならではの堅実なファイトで終盤を迎え、更にギアが上がっていき、さあクライマックスというところで、コロンが鉄柱に腕〜肩を打ち付け、戦闘不能に。容赦なくマードックが痛めつけて王者交代というバッドエンド。

 コロンの格を落とさずに王者を代えて、ストーリーを繋げたいというのは理解出来るものの、演技で魅せられるタイプでもないので、そこは上手く他の要素を織り交ぜた上で、説得力がある形で決めてほしかった。材料と大舞台が台無し。平均的良試合。
評価:***1/4