世界のプロレス探検隊

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ROH Supercard Of Honor 2022 Review "トニー・カーン新体制始動" 珠玉の名勝負! ブリスコ兄弟対FTR他

ROH Supercard Of Honor 2022 4/1/2022

 

www.fite.tv

 

 

 

ブライアン・ケイジ(w/タリー・ブランチャード)対ニンジャ・マック


 FTRにマネージャー役を解雇されたタリー・ブランチャードが、リクルートしたメンバーは、なんとブライアン・ケイジ。AEWからの横流し!
試合は、スカッシュマッチです。

 

ジェイ・リーサル対リー・モリアーティ(w/マット・サイダル)


 リーサルは、結局ROHリブートの為に獲得したのが良くわかる使い方。結果的にトップヒールとして歩みを始める事となる為、モリアーティとのスキル合戦というよりも、リーサルのアピールの意味合いが強い試合。

 その中でも要所では、モリアーティが軽快な攻撃で魅力を放っていたものの、かつてのタイトルホルダーであり、使い勝手も良いリーサルをヒールターンさせる為の内容となっていく。中々良い試合。
評価:***1/2

 

ROH世界女子暫定王者決定戦
メルセデス・マルチネス対ウィロー・ナイチンゲール
 勝者はディオナ・パラッツォの持つROH世界王座に、統一戦で挑める形。元気印ウィローのパワフルな魅力をメルセデスがとことん受け止めていく形。チャレンジマッチではあるものの、勝敗をわからなくするほどウィローが追い込んでいたので、ボルテージは上昇。WWEリリース後の中では、特にメルセデスの魅力が出た試合でもありました。
 平均的良試合。
評価:***1/4

 

ROH世界タッグ王座戦
ブリスコ・ブラザーズ(c)(ジェイ&マーク・ブリスコ)対FTR(ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィーラー)

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 昨年のROH旧体制最後の大会「Final Battle 2021」で、種蒔きを行い3ヶ月寝かした後、遂に実現したドリームマッチ。

 良い所ばかりの名勝負となったが、この試合において1番良かった点は、ブリスコズが実力を100%出し切った事。晩年ROHとROH旧体制終了後は、実力差がある選手ばかりと戦う事となり、力を抑えながら、それでも勝ってしまうレベルの戦いが続いた。

 しかし、この試合では、その世界最高レベルの真の実力をぶつけても問題ないFTRという世界最高の相手に対し、ブリスコズのタッグとしてもジェイ&マーク個々としても、今まで築き上げてきた歴史を叩き込み、FTRがいなしながらも、基本的には真っ向から打ち返していく最高対最高の激突。

 

 

 試合展開も外れが一切なく、試合時間も適正。序盤のビッグマッチの雰囲気作り、溜めた上でジェイの流血で一気に引き込み、終盤以降はタッグの連携勝負に留まらず、ジェイ対ハーウッドのシングルとしても試合巧者な選手のマッチメイクを多くし、マークとウィーラーは飛び道具としてスポットで貢献。そして必殺のビッグ・リグ対ドゥームス・デイ・デバイスの攻防を重ねに重ねて一発で仕留める。

 ROH/AEWらしいクリエイティブかつハードな面、WWEらしい一発で決めることの美しさが全て備わっていた激戦。少し停滞しかかっていたFTRの価値と、近年のROHを見ていないファンにブリスコズの実力を再認識させた激戦。

 試合後の「ROHを辞めてAEWを作り出し、ROHを買収するきっかけを作った」ヤング・バックスの登場と、ROHリブート一発目に華を添えた大激戦とサプライズでした。 

 文句無しに名勝負。
評価:****3/4

 

 

ROHピュア王座戦
ジョシュ・ウッズ(c)対ウィーラー・ユータ

 技術力が高い2人のテクニックを堪能出来るカードだが、グラウンド偏重となるピュアルールが大会場では不利な玄人好みのルールな為、全然盛り上がらない。

 盛り上がらないことを気にした契約のないウッズが危険技を掘り込んで、コンセプトはメチャクチャ。契約を持っているユータは落ち着いて自分の仕事を遂行。

 ピュアルールはコロナ禍の無観客試合や小大会なら良かったものの、規模が大きくなればなるほど、もしかしたらもう一度封印の方向になる可能性はある。平均より上。
評価:***

 

ROH世界王座統一戦
ジョナサン・グレシャム(c)対バンディード(c)(w/チャボ・ゲレロJr.)

 表情が見えないこと以外は完璧の最強アスリートルチャドールであるバンディードと、そのバンディードの弱点であるマスクマンである点を埋めるかの様に、攻防時、攻防を切るタイミングで印象に残る繋げ方を、自身のスタイルを崩さずに演出出来るグレシャムの上手さが光る内容。

 だからといってテクニックだけをひけらかす様な形ではなく、打撃や飛び技も交えつつ、要所でオクトパス・ホールドを使用するという絶妙なバランス。メインに相応しいインパクトを生み出したい時は、バンディードが凄技を放つ。バンディードもマスクマンなだけで、ボディランゲージ等の最低限の表現は出来、アメリカンプロレスに対応出来るルチャドールなので、グレシャムが合わせ過ぎる必要もなく、良い具合で拮抗した展開となっていた。

 チャボの介入を決定打にせずに、クリーンにまとめたのもROHとこの2人へのリスペクトを示したフィニッシュ。立派にメインを務め上げました。好勝負。
評価:****

 

 

 試合後、元パートナーのグレシャムに難癖を付けるリーサル。止めにかかったサンジェイがグレシャムに攻撃を加え、2人で暴行。そこに現れたのは、ROH殿堂入りを果たしたサモア・ジョー!必殺のコキーナ・クラッチでサンジェイを締め落とし、かつてのライバル兼弟子に警告を与えるサプライズ登場でした。

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全体評価:9