世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

ICW No Holds Barred Pitfighter X10 & Volume 23 Review AKIRA対マーシャ・スラモヴィッチ/マードック対ケイシー他

ICW No Holds Barred Pitfighter X10 3/11/2022

iwtv.live


AKIRA対マーシャ・スラモヴィッチ
 リアルカップル同士の流血戦。激しい蹴りだけに留まらず、ガセットプレートや電ノコ攻撃まで飛び交う大乱戦に。マーシャのダメージ表現の良さが、観客の熱を更に焚き付けることとなり、盛り上がりは最高潮。

 終盤はドア破壊もありと激しさは残しつつもキャッチーさも出した所はこの2人ならでは。最後は、同時ギブアップによるドロー決着だが、恋人対決だから許される平和な結末。関係がアツアツだけじゃなく、仕事振りも激アツな一戦でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ジョン・ウェイン・マードック対ケイシー・カーク(w/ブランドン・カーク)
 ICW一嫌われ者でありICW一といっても良い程愛されているカーク夫妻から、妻ケイシーが出陣。真のデスマッチ女王を目指すべくマードック戦に挑む。

 当然実力差は歴然。ケイシーを手際良くナイフ等の凶器で血祭りに上げるマードック。それを見た観客は、ケイシー応援ムード一色。攻めでマードックを凌駕出来るものはないが、とにかく身体を張る。その張り方も魅せ方が男女問わず他のレスラーに比べ、より感情に訴えかけるものでケイシーを応援したくなる。やり過ぎると引く、ぬる過ぎると面白くない、その絶妙なラインを保って試合を進める事を、マードックの熟練の試合運びが実現可能としている。

 ケイシーも金網からのテーブルへの心中ダイブ等決死の反撃を試みていくが、マードックがテーブルへのスーパープレックスですぐに形勢逆転。そこにケイシーの夫ブランドンが歩み寄り、タオル投入を行おうとしようとするが顔面血塗れのケイシーはそれを拒否。追撃しようとしたマードックを丸め込み、見事大逆転!ケイシーがICWの大エースマードックから大金星を遂げた試合でした。

 ケイシーは、いわばデスマッチ版キャンディス・ラレーなので、とにかく身体を張って頑張る姿を見せる事で、持つスター性を発揮することに秀でている。それを理解している対戦相手のマードック、セコンドのブランドン、運営側のデマント、そして観客が皆スクラムを組んで仕上げたドラマティックな戦い。

 この為に、前に行われたMERC対ブランドン戦でケイシーを一切介入させず、ブーイングを浴びせる機会を作らなかったデマントにも賛辞を送りたい。ICWの団体力の高さを確信出来る試合です。中々良い試合。
評価:***1/2

 

ICWアメリカン・デスマッチ王座戦
リード・ベントリー(c)対ジョエル・ベイトマン
 遂にUS進出となったDMDU総帥ベイトマンを迎え撃つICW王者ベントリー。ベイトマンがいかにデスマッチ愛に満ちている選手といえども、実力差経験の差は歴然。ベントリーが余裕いっぱいにベイトマンを場外戦で弄ぶ試合展開。ベイトマンはまだまだ付いていくだけで精一杯なので、ベントリーがコントロールしていく展開がメインとなる。

 爆竹バットや蛍光灯を駆使し、何とか盛り上げていくものの、ベントリーがキャリーをして何とか形になった印象。まさかの王者交代となったが単品で見れば物足りなさは否めない。しかし、ビジネス的にDMDUとの提携という形を合わせると、沢山の徳が待っているので、批判対象には当たらない。翌日の結果を進める際に、ベントリーの格を落とさずに実行する為には、最善の策だったとはいえるだろう。平均より上。
評価:***

 

全体評価:7.5+

 

 

ICW No Holds Barred Volume 23 3/12/2022

iwtv.live

 

タンク(w/ The Rev)対ブランドン・カーク(w/ケイシー・カーク)
 ICWが誇る名脇役カーク夫妻の働きにより、タンクものびのびファイト。タンクのナックルを受けるブランドンの受け方は芸術的。一発二発目で倒れずに三発目でバタバタと倒れる。H2Oでコーチも務めているブランドンの巧さが光る内容。皆大好きケイシータイムもあり、非常に楽しめる一戦でした。平均的良試合。
評価:***1/4

 

シュラック対クルール
 猛獣大戦争。互いのキャラクターを存分に活かした乱戦もの。大味だがそれが良い。これぞアメリカン・デスマッチというスペクタクル性満載の激突。想像していた程短くはない試合時間の中で、2人の怪物性を最適の方法でデスマッチに落とし込んだ激闘。マッチメイクもそれに応えた両雄も絶妙でした。また観たい。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

#1コンテンダー・マッチ
ジョン・ウェイン・マードック対エリック・ライアン
 ライアンが復帰し全快となった中での数え歌。だが、今回はマードックが徹底的にドミネイトするという珍しいパターンの試合展開。ヒール風味のライアンだが圧倒的な支持率を誇る実質のエースなので、マードックからのバトンを譲り受けるかの様な試合。 

 結局はこの後王座戦が控えていたからこういう風になっただけではあるが、定石を踏まなかった内容。平均より上。
評価:***

 

ICWアメリカン・デスマッチ王座戦
ジョエル・ベイトマン(c)対エリック・ライアン
 ナンバーワンコンテンダー戦を勝ち抜いたライアンがベイトマンを焚き付け、急遽王座戦がスタート。2連戦の初日でベルトを獲らせて、2日目で返していくアメリカンプロレスらしさがあるストーリーだが、小大会であってもこの様な仕掛けがあると、ずっと見逃せない。細かい配慮だが、この配慮がファンを離さない。
評価:**1/4


全体評価:8