世界のプロレス探検隊

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Impact Wrestling No Surrender 2022 Review ジェイ・ホワイト対エリック・ヤング/グッド・ブラザーズ対G.O.D/エディ・エドワーズ衝撃ヒールターン

Impact Wrestling No Surrender 2022 2/19/2022

 

www.fite.tv

 

Impact Xディビジョン王座#1コンテンダー・フェイタル・4ウェイ
“スピードボール”マイク・ベイリー対ジェイク・サムシング対クリス・ベイ対エース・オースチン(w/マッドマン・フルトン)

 腕利きの軽量級戦士と1人ヘビー級のサムシングが矢継ぎ早に凄技を繰り出す4ウェイ。サムシングのパワーがアクセントを飛び越えて軸となっており、それに軽量級3人が立体殺法を加えていく展開。ベイリーの加入もXディビジョン戦線の活性化に一役買っている。華麗なオープニング。中々良い試合。
評価:***1/2

 

ジョナ対ブラック・タウルス
 巨漢対決。ジョナはヒールの立ち位置という事で受け止める役回り。その分タウルスの巨体をリフトアップする怪力を示し、モンスターである事を誇示。対するタウルスがジョナが出来ない分、これでもかと重爆ハイフライングを連発。

 終盤は突進、体当たり、のしかかりと1番シンプルかつ効果がある攻防が炸裂。期待を更に超える肉弾戦でした。これは日本でもかなりウケるはず。中々良い試合。

評価:***1/2

 

エリック・ヤング対ジェイ・ホワイト

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 北米でトップスターになるために、アメリカでの地位を確立しにかかる最中のジェイ。新日本の様にクリエイティブ権が自分にあって、全てやりたい様に出来る訳ではなく、試合時間も縛りがあり、対戦相手のEYの様にキャリアが上の選手とも対戦しなければならない。

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 カリスマ性、人気ではジェイの方が上だが、実績では元WWEで活躍し、インパクト/TNAでは全王座を獲得した1番の古参相手、EYも全て好き勝手はさせず、自らの主張を織り交ぜていく為、新日本の様にジェイのコントロール下には置けない。その制約がある中でも、カリスマ性を失わずに、今のトップは自分だという主張を曲げなかったのは良く、技数、攻防数を絞り、TVプロレスに対する順応も果たしている。

 試合展開が崩れかけたものの、エプロンへの投げや必殺技の攻防で持ち直す。ヒール対決という難しさはあり、EYも実力はあるが、癖もある選手である中、ジェイはダークヒーローのポジションを確立出来ており、ジェイのショーケースとしては十分な一戦でした。中々良い試合。

評価:***1/2

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ROH女子世界王座戦
ディオナ・パラッツォ(c)対ミランダ・アリゼ

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 ディオナのオープンチャレンジに応えたのは、17歳の超新星ミランダ。ロキシーに敗れて取れなかったROH女子のベルトを選択し勝負に挑む。ルチャらしい軽快なホイップ系の技からディオナを翻弄しにかかるミランダ。それを受け流し、貫禄の試合運びで返り討ちにするディオナ。

 ストーリーが続くものではないけれども、ミランダの才能を示すには十分な内容。Rok-CがWWEへと旅立った今、次はこのミランダがブレイク候補の筆頭となるでしょう。平均的良試合。
評価:***1/4

 

Impactデジタルメディア王座戦
マット・カルドナ(c)対ジョーディン・グレイス

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 自らこそがインターネットだとアピールするカルドナは、GCWなどと同じくヒールターン。掠め取ったベルトを取り戻したいジョーディンにボコボコにされるものの、安定のヒールアピールで場を掌握。カルドナが悪態を突く同時刻にGCWでニック・ゲイジが登場しているのには笑ってしまったが、それだけ因縁深いということ。

 カルドナの金を生むヒールワークに、ジョーディンのパワフルな攻撃は相性抜群。最後はカルドナがしてやったりの不透明決着でベルトを譲らず。タッグパートナーのレイチェル・エラリングは契約外となり、女子戦線からあぶれていたジョーディンを再び活かす方法としては最適である。平均より上。
評価:***

 

Impact世界タッグ王座戦
グッド・ブラザーズ(c)(カール・アンダーソン&ドク・ギャローズ)対ゲリラズ・オブ・ディスティニー(タマ・トンガ&タンガ・ロア)
 名タッグではあるが、クオリティを常時残せるタイプではない両タッグの激突。

 インパクト参戦史上トップクラス、ケニー参戦時並のやる気を見せたGBとラフに強いGODが荒々しい攻防を行うも、立ち位置的には両方ともヒールである点、ミッドカードである点、TVプロレスというよりも新日本的な攻防間を詰めた試合展開である点、これらから新日本のミッドカード的タッグマッチ。

 悪くはないけど特段良くもないという試合に。ボリューム増し増し加点狙いスタイルではないと苦しく、GOD絡みだとハードコアの補佐がないとアメリカンプロレスでは弱さが出る。決着のジェイ・ホワイトによるタマ・トンガ裏切りが全ての試合でした。

 ただこんな大事なストーリーラインを給与体系では格下のインパクトにやらせても良いのか新日本と疑問には思う。平均より上。
評価:***

 

 

 

Impactノックアウツ王座戦
ミッキー・ジェームス(c)対ターシャ・スティールズ(w/サヴァンナ・エヴァンス)
 エネルギッシュで情緒豊かなターシャと、RR出場を経て更に輝きを見せるミッキーの一戦。ベーシックな腕の取り合いから場外戦をじっくり行うなどレスリングを行う事に重きを置きながら、サヴァンナやチェルシーが介入するストーリー展開も含む。終盤のブーストは足りなかったものの、十分見応えはある試合。平均より上。
評価:***

 

Impact世界王座戦
ムース(c)対W.モリッシー

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 W.モリッシーは、元WWEのビッグ・キャス。
 WWEかという様なエンタメ要素を含んだビッグマン対決。必殺技を多数打ち合い、テーブル破壊を導入するなどあえて大味にしていたのが印象的。終盤はグダついたものの、文字通り力技でカバー。モリッシーは体格と華があって、インディレスラーには中々出せない魅力があるので、ラシュリー、マッキンタイアラインに乗ってWWE返り咲きは数年以内にあるでしょう。中々良い試合。
評価:***1/2

 

HNMが勝てば、インパクトに継続参戦出来る、負ければ追放
Honor No More(ケニー・キング、PCO、ヴィンセント、マット・テイヴェン&マイク・ベネット)(w/マリア・カネリス-ベネット)対チーム・インパクト(クリス・セイビン、ライノ、リッチ・スワン、ウィリー・マック&スティーヴ・マクリン)

youtu.be 元々はインパクト軍にはエディ・エドワーズがいたが、大会中に襲撃され戦闘不能。代打でウィリー・マックが参戦。
 メンバーそれぞれに見せ場を作った多人数タッグ。OGKやセイビンの動きは他と比べ良く、PCOのスーサイドスポットもあるが、全体的には可もなく不可もなく。インパクトレスリングの支柱であるエディ・エドワーズの衝撃のヒールターンを見せたいが為の試合。聖人エディがヒール軍団のリーダーになるとは夢にも思わなかったが、インパクトがエディを大切に思っているが故のストーリーである。平均より上。
評価:***

 

 

 

全体評価:7.5+