世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

St Louis Anarchy Circus Maximus 2021 Review デイビー・リチャーズ対エヴァレット・コナーズ他

St Louis Anarchy Circus Maximus 2021 7/9/2021

iwtv.live


デイビー・リチャーズ対エヴァレット・コナーズ

 復活したデイビーの相手はすっかりキャラチェンジをして、Twitterでは、恋人?のチャーリー・エヴァンスとイチャイチャを載せているコナーズ。とはいえ、元々はエルガンの弟子なので、デイビーとエルガン、かつて5スターも取った程の組み合わせが、回り回ってこういう形になるとは、思いもしなかった。当然コナーズは、そんなこと触れてほしくはないだろう。
 デイビーは、強く上手くという形で、得意のシークエンスを見せながら、キャリアの差を見せつける。防戦一方ではあったが、コナーズが見かけによらないタフさを示し、一進一退の攻防へと移っていく。強さはないものの、デイビーのハードヒット、シュータースタイルにも応戦出来て、曲芸はないものの、一定の身体能力はあり、テンポが小気味良いのが特徴。デイビーが巻き起こした熱を逃さなかったのは、評価ポイント。

 尻上がりに試合の質は上がり続け、単なるデイビー復帰マッチに終わらせず、コナーズの株を上げた試合となりました。自身の外見とデイビーとのギャップ、そして予想だにしなかったストロングな試合内容に目を奪われた一戦でした。

好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ゲートウェイ・ヘリテージ王座戦
ジェレミー・ワイアット(c)対ゲイリー・ジェイ
 地元のローカルエース対決。その中でもジェイはICWNHBの準レギュラーの位置を獲得して、活躍の場を広げている。
 冒頭10分は、じっくりとしたグラウンドに、ジェイが打撃やトペを織り交ぜるも、ワイアットが自分のペースに引き込み離さないという展開。今のカール・アンダーソンの様なルックスのワイアットは、クラシカルなヒールスタイル。色々な事をそつなくこなせる技術は持っているものの、器用貧乏な印象は受ける。普段なら次々進める攻防を、薄く広く行い、繰り返し行う所に、とにかくロングマッチで時間を稼ぎたい意図を感じる。ジェイが攻守に渡り、何とか試合を動かそうとする意識に助けられているのは否めない。ただ、これを挑戦出来るのもローカルインディーの良さでもある。

 地味渋でもクラシカル、テクニカルとして認められる土壌を作るのも大切。昨年のフレッド・イェーハイ戦の様な当たりがあるからこそ、価値が生まれている。スローペースではあるものの、時折一進一退の攻防、ニアフォールを入れながら30分経過。少しずつダメージ値が上がっていき、死闘モードになっていく。

 後半30分の始まりは、攻防のチェーンはあったものの、死闘モードが色濃くなり、ダウンの時間も増えていく。ピュア・ルールの様なロープ・ブレイクの回数制限、違反行為の警告といった仕掛けはあり、組み込めているとはいえ、技術的に凄いのと、内容が面白いのは別。正直技量が試合時間の長さに追いついていない上に、ピュア・ルールの仕掛け導入とあっては、拮抗作用が働いてしまう。(特段ワイアットが、技術的に他よりも高いとも思わないが。)

 そして何よりもジェイの鋭いハードヒッティングやハードコアにおける強さを損ね切ってしまったのが、停滞の一番の要因。15分〜20分に詰め込むのがベストだったでしょう。これではいけないと思ったか、ラスト10分は、スタイルを崩してまで、エプロンへの投げや場外戦を入れて、体裁を整えにいったが、ジェイがトペを失敗する等焼け石に水。要は、長ければ良いものではないということです。平均レベル。
評価:***