WWE Clash At The Castle: Scotland 6/15/2024
アンディスピューティドWWE王座戦-アイ・クイットマッチ
コーディ・ローズ(c)対AJスタイルズ
マーク・ヘンリーオマージュのフェイク引退から抗争再燃した両雄。スコットランドの観客の熱狂を背に、レスリングとしてもエンターテイメントとしても優秀なアイクイット戦を作り上げる。
シンプルな一進一退の攻防からバックステージに雪崩れ込む場外戦を経て、まずはAJが実況席への垂直落下ブレーンバスターなどを畳み掛け、コーディをグロッキー状態に追い込む。過度になりすぎない様な配慮はあるものの、流血とコーディの絶妙なダメージ表現により、アイクイット戦らしい遺恨精算の舞台へと誘っていく。
手錠による拘束からの凶器攻撃で的確に追い込んでいく。ここに関しては、コーディの土俵だが、AJも的確に流れに乗っていく。コーディの母親を絡めた支配ターンを経た後のコーディの反撃シーンで、AJらしさも発揮。椅子投げを喰らった後のテーブル落下の受けは、AJだからこそ出来るセンス溢れるものである。
手錠使用に代表される様に、アイクイット戦らしい攻防を多数配置しているものの、凄惨になり過ぎない配慮も加えており、ライト層でも十分楽しめる過激度となっている。その辺りの良い塩梅を突いていけるのが、WWEでトップを張るレスラー2人であり、今のWWEの裏方陣である。
メインイベントの1つであると同時に、オープニングであることも忘れない。この試合は、全てにおいてバランス感覚に秀でている名勝負でした。
評価:****1/2
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— プロレスリング・ノア |PRO WRESTLING NOAH (@noah_ghc) 2024年6月16日
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7.13日本武道館で" シングルマッチ "決定‼‼‼
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AJスタイルズ
「WWEの”フェノメナール”AJスタイルズだ。7月13日、NOAHの日本武道館大会で日本のレジェンド 丸藤と戦う。7月13日、最高な試合にしよう」#noah_ghc #WWE @wwe pic.twitter.com/sXmpjaML3C
WWE女子タッグ王座戦-トリプル・スレットマッチ
ビアンカ・ブレアー&ジェイド・カーギル(c)対ゾーイ・スターク&シェイナ・ベイズラー対アンホーリー・ユニオン(アルヴァ・ファイア&アイラ・ドーン)
地元アルヴァ&アイラが大歓声を受け登場するも、試合の主役はやはり王者組。身体能力の高さをこれでもかと発揮し、複数人を薙ぎ倒していく姿は爽快。
その上で複数人ムーブ、3組入り乱れる攻防を多数配置し、最後は歓喜の瞬間と、フルスロットルではあるものの、非常にまとまったWWEらしい3ウェイタッグでした。
平均的良試合。
評価:***1/4
WWE IC王座戦
サミ・ゼイン(c)対チャド・ゲイブル(w/オーティス&マキシン・デュプリ)
序盤、中盤そしてクライマックスの攻防でそのシーンが配置された様に、オーティス&マキシンとゲイブルのストーリーがメインの試合。
それ自体は嵌っている面白いストーリーなので、見せ場となっているが、その一方で、アクションパートでは丁寧なレスリング、華麗かつ激しく、そして精度の高い攻防を繰り広げ、確実にクオリティを打ち出してくるサミとゲイブルの実力の高さを堪能出来る。実力が高い上に、手も非常に合っている。
ストーリー偏重のはだったのは否めないけれども、それがWWEである。それだけこのストーリーがハネている証拠。そしてこの様な試合でも、レスリング部分を疎かにしないのが今のWWEであり、この2人に対する信頼と敬意が感じられる。試合全編通してハイレベルな一戦でした。
好勝負。
評価:****
WWE女子王座戦
ベイリー(c)対パイパー・ニーヴェン
こちらも地元凱旋のパイパー。得意の重爆攻撃を武器に王者ベイリーに肉薄。パイパーは縮こまらずに得意な攻撃を徹底する。その他のことはベイリーがこれでもかと動き回り、飛び回りと機動力を活かした攻撃で応戦。徹底したコンセプトマッチ。この2人ならばこれが最適解。
その上でスポットライトを掻っ攫ったのは、パイパーのセコンドである。チェルシー・グリーン。度重なる介入シーンでは、そのウザさで印象的な見せ場を作りました。
平均より上。
評価:***
WWE世界ヘビー級王座戦(※ジャッジメント・デイはリングサイド立ち入り禁止)
ダミアン・プリースト(c)対ドリュー・マッキンタイア
バグパイプバンドを従え、大歓声の元、地元の大スターマッキンタイアが登場。この日に限っては大ベビーフェイス。躍動感溢れるビッグマン対決であり、普段はヒール同士の対決とあって、逆にニュートラルとなるため、ストレートな一進一退の攻防となる形。シンプルではあるが、迫力でカバー出来る強さがある。
しかし、ロープを蹴ってのトペコンヒーロを放とうとしたプリーストが、ロープに足を絡ませてしまうアクシデント。これにより足を負傷し、動きが落ちてしまう。
それでも足に負担を過ぎない攻防にスイッチをしながら、それでも痛みを我慢し、試合を続行。バリケード破壊や必殺技の応酬までやり切り、何とか試合を完走。
その様なアクシデントがあっても、大舞台ながらピンチであることを見せずにまとめてみせる2人のレスラーとしての地力の高さが光った一戦。最後は予想通り、CMパンクが登場し、マッキンタイアを嵌めてダーティーにフィニッシュ。兎にも角にもプリーストの負傷が重傷でないことを祈るばかりです。
平均的良試合。
評価:***1/4
全体評価:8.5+