Prestige Wrestling Roseland 8: The 7 Year Anniversary Show 4/14/2024
ムスタファ・アリ対ケビン・ブラックウッド
前半戦MVPの1人ムスタファ・アリの完成度の高い動きと試合構築に惚れ惚れする試合。動いてはXディビジョン王者らしくスピーディーで立体的な動きを繰り出し、同時に力強さも示す。
構築面ではストライカースタイルのブラックウッドの鋭い攻撃を引き立てながら、TVプロレスとライブプロレスの良いところ取りというべきスケールは大きくも、観客を飽きさせない構築で魅了。
ブラックウッドも実力者でアリを追い詰めるだけの活躍は見せていたが、この試合では全てにおいてアリの方が一枚上手。アリが格の違いを示した一戦でした。
好勝負。
評価:****
山下実優対カイリー・レイ
序盤はカイリーらしいコミカルな攻防が続くも、中盤以降は互いのレスラースキル、フィジカルの強さを表す締まった良い攻防が続く。大きな仕掛けはないけども、カイリーのキビキビとした動きは、山下の鋭い反撃を呼び込む。
山下がカイリーのことをもっと理解出来る位になれば、凄い試合になるポテンシャルは秘めている内容、それを再確認出来た試合です。
平均的良試合。
評価:***1/4
ザック・セイバーJr.対ダニエル・マカベ
業界トップのテクニシャン対決。とはいってもマカベが引退をアナウンスしているからこそ実現したくらいに、かたや世界的トップスター、かたやローカルのレジェンドと格の差は歴然。
しかし、この日の主役はマカベ。ホームマットの一つであるPrestigeで、長く一緒に活動もしてきているAEWのオーブリー・エドワーズもレフェリーに迎え、観客の支持を受けながらザックに挑んでいく形。
テクニシャン対決らしく真っ向からテクニカル勝負。基本の腕の取り合いからグラウンドの攻防、関節技の応酬までずっと見ていられる攻防が連続。流れる様な攻防と思えば、意図的に切っていき、緩急も変幻自在。
それだけでもハイレベルなのだが、テクニック勝負に特化しすぎず、投げや打撃もしっかり取り入れて、キャッチーな要素も織り込むのは、ザックはステージが上がり、マカベはキャリアを重ねて尖っていた部分が丸くなっていったからか。
また、ザックがこの試合の意味を理解して、マカベを立てながら試合を進めていたのも印象的。本当はマカベが立てる立場にある中で、ザックがあえてスポットライトを譲って試合を進める。しかし、締めるところは締めるのはトップスター。最後のサブミッションではマカベの身も心も折る久しぶりにザックらしい完全粉砕スタイルのサブミッションが見れたのも大きなポイント。
期待通りの技巧派対決ながらザックの熟練度の高さ、マカベの哀愁と技術の向こう側にあるレスラー個人の思考や想いが滲み出ていたのが非常に興味深かった好勝負。
評価:****
全体評価:8+