WWE Monday Night RAW #1607 3/11/2024
ベッキー・リンチ対リヴ・モーガン
女子部門の大将ベッキーに対し、復帰したリヴが得意の七色のコードブレーカーに加え、ベッキーの得意なサブミッションを自分から仕掛け、リング・オブ・サターンを必殺級に据える事で、スリリングな試合に昇華させることに成功。
リヴの思わぬ健闘に圧倒される試合内容。当然ベッキーのスターパワーと確かな技術があるからこそリヴが思う存分出来たのは言うまでもない。リヴのこれからが楽しみになる熱戦。
好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4
IC王座#1コンテンダー・ガントレット・マッチ
リコシェ対JDマクドナ対“ビッグ”ブロンソン・リード対サミ・ゼイン対中邑真輔対チャド・ゲイブル
今回のガントレット・マッチは2部構成。
オープニングのリコシェ対マクドナ、最後のサミ対ゲイブルに長めの試合時間を与えてクオリティを残させ、その他のマッチアップはストーリーやキャラクターを遵守しながらコンパクトに進めるという非常に考え抜かれた構成である。
オープニングのリコシェ対マクドナが予想以上にハネたことも軌道に乗る上で非常に大きな役割を果たした。リコシェの類稀なる身体能力を活かした攻撃にあっさり負けると思われたマクドナが、かつてUKを制覇したアイリッシュ・エースの面を全開にした対峙することで意表を突く。ハイレベルで濃密な攻防の数々。ワンマッチでも通用する好内容で魅了。
その後、リコシェ対リードは、リコシェが奇襲をかけるものの、巨漢リードの強さを示したショーケース・マッチ。
次にリード対サミも巨漢リードに苦戦するも一瞬の隙を突き、リードの価値を守った上で勝利。
その次はサミ対中邑は、リードの負け惜しみ襲撃に遭ったサミがダメージを負った状態で中邑に攻め立てられるも、こちらも苦しみながら隙を突き勝利とシームレスにストーリーを守りながら上手く最後のサミとゲイブルに繋いでいく。
サミとゲイブルという人気も実力も兼ね揃えたアンダードッグ2人をぶつけてどうなるかと注目していたが、サミをアンダードッグとしてキープさせ、ゲイブルがスープレックス&アンクル・ロックメインのカート・アングルスタイル特化で苦しめる展開。
サミが勝つのは既定路線だったが、ゲイブルが行くのでは?と思わせるほどギリギリまで追い込み続けた展開は非常に熱を帯びていた。寸の差で決着が付いた形も実に丁寧なストーリー・テリングが効いている。
WMは勿論、アフターWMにまで影響を与えそうなのも見事。その場のマッチクオリティを打ち出しながら、伏線回収と未来への種蒔きも同時並行で行う。これぞHHH体制のWWEというべきウィークリー放送だからこそ出来る連続ドラマ。全編通して圧倒的な完成度のガントレット・マッチでした。必見の好勝負。
評価:****
全体評価:7.5
WWE Monday Night RAW #1609 3/25/2024
リコシェ対JDマクドナ(w/”ダーティ”ドミニク・ミステリオ)
ガントレット・マッチの内容が評価され、改めてシングルマッチも実現。
リコシェの躍動感とマクドナの迎撃系を揃えたカウンターの数々が嵌り、それに加え、インディ時代の様なリコシェのハイフライヤーではない怪力な面も多数反映され、アンダーカーダーの試合としてではなく、世界屈指の軽量級戦士による激闘として描かれている。かけられた期待を内容でしっかり返した。
豪快な攻防の連続に、ドミニクの介入を最後の一スパイスとして加え、最後の立ったマクドナへのSSPという意表を突いたフィニッシュも見事。通常放送の単なる一試合だからと手は抜かず、意味のある試合に仕上げた。
アフターWMに向けて両者共、存在感を示した好勝負。
評価:****
全体評価:7