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WWE Royal Rumble 2023 Review ローマン・レインズ対ケビン・オーウェンス他

WWE Royal Rumble 2023 1/28/2023

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メンズ・ロイヤル・ランブルマッチ

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 グンターとシェイマスのライバル対決からスタート。軽く打撃戦を行ったところで、ミズ、コフィ、ガルガーノ、ウッズと序盤は中堅を集めてテンポ良く。やられ役もミズ→ガルガーノと移しつつもテンポは崩さず。

 8番手ゲイブルが、ウッズとアマレスの攻防を始める小ネタがありつつ、9番手のマッキンタイアが、シェイマスと共に行動し、リングをコントロール。

 ここで前半の大きな見せ場、レスナーによるお掃除大会開催。全員蹴散らすか位の勢いで敗退させるも、次に現れた遺恨を持つラシュリーが、レスナーを敗退させるサプライズ。ここまでのフルスロットル感は凄まじく、やはりレスナーは特別だと再認識させるには十分。扱いづらさも兼ね揃えるメガスターに対して良くこのブッキングを飲ませたといっても良いでしょう。

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 ここからは、技巧派が続々と登場。セスにジャッジメント・デイ勢揃いから、待ってましたのエッジ復帰では、リアや妻ベスも登場する演出も。ここまでやったのだから、ロックやオースチンといったメガサプライズを期待したくなるものの、現れたのはローガン・ポールと予告済みのコーディ。

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 カバーするかの様なリコシェとの大空中正面追突は面白かったものの、ネタに頼るしかなかったのは惜しまれる。ただ、スターに対する脱落のさせ方は丁寧に描いているのは救い。尻すぼみしてしまった終盤だが、復帰したコーディがしっかりとコンディションを仕上げており、1番手入場で70分戦い抜いたグンターと力の籠った攻防も展開。

 コーディのスターパワーに賭けた形だが、兄ダスティンのシャタード・ドリームスを決めるといった演出もあり、難なく重責を果たす頼もしいコーディと、息も絶え絶えの中、最強のヴィランとして君臨したグンターが下降線を辿っていた試合を救う大活躍。しっかりまとめ切ってバトンを繋ぎました。

 これがメインなら弱いが、理解が出来るプロダクションが多く、オープニングなら問題はなし。好勝負。
評価:****

 

ピッチ・ブラックマッチ
ブレイ・ワイアット対LAナイト
 スポンサーのマウンテン・デューカラーのネオンナイトの下で行うハードコア戦。その光景が全ての短時間アクション。むしろスカッシュじゃないのが、ナイトに対する配慮か。
 実況席破壊に照明でビームサーベル化した竹刀攻撃が視覚的には見所。アンクルハウディの謎は解けぬまま、謎の高所落下テーブル破壊で映像は終了。オカルト路線はこれ位ぶっ飛んでないとインパクトがないので、これはこれであり。ランブル戦後の小休止としては十分。

評価:**

 

ウィメンズ・ロイヤル・ランブルマッチ
 リアとリヴの元パートナー対決でスタート。男子とは異なり、実力もある中堅を揃えたものの、余り良い効果は得られず。

 NXT女子王者ロクサーンが他を寄せ付けない才能を示し、復帰した美しきマット・カルドナ夫人チェルシー・グリーンが5秒で脱落する安定のネタキャラとして君臨した位で、例年と余り代わり映えがしない展開が多かった印象。

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 Damage CTRLとベッキーの抗争が思ったよりもハネてなく、大きな波を作れず脱落していったところで、この試合のクオリティは決まったといっても良いでしょう。
 アスカが華名時代のメイクとコスチュームを彷彿とさせる形で復帰し、変わらず頭抜けた実力を発揮、1番手のリアと何とか頑張っていくも、全体的な底上げにはなるには今ひとつ。

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 サプライズ要因となり得るサラヤはAEWに取られ、サーシャやカイリはスターダム、ナオミやベラズも不在。最後に現れたナイアではサプライズも弱すぎた。
 ただ、ラスト3、リア、アスカ、リヴとなってからの内容は完璧。それぞれのスキル、キャラクターを全て良い方向に作用させた最高のクライマックスは必見。終わりよければすべて良しと思うには十分でした。

 平均より上。
評価:***

 

アンディスピューティドWWEユニバーサル王座戦
ローマン・レインズ(c)(w/ポール・ヘイマン&サミ・ゼイン)対ケビン・オーウェンス

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 ここ10年を見ても、トップクラスのクオリティを誇る内容を展開しているブラッドラインのストーリー。そこにKOサミの死ぬまで愛し合い憎しみ合う特別な関係を織り交ぜて、面白くならない訳はない。死に体だったビンス体制でさえ、面白さを出せていたので、体制が変われば当然業界をリードするものになる。

 どう考えてもレインズをここでは負けさせないのではないかという予想が駆け巡り、なおかつサミの動向が一番に来る状況の中、スローな立ち上がりから、攻防を重ねていき、ラフやハイフライングを織り交ぜる安定感溢れる試合構築。

 レインズの演技とKOのパワフルな大技ラッシュは、大爆発とはいかないまでも、確実に加点を積み重ねる事には成功している。常にサミの一挙手一投足を印象付けさせるカットも手堅い演出。

 レフェリー失神から幻の王座奪取、必殺技乱舞を経て、支配的なフィニッシュと全ては試合後の為のセットアップに過ぎない内容ながら、RRのメインとあって、間違っても外す様なことはしたくないという意図が伝わる丁寧な試合内容。2年前も抗争しており、対戦回数も重ねている両者だけに、一定のクオリティは容易に作り出せていた。
 試合単品としては、もっとインパクトを生み出す事も色々組み込めただろうということで、好勝負に届かない良試合という評価だが、試合後のスキットが全てを塗り替えるので全く問題なし。

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 WWEの本気、演者の演技力、WWEですら飲み込んでいくスティーネリコ2人の長い長い愛憎劇を繰り広げてきた歴史が、極上の名シーンを作り出しました。ストーリーメイキングの大切さを思い知らされる。
評価:***3/4

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全体評価:8.5

 

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