世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

WWE TVマッチレビュー2023 ケビン・オーウェンス&サミ・ゼイン対グンター&ルドヴィグ・カイザー他

WWE Monday Night RAW #1568 6/12/2023
アンディスピューティドWWEタッグ王座戦
サミ・ゼイン&ケビン・オーウェンス(c)対インペリアム(グンター&ルドヴィグ・カイザー)

 ケビン・スティーン&エル・ジェネリコ対リングカンプ(ウォルター&アクセル・ディーターJr.)がRAWのメインでタッグ王座を賭けて、立派にメインを務め上げていると思うと感慨深い。

 グンターの強烈な攻撃を軸にしながらも、タッグのタッチするかしないかの攻防を序盤に丁寧に行い、サミKOも連携技を積極的に使用。インディらしい連携技を多用するタッグマッチも余裕で出来ますよと言わんばかり。当然彼らもインディを制覇してWWEに上がってきたのだから出来て当たり前ではある。前回放送で好勝負を残したKO対グンターのハードヒッティングに加え、グンター対サミのドリームマッチも実現。グンターの破壊力を引き立てるサミの素晴らしいラリアット受け。このカードをシングルで行っても素晴らしい試合になるでしょう。

 1人スターパワーは落ちるカイザーだが、実力は申し分ない選手。グンターは異なるストライカータイプのハードヒッター。格をキープするために負けさせられないグンターは、与えられるパートが限定される中、攻守に渡りカイザーが良い働きを見せることで、この試合のクオリティは押し上がった。グンターのパートナーとしてはティモシー・サッチャーのイメージが強いが、WXW時代からの正パートナーの一人であるカイザー。グンターとの連携もピッタリ。関係性でいえばサミKOに匹敵するものがある。

 グンターがサミを圧倒し、あわや王者交代という緊迫感も強く生み出し、そのスリル感をサミとカイザーで持続させたのも見事。必殺技ではないカウンター技のブルーサンダーボムをフィニッシュに登用したのも、この試合の流れにピッタリ。サミとケビンをタッグ王者に据えている恩恵をこれ程までに感じられる試合は中々ない。WWEのスケールは保ちつつも、インディテイスト満載の好勝負でした。
 好勝負。
評価:****


全体評価:7.5

 

WWE Friday Night SmackDown #1238 5/12/2023
WWE世界ヘビー級王者決定トーナメント1回戦-トリプル・スレットマッチ
AJスタイルズ対エッジ対レイ・ミステリオ


 

 

 90年代、00年代から一線で活躍し続けてきたリビングレジェンド達が集結した3ウェイ。このカードだからということを示すかの様に3ウェイムーブを徹底的に決めていく展開。

 Xディビジョン的独創性を示したい思いが痛い程伝わり、一定の成功はしているものの、40オーバーで、かつての様な動きは出来ない中、攻防の切れ味は現世代で同じ様な活躍をしている選手達には劣る。

 その分の経験や積み上げてきたストーリー、圧倒的なスターパワーも備えている3人なので、異なる魅せ方で昇華出来そうな気はするものの、今の状態でどこまで出来るのかという限界に挑戦した試合。そしてこの様なドリームマッチを実現してくれて尚且つ良試合を見せてくれただけでも感謝したい。
 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4


全体評価:7

 

WWE Friday Night SmackDown #1239 5/19/2023
LWO(レイ・ミステリオ&サントス・エスコバー)対ジ・ウーソズ(ジェイ&ジミー・ウーソ)


 

 

 ウーソズのアピールマッチかと思いきや、ラテン人気に押され地位を上げているLWOも躍動。ミステリオのスターパワーに、エスコバーの躍動感が交わり相乗効果を生み出している。

 元々WWEでも順調に位を上げる程の実力者であるエスコバーだが、LWO加入というストーリーは、ルチャドールのメインロスターでのブレイクという難題をクリアするには十分なファクターとなりそう。
 ウーソズが強さを示すかと思いきや、LWOが必死に粘り反撃していく展開は非常に勢いを生み出し、とどめとなるサミKO介入からLWO勝利という結末もこの試合のクオリティを押し上げた。

 王座戦でなくともこのクオリティが出せるWWEの層の厚さを表した一戦でした。

 好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4