世界のプロレス探検隊

WWEAEW新日本インディ他、国内外問わずプロレスのマッチレビューを行っています。

ICW No Holds Barred Volume 21 Review 米英大流血戦! フッドフット対ビッグ・F'N・ジョー/リジェクツ対決他

ICW No Holds Barred Volume 21 1/22/2022

iwtv.live

 

AKIRA対クリント・マルジェラ
 久しぶりのUS進出となったマルジェラ。ベテランらしくそつなく試合を進めているが、派手な選手ではないので、ガラスや蛍光灯はあっても良かった。その分AKIRAが機動力やリアクションで魅せていたのが印象的。ナイフ付ドアへの投げなどでインパクトを残し幕。オープニングとしては悪くないでしょう。平均より上。
評価:***

 

コルビー・コリーノ対ブランドン・カーク(w/ケイシー・カーク)


 スティーヴ・コリーノの実の息子と、スティーヴ・コリーノに憧れているレスラー対決。スティーヴオマージュのブリーチブロンドに流血を見せたブランドン。凶器自体はカーペットストリップと椅子で派手ではなかったが、尻上がりにボルテージを上げていき、お馴染みケイシーの介入、強烈な椅子トラップへのドライバーで確実に盛り上げてみせた。安定のカーク夫妻の試合でした。平均的良試合。
評価:***1/4

 

ダニー・デマント対”フランチャイズ”シェイン・ダグラス
 盛りはとっくに過ぎているダグラスとはいえ、デマントが攻撃を受けることで試合は成立する。ただダグラスがテーブル葬やドア破壊を受けたのは意外だった。ダグラスが十八番の試合前のプロモと、蛍光灯束攻撃という普段使わない攻撃で意外性を出した試合。思ったよりはちゃんと試合になっていた。平均レベル。
評価:***

 

サトゥ・ジン対カサノヴァ・ヴァレンタイン
 ヴァレンタインが久しぶりにICWに登場。ヴァレンタインがいない間に台頭したジンとの一戦。各種凶器を打ち込み、傷口にグリグリしていくシンプルなデスマッチだが、この2人のアングラ感満載の風貌とキャラクターでやることにより最大限魅力を発揮する。余計な味付けせずに、お互いに血塗れで殺傷力高い凶器を次々と放っていく。それで十分。流血祭の開催を高らかに告げる様な熱戦。好勝負に届かない良試合。
評価:***3/4

 

ミッキー・ナックルズ対ルダルク・シャイタン

youtu.be


 約7年ぶりの再戦となる両者。先日サディーカに髪の毛を奪われたばかりのミッキーは、大阪にいそうな程カラフルな色の坊主姿で登場。
 冒頭の椅子に座っての打撃&蛍光灯合戦でエネルギッシュな幕開け。ルダルクがマスクウーマンなので、流血で勝負出来ない所を場外戦でカバー。中盤はまったりしてしまったものの、終盤は蛍光灯トラップで持ち直す。

 ルチャドールのスマートさを持つルダルクと豪傑ミッキーでは、余り相性は良くないのだが、両者状態が良いので良い試合のレベルには収まる。フィニッシュが丸め込みからのダブルフォールと次を残した形だった影響もありこの評価。中々良い試合。
評価:***1/2

 

“フッドフット”モー・アトラス対ビッグ・F’N・ジョー


 デスマッチ界の超新星フッドフットとUKデスマッチ界のトップであるジョーの大激突。超新星やトップといってもアンダーグラウンドのレベルなので、試合運びの粗さは見れば見るほど目立つけれど、尋常ではない身体の張り方と流血量。クレイジーなキャラクターも既に確立されており、粗さが気にならない狂った内容に仕上がっている。

 両者もただ暴れるだけではなく、小技を挟む意識もあり、股間への蛍光灯攻撃やこの試合のハイライトとなったニット帽に画鋲? ガラス?を大量に入れ、それを被せた状態で椅子攻撃を見舞うという、シュラックのビニール袋窒息攻撃をも超える衝撃技を決めるといった独創性も備えている。

 並み居る強豪を押し退けてセミ抜擢を果たした中、その期待以上の働きを残した死闘でした。好勝負。
評価:****

 

ICWアメリカン・デスマッチ王座戦
ジョン・ウェイン・マードック(c)対リード・ベントリー
 濃厚なデスマッチ3連発の煽りを喰らい、過激度のみでは勝負出来なくなってしまったメイン。蛍光灯も椅子に座っての殴り合いも幾度となく行われており、食傷気味。その為ペースを落とし、格を付けながら、差別化を図る。それが出来る2人ではあるからこそではあるが、特に遺恨を大きく付けた訳ではないので、特段ブーストはせず。

 蛍光灯を大量に使用し、ニアフォールも多数とメイン、パートナー対決、王座戦に求められる内容は残している。しかし、オールデスマッチのマイナス面が出てしまったことと、2人のスタイルやスキル的には、IWA的にもう少しストーリーがあった方が、より良くなった可能性はある。長期政権が終わる時にありがちな熱戦だけれども、呆気なく終わる形。

 とはいえベテランとして出来る最善を尽くし、濃密な大会の最後を締める事は出来た。中々良い試合。
評価:***1/2

 

全体評価:9